加奈のdiary

ソプラノ歌手 根來加奈 の
ホームページ連動ブログです。

8.09 長崎

2010年08月09日 | diary
そうです。
今日は 長崎に「原爆」が投下された日です。
普段は気にしていないのですが、テレビ・ラジオ、各メディアで
「長崎原爆の日」 が報道されるので、「あぁ、そうだ」と思います。

もちろん私は、実態を知りません。
祖父母の世代が「第二次世界大戦」を知っています。

なので私はニュースで知る範囲の事しか知りません。

しかし、考えたらアメリカ 『本土』 は 9月になると話題になる 「テロ」 しか
自国での被害体験を知りません。

長崎の原爆と広島の原爆は、タイプが違うのだそうです。
長崎の原爆は、今でも進化し続け、被害を受け続けるのだそうです。

つい最近、ビキニ諸島が、世界遺産に認定されたニュースを聞きました。
そう、かつてアメリカが原爆実験を行った場所です。 その影響が
珊瑚に現れていて、教訓の意味を含め 世界遺産に認定されたそうです。

私はどうしても 「世界平和」 などと大それたテーマを
提示する気も、勇気も、甲斐性も、持てません。
「祈り」などという高尚な手段も持ち合わせていません。

ある意味、それが悩みでもあります。
でも、自分に うそ はつけません。

なので、せめて、もしも…せめて・・・
私の歌を聴いて 心癒されたり勇気が沸いてきたり、
元気が出たりして貰えたら良いな・・・そういう事しか願えません。

しかし、起きてしまった 原爆や、もっと遡れば 第二次世界大戦、
もっと言えば当時の 大日本帝国の思い上がった絶対君主政策?…
(当時の流れ・動きからしたら、致し方ない当然の流れだったであろうと思いますが)
を、戻って意見出来るワケもありません。


否が応でも、長崎原爆一色の今日の報道を改めて目の当たりにして、
人間の長い歴史(紀元前の人間も素晴らしい発明をしていますので)の中で
今の時代に、かつ、自分に出来る事をするしか、生きる意味は無い・・・

つくづく、そう思うわされる一日でした。

そういう私は、長崎も広島も、訪れた事はありません。

昨今は、国内よりも海外の方が 格安 で旅行が出来ます。
時代の流れとはいえ、何でもかんでも 「お金持ちが得」 という公式は
いかがなモノか・・・と思わされます。

そして、もうすぐ、広島原爆の日 が訪れます。
そうすると、いつも私の記憶の中で 思い出す風景があります。

20歳代の時、オーストリアのザルツブルグのモーツアルテウム音楽大学の
国際アカデミーを受講しに行きました。

丁度、ザルツブルグ音楽祭の開催されている時期です。

広島原爆の日、呑気に日本人受講生同士で食堂で食事をしている外で
何やら騒がしいデモ行進が行われていました。

「何だろうね~・・・騒がしいね~・・さすがオーストリア人は主張が強い・・」
なんて思いで窓の外を見た私の目に、飛び込んできたもの。それは・・・

ザルツァハ川の両岸に掲げられた 「No More HIROSHIMA」の横断幕でした。

今でもその光景は忘れる事はありません。

その場にいた友人達と「あっ、そうか。今日は『広島原爆の日』だった!・・」

モーツアルト生誕の地で、意気揚々とレッスンを受けていた我々日本人は、
その デモ行進 と 横断幕 に衝撃を受けたことは言うまでもありません・・・

でも逆に言えば、No More GENBAKU は、
原爆 の被害にあった 我々日本人だけの 被害妄想的運動 では無く、
諸外国でも 真剣に訴えをしてくれる若者がいる現象なのだ、と
心強く思ったのも、正直 嬉しい気持ちでした。

あれから ○○年・・・
未だに 世界から 原爆は 無くなっていません。