加奈のdiary

ソプラノ歌手 根來加奈 の
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舞台裏話1

2006年07月23日 | music
今回の「夢遊病の娘」の舞台裏話、その1

今回の舞台装置は、簡素にシンプルなものでしたが、唯一のオブジェが「十字架」。 一幕一場と二幕二場、つまり最初の場面と最後の場面が同じ場面で、もともとの設定はスイスの山村の広場なんですけれど、そこで婚約式をしたり、最後は教会へ行こうと歌ったりするので、象徴として十字架が欲しかったのです。しかし、そんな簡単に十字架が手に入るわけもなく、どうしようかな~と思っていたら、「作ってあげましょうか?」と申し出てくださる人がおりました。

舞台はキャストだけでなく、舞台転換のための人員や当日トラブルがないように舞台監督、照明、字幕、実はキャスト以上にスタッフの人数が多く必要とされます。そんな中、本来は歌手としてトナカイの舞台に立っている人が裏方に入って手伝ってくださる事もあり、今回も舞台転換のお手伝い下さった人は本来歌手であり、かつあの十字架を手作りしてくださったのです!

で、そのネタをばらすと・・・台座は100円ショップのプランター、十字架は木材を切って作り、キリスト様は粘土で作って銀スプレーを吹きかけて十字架に取り付けて出来上がり・・だったそうです。何て素晴らしい!
立派な舞台美術として君臨いたしておりました。


ついでに「花」もお願いして作って頂きました。
・・・感謝!

拍手

2006年07月23日 | music
舞台に立っている我々の心境をちょっと書いてみようと思います。

今回のオペラの時でもそうですが、ソロでアリアを歌ったあとや重唱を歌ったあとに大きな拍手や「ブラボー」という声援を頂くと本当に嬉しいものです。たとえ自分としてはあまり出来が良くなかったとしても、拍手が大きかったり「ブラーヴァ」などと声がかかると、ガゼン元気が出て次にとても良い影響が出ます。
そのくらい、やはり演奏している者は、神経をたてているものなのです。

今回も予期せぬところで拍手が来ると「あの拍手は嬉しかったね~」などと言いながら歌っていました。
逆に、正直、ここで当然来るべき拍手が少ないとへこみます(笑)。

同じ演目をやっても、お客様の反応って全然違います。
それも本番の醍醐味のひとつです。
舞台の上に乗りながら、お客様の空気を感じながら歌うライヴ感は、心臓に良いのか悪いのか・・・。(笑)

人間が楽器の我々。精神状態も含めて生身の人間の芸術だよな~とつくづく思いました。

拍手、声援を下さった皆様、この場を借りてお礼申し上げます。感謝!