もし猫がしゃべったら？

ットショップの檻の中
もの心が付いた時からここが僕の家
眠る時は１匹づつ違うゲージに移されるんだけど　
昼間は仲間もいっぱい同じガラスケースの中に居るんで　
それなりに楽しいのかな～２本足の動物が見てるけどね

最近仲間に入ったメスのヒマラヤンは
僕のお気に入り　このまま一緒に居ると思ってた

時々仲間が１匹また１匹と居なくなると
また新しい仲間がやってくるんだ
でもヒマラヤンはいつも泣いてます

なぜ泣いてるの？
あなたは何も知らないの？
私たちあの２本足に連れて行かれるのよ
嫌じゃないの？
へ～そうなんだ　それでどうなるの？
それからは解らないけど　私は嫌！
じゃあここから出たらいいじゃん！
バカ！出れないからみんなここに居るんでしょ？
出してって２本足に言えば出してくれるよ
あなたは本当にバカ？
にゃ～にゃ～言っても何もしてくれないわよ
にゃ～にゃ～じゃなく　出してって言えばいいんだよ
え？え？え？　あなた２本足と話せるの？

ああ　お母さんが絶対に話しちゃダメって言ってたけど
たまに　ガラス越に小さな２本足とは話するよ
じゃあ　毎日閉店間際に来る小さな２本足に
ドアを開けてくれるように　言ってみるよ
それでいい？　お願い！

閉店時間が近づいた頃　頭にリボンをつけて小さな２本足が
黄色い鞄を斜めに掛けながら　店内に入ってきました
猫さんこんにちは　今日も元気だった？
ねえ！今日はちょっとお願いがあるんだけど良いかな？
うん！良いよ　お友達だもんね
あのね！いつもエサをくれる大きなお兄さんがレジに行った時
少しだけガラスケースのドア開けてくれない？
僕のお友達が外へ出たいんだって
え～私怒られるのは嫌だよ
ドアの留め具を外してくれたら　後でこっそりと
外へ出るから　君は直ぐに帰ったらわからないよ
わかった～じゃあ　外しておくけど　
外は車とか危ないから気を付けてね　じゃあバイバイ！

ねえ！何を言ってたの？どうなったの？
私達外へ出れるの？　大丈夫もう少ししたらゲージへ移されるから
その前に　出れるよ！でも私達？って　僕も出るの？　
当たり前でしょ？私だけ追い出すの？
いや～僕はここでも楽しいんだけどな～

それでどこへ行くか決まってるの？
そろそろ出れるよ
お母さんの所へ戻りたいの
兄弟もみんな２本足に　連れて行かれたのよ

な～んだ　だったらみんな幸せにしてるんじゃないの？
君って野良猫じゃないし綺麗なんだから
きっと優しい２本足と幸せになれるかもだよ
もし外に出て野良猫になんてなっちゃったら
エサも無いし死んじゃうよ

だってお母さんに逢いたいんだもの・・
な～んだ　オセンチなんだな～
だったらこのまま我慢しなよ　きっと大丈夫だよ
いいね！じゃあ僕はちょっと出てくる
どうして？あなたは関係ないでしょ？
いや～あの娘にお礼言いに行かなくっちゃ
直ぐに戻るからその間よろしく

え～っとあの娘の家ってあっちだったよな～
迷いながらお礼を言って戻ったら店のシャッターは閉まってた
え～僕が野良根のになっちゃうのかよ～
仕方ないな～それじゃ右か左どっちに行こうかな～？
その前にコンビニで遊んでる連中にお願いを・・
ねえねえ君たち　何か食べるものくれないかな～？

ぎゃ～　猫が喋った～！ドタバタ

待ち合わせのお客さん？

おばさんがご来店～
いらっしゃいませ～って言ったのに
店内に入って周りをキョロキョロ・・
時々来るおばさんなので
待ち合わせだろうとは思ったのですが
結局座らずに出て行きました

相手が居なかったから出て行ったんでしょうが
その間　一言もしゃべらず
黙って入って来て　黙って帰って行きました
普通だったら「ちょっと待ち合わせなんだけど」とか
「ごめんなさい」とか一言位　言いそうなのにな～

それからしばらくするともう一人
おばさんを連れて御来店です
するとそれからのおばさんは
まるでマシンガンのように　
しゃべる　しゃべる！
一度目のあの無口なおばさんとは
思えないよな～
流石女性はスイッチが入ると違うんだ～(~_~;)