「街路樹の下」
「うぐ!うげ!くそ~!」
あちこちから血をにじませながら1匹の猫が
歩きながら 街を通り過ぎようとしていました
この街の他の猫に負けて居る場所がなくなったのです
「また 負けたな~僕が勝てる相手なんているのかな~?」
「もう 何処にも居場所なんてないのかもしれないな~」
そんな事を考えながら車が走る広い道をながめていると
「大丈夫だよ がんばりなさいよ」
え?誰かいるのかな?振り返っても誰もいない
気のせいか~このまま道へ飛び出したらどうなるのかな~?
「バカな事考えないで がんばりなさいよ」
もう一度振り返ると
街路樹の下にかわいいメス猫が座っていました
「慰めてくれなくってもいいよ
どうせ僕は ちびで弱いんだから」
「がんばらないと 強く生きれないぞ」笑顔で言ったその言葉が
妙に説得力があって 色々話し込んでしまったのです
僕は「こつぶ」って言うんだけど君の名は?
私は 「ミドリ」って言うんだけど
「ねえ 泊まるところがないのなら あそこの赤い屋根の家に
行ってみたら 猫好きなおばあさんだから
エサを入れたお皿置いてると思うし段ボールもあるから
寝ることも出来るよ」
「ミドリはどこに住んでるの?」
「私は内緒だよ。 オス猫になんて怖くて教えられないでしょ。
じゃあ また明日ね」
確かに赤い屋根の家には 寝る場所もエサも置いてありました
ただ猫が住んでいるような気配はありませんでしたが
お腹もすいていたし 眠いしその夜は そこで休ませてもらいました
それからは毎日2匹で街路樹の下で仲良くしてると
通りすがりの猫が お前1匹で何してるんだい?
え?いつも2匹だよ 彼女見えないの?
ここって以前 赤い屋根の家の猫が車にひかれて死んだところだよ
気持ち悪いやつだな~
振り返ると舌をペロッと出して 「ごめんなさいね」
「私が見える相手に出会ったの初めてで
なかなか本当の事が言えなくってね」
「本当?じゃあミドリって死んだのにどうして ずっとここに居るの?」
「実は車にひかれた時 おばあさんに貰った 大切な首輪がどこかに
飛んで行ってしまって 悲しくって それを思うと
私天国にも行けないんだ 探してくれる?」
わかったと答えてそれからは2匹で会っては 首輪を
探す毎日でした
でも こつぶは今まで 情けない負け猫で生きて来たので
今がとっても幸せに感じていました
ある時草むらの側溝の中に その首輪を見付けました
うれしくって急いでミドリに見せに行きました
とっても喜んだミドリはありがとう! じゃあこの首輪を街のはずれの
海が見える崖の上から海へ投げてくれる?
それで私は天国に行ける気がするから お願い!
「うそ?天国に行ってしまうの? もう会えなくなるの?」
「もともと死んでるんだから会えなくってもいいでしょ?」
こつぶは崖の上で考えました もう会えなくなってもいいのか?
でも投げないといつまでも街路樹の下から
ミドリが解放されないのも可哀そうだし・・
悩んで悩んで でも楽しかった毎日を捨てることも出来ない!
こつぶはとうとう 首輪を咥えたまま ミドリの首輪と一緒になら
天国へ行けるかもしれないと
崖から飛び降りてしまいました
2匹が一緒に天国へ 行けたかどうかは
誰にもわかりませんでしたが
街路樹の下のミドリもこつぶも それ以後
誰にも見られることはありませんでした
めでたし めでたし
「うぐ!うげ!くそ~!」
あちこちから血をにじませながら1匹の猫が
歩きながら 街を通り過ぎようとしていました
この街の他の猫に負けて居る場所がなくなったのです
「また 負けたな~僕が勝てる相手なんているのかな~?」
「もう 何処にも居場所なんてないのかもしれないな~」
そんな事を考えながら車が走る広い道をながめていると
「大丈夫だよ がんばりなさいよ」
え?誰かいるのかな?振り返っても誰もいない
気のせいか~このまま道へ飛び出したらどうなるのかな~?
「バカな事考えないで がんばりなさいよ」
もう一度振り返ると
街路樹の下にかわいいメス猫が座っていました
「慰めてくれなくってもいいよ
どうせ僕は ちびで弱いんだから」
「がんばらないと 強く生きれないぞ」笑顔で言ったその言葉が
妙に説得力があって 色々話し込んでしまったのです
僕は「こつぶ」って言うんだけど君の名は?
私は 「ミドリ」って言うんだけど
「ねえ 泊まるところがないのなら あそこの赤い屋根の家に
行ってみたら 猫好きなおばあさんだから
エサを入れたお皿置いてると思うし段ボールもあるから
寝ることも出来るよ」
「ミドリはどこに住んでるの?」
「私は内緒だよ。 オス猫になんて怖くて教えられないでしょ。
じゃあ また明日ね」
確かに赤い屋根の家には 寝る場所もエサも置いてありました
ただ猫が住んでいるような気配はありませんでしたが
お腹もすいていたし 眠いしその夜は そこで休ませてもらいました
それからは毎日2匹で街路樹の下で仲良くしてると
通りすがりの猫が お前1匹で何してるんだい?
え?いつも2匹だよ 彼女見えないの?
ここって以前 赤い屋根の家の猫が車にひかれて死んだところだよ
気持ち悪いやつだな~
振り返ると舌をペロッと出して 「ごめんなさいね」
「私が見える相手に出会ったの初めてで
なかなか本当の事が言えなくってね」
「本当?じゃあミドリって死んだのにどうして ずっとここに居るの?」
「実は車にひかれた時 おばあさんに貰った 大切な首輪がどこかに
飛んで行ってしまって 悲しくって それを思うと
私天国にも行けないんだ 探してくれる?」
わかったと答えてそれからは2匹で会っては 首輪を
探す毎日でした
でも こつぶは今まで 情けない負け猫で生きて来たので
今がとっても幸せに感じていました
ある時草むらの側溝の中に その首輪を見付けました
うれしくって急いでミドリに見せに行きました
とっても喜んだミドリはありがとう! じゃあこの首輪を街のはずれの
海が見える崖の上から海へ投げてくれる?
それで私は天国に行ける気がするから お願い!
「うそ?天国に行ってしまうの? もう会えなくなるの?」
「もともと死んでるんだから会えなくってもいいでしょ?」
こつぶは崖の上で考えました もう会えなくなってもいいのか?
でも投げないといつまでも街路樹の下から
ミドリが解放されないのも可哀そうだし・・
悩んで悩んで でも楽しかった毎日を捨てることも出来ない!
こつぶはとうとう 首輪を咥えたまま ミドリの首輪と一緒になら
天国へ行けるかもしれないと
崖から飛び降りてしまいました
2匹が一緒に天国へ 行けたかどうかは
誰にもわかりませんでしたが
街路樹の下のミドリもこつぶも それ以後
誰にも見られることはありませんでした
めでたし めでたし