「残された渡り鳥」
渡り鳥のジョーは生まれた北の国へ
初めて渡って来ました
去年 卵からかえって寒くなる前に本当の
自分たちの住む 南の国へ戻って行ったのです
今年も大勢の仲間と暑くなる南の国から産卵する北の国へ
戻って来たのです
ジョーにとっては初めての
一緒に卵を産んでもらって子供を育てる相手探しの旅でもあります
気の弱いジョーは求愛のダンスも大きな鳴き声も
苦手なので ちょっと不安でした
同い年の仲間たちはどんどんカップルが出来ていく中
やはりジョーには誰も見つかりません
見つからなければこのまま南の国へ戻るだけの事です
ジョーがエサを見つけて食べている時でも
周りにはいつも誰もいませんでしたが
「少しエサをわけてもらえませんか?」と声を掛ける鳥が
振り返るとそこには見た事の無いきれいな羽の鳥の彼女が
弱弱しくたたずんでいました
「どうしたんですか?エサならどうぞ!」と進めると
近寄りかけて彼女はふらっと倒れてしまいました
ジョーはクチバシからクチバシへ直接エサを
食べさせながら様子を見守っていました
少しづつ元気を取り戻した美しい羽の彼女の言う事には
ジョー達 強い渡り鳥が来ると 地元の鳥たちはエサが取れず
生きて行けずに数が減っていくそうです
ジョーは彼女の面倒を見ているうちに その優しさと美しさに
どんどんひかれて行き いつしか自分のパートナーを
探すことも忘れて地元の彼女と楽しく過ごしておりました
楽しい時間はあっという間に季節を移して
寒い季節がやってきました
ジョーの仲間たちは生まれた子供を連れ家族で
どんどん南の国へ帰っていきます
ジョーもそろそろ帰らないと北の国の寒さの中では生きて行けません
彼女は「早く戻らないとみんな行ってしまいましたよ」
「また来年生きていれば会えるかもしれません お元気で」
そう言われて ジョーは迷っていました
戻ればもう会えない事は解っています
あの気の弱いおとなしかったジョーは 決断したのです
このまま残ろうと たとえ短い時間でも彼女のそばから
離れないとそれで一生が終わっても悔いはないと!
「私の為に死ぬかもしれないなんて ゆるせません」
「私が必要なら 私も南の国へ連れて行ってください」
しかし・・・
寒さの中でジョーの意識は消えそうになっていました
その横に寄り添うようにジョーの体を温める彼女の姿
北の国で1番寒い日の朝 ジョーは苦しむこともなく
冷たくなっていました
幸せな一生はどれだけ長く生きたかではなく
どれだけ深く生きたかで決まるものじゃないのかな?
PS
ジョーが天国へ旅立つと 横にいた美しい羽の彼女も
飛び立っていきました
また渡り鳥が来てエサが少なくなる季節に
ジョーの様な渡り鳥を探すために・・・
渡り鳥のジョーは生まれた北の国へ
初めて渡って来ました
去年 卵からかえって寒くなる前に本当の
自分たちの住む 南の国へ戻って行ったのです
今年も大勢の仲間と暑くなる南の国から産卵する北の国へ
戻って来たのです
ジョーにとっては初めての
一緒に卵を産んでもらって子供を育てる相手探しの旅でもあります
気の弱いジョーは求愛のダンスも大きな鳴き声も
苦手なので ちょっと不安でした
同い年の仲間たちはどんどんカップルが出来ていく中
やはりジョーには誰も見つかりません
見つからなければこのまま南の国へ戻るだけの事です
ジョーがエサを見つけて食べている時でも
周りにはいつも誰もいませんでしたが
「少しエサをわけてもらえませんか?」と声を掛ける鳥が
振り返るとそこには見た事の無いきれいな羽の鳥の彼女が
弱弱しくたたずんでいました
「どうしたんですか?エサならどうぞ!」と進めると
近寄りかけて彼女はふらっと倒れてしまいました
ジョーはクチバシからクチバシへ直接エサを
食べさせながら様子を見守っていました
少しづつ元気を取り戻した美しい羽の彼女の言う事には
ジョー達 強い渡り鳥が来ると 地元の鳥たちはエサが取れず
生きて行けずに数が減っていくそうです
ジョーは彼女の面倒を見ているうちに その優しさと美しさに
どんどんひかれて行き いつしか自分のパートナーを
探すことも忘れて地元の彼女と楽しく過ごしておりました
楽しい時間はあっという間に季節を移して
寒い季節がやってきました
ジョーの仲間たちは生まれた子供を連れ家族で
どんどん南の国へ帰っていきます
ジョーもそろそろ帰らないと北の国の寒さの中では生きて行けません
彼女は「早く戻らないとみんな行ってしまいましたよ」
「また来年生きていれば会えるかもしれません お元気で」
そう言われて ジョーは迷っていました
戻ればもう会えない事は解っています
あの気の弱いおとなしかったジョーは 決断したのです
このまま残ろうと たとえ短い時間でも彼女のそばから
離れないとそれで一生が終わっても悔いはないと!
「私の為に死ぬかもしれないなんて ゆるせません」
「私が必要なら 私も南の国へ連れて行ってください」
しかし・・・
寒さの中でジョーの意識は消えそうになっていました
その横に寄り添うようにジョーの体を温める彼女の姿
北の国で1番寒い日の朝 ジョーは苦しむこともなく
冷たくなっていました
幸せな一生はどれだけ長く生きたかではなく
どれだけ深く生きたかで決まるものじゃないのかな?
PS
ジョーが天国へ旅立つと 横にいた美しい羽の彼女も
飛び立っていきました
また渡り鳥が来てエサが少なくなる季節に
ジョーの様な渡り鳥を探すために・・・