†JASON BOURNE†

2016年10月25日 | ■MOVIE

JASON・BOURNE

※完全ネタバレ※



数ある映画の中でも特別好きなのがボーン。
このジェイソン・ボーンのキャラクターがなんとも好きで
新作公開中を思い出したその足で映画館へ。
こういうことだけに行動力見せる。

ボーンはアイデンティティ、スプレマシー、アルティメイタムの三部と
サブストーリーのレガシーの四本が出ており
どれか一つだけ見ても十分面白いし他のも見たくなるようにできている。
アクションとボーンの仕事っぷりが洗練されていて
基本的に内容のほとんどをそれが占めている。
そして最大の謎、ボーンの失われた記憶をおっていく。

あたしはジェームス・ボンドも好きだが、ボンドは完全なファンタジーだ。
まるでギリシャ神話みたいに。
ボーンは、あたしたちと同じ現実の世界を生きており、
自分とはなんなのか、どう生きるかを模索し続けている点で
生々しさと、誰しもがボーンの一部を自分に感じられる。

もう新作は出ないと思っていたあたしにとって続編はかなりハッピー。
今回の新章でも、これまでのボーンのテンポを貫いていて
見ている方はすぐにボーンの世界へと帰られる。

これまでの記憶を思い出したボーンは、日の当たらぬ世界で
拳闘試合などしながら稼ぎを得て暮らしているようで
そこへニッキーという女性がコンタクトをとってくる。
ニッキーは前作にも出てくる元CIAで、ボーンと共に
CIAから狙われる身となって逃げた。
現在ディソルトというハッカーと協力しており、
新たな情報を得たのでボーンにそれを伝えたかった。
(このディソルトが結構いいキャラクターだ)
というわけでアテネの大規模な市民のデモに入り込んで
ニッキーと待ち合わせるのだが、すでにCIAから見張られていて
ボーンを狙う暗殺者もやってくる事態。

このアテネのデモの臨場感が本当にすごい。
デモの中に入り込んでしまって、おろおろするような気持ちに
させるほどだ。ニュースなどでは見られない、デモの迫力や
中の無法ぶりというかはもう、最高の映像だった。
リアルな感じのするこの映像が作り物というのが改めてすごい。
ニッキーと会うものっけから、このすさまじいデモの中で
追跡を交わしながら短くやりとりするボーン。
かなりの混乱の中を脱出しようとするも結局ニッキーは殺されてしまう。
このときニッキーはボーンの運転する単車の後ろに乗ってて撃たれたのだが
撃たれた衝撃でのけぞってか、その瞬間そこにある壁に思い切りぶち当たって
ものすごい音を立てる。
目も当てられないほど無残な一撃に襲われ、普通なら即死だろうに
ストーリーの展開上のため、まだ生きていて、それが本当に苦しそうに
息してて、見てるこっちは動悸がする。
ニッキーの最後は本当にかわいそうだった。

ボーンはニッキーの情報を追っていく。今回は父の死が関係しているようだ。
父は過去にベイルート(レバノン)でテロにあって死んでいる。
その時のボーンの回想に出てくるレバノンの風景は、よく雰囲気を
伝えている。

今回うれしかったのがIT企業の男アーロン・カルーア役で
リズ・アーメッドが出てくることだ。
この役者はミッシングポイントでとても素敵な演技をしていて
品があっていいと思っていた。
今回はいかにもちょっと自己中で腰抜けなところをもってそうな
ITの男を演じているのだが、やっぱり素敵な役者だわ!

トミー・リー・ジョーンズがCIAでボーンの敵となる男を演じている。
まぁこの悪そうなことといったら。それにその部下で、野心家な
ヘザーという女性もボーンに協力するが、信用できない。

映画は最初から最後までずっと緊張の連続が続く。
ボーンは父親がなぜ死んだのかなどを知り
最終トミー・リー・ジョーンズ演じるデューイ長官のもとへむかう。
長官に殺されそうになるも、ヘザーが長官を殺して間一髪。
命を助けられるボーン。
この時、デューイの命令でヘザーとカルーアを殺しにやってきた暗殺者は
ボーンに仕事を邪魔された挙句警察に追われる羽目になる。
ボーンにしてはこれまでと違った展開で、彼が逃げる暗殺者を追い、
その後ろを警察が追ってくる。
これまた激しいカーチェイスが繰り広げられるのだが、
暗殺者はスワットの装甲車で邪魔な車を何台もぶっ飛ばしながら走っていく。
このわやくちゃな運転見ていて大笑いしてしまった。
最終的には二人で死闘を繰り広げることになる。
ボーンは毎回そこにあるものを武器にする天才だ。
今回は拾った鍋みたいなもので相手のナイフに応戦していた。
暗殺者は手強かったしピンチもあったけど、これまでのボーンより
やっぱり格段に強くなっている気もした。

彼はデューイと面と向かったときに、CIAに戻ってくるように
いわれて、別の生き方を探すと答えていた。
デューイを殺したヘザーは自分がのし上がるために今度は
ボーンを利用しようとするけど、結果、ボーンには筒抜けだったため
彼女の野心は失敗する。
前に出てきたパメラのような正義感からボーンに協力する
タイプとは違い、なかなか手強い野心家の女性みたい。

ボーンらしさを全く失うことなく、見ごたえある2時間は最高だった。
スクリーンでボーンがみられるというのもうれしすぎることだ。
本当に新章がきてうれしい。

今この現実にボーンがいたら、と想像するというか、そういう
パラレルワールドに入り込んでいるような気持になる。

あたしたちはこの世界で自分が何者かを問い、
どう生きてようかと葛藤する。
それは幸せになりたいと望んでいるからだと思う。
幸せになるってどういうことなのかを問うていくと
生きるとはどういうことなのかを探るのと直結していく。

ボーンが悩むように、あたしたちも迷いながら
しかし彼が別の生き方を探すと決めたように
その覚悟が次への道を開くのかもしれない。

いろんなことを、ボーンは教えてくれていると思う。
映画が面白い以上のいろんなことを。

世界の様々な現象実際のできごとなどが現れるボーンの世界は
あたしたちの世界でもある。

本当に面白かった。やっぱりボーンは最高だ。


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