†オール・ザ・キングスメン(2006)†

2011年08月31日 | ■MOVIE

All The King's Men  ※ネタバレ

どうやら実際にいた政治家をモデルにした本の
映画化らしい。でもまあ 居ておかしくない。

始めは、政治のスキャンダルや汚職について徹底して追求し
断固そのようなものは許さないと、正義感に
燃えた立派な人、役人のウィリー。

ある時、あてうまに利用されて知事選に踊り出る。
自分があてうまと知り、おだてられて調子に乗った事を痛感。
新聞記者のジャックは、その事を口走ってしまった本人だが
選挙の演説で、自分たちに話すようにやってみたら、と
ウィリーにアドバイスする。
ウィリーは、ある演説で、自分の原稿を放り出し、自分の言葉で
民衆へ語りかける。すると、次々と人が集まってきて
彼の演説が民衆の心を打つと言う結果に。
ジャックがウィリーの記事を書いたりして、一気に人気を得たウィリーは
遂に知事に。また、ジャックはウィリーの記事ばかり書いてた件で
上司と意見が合わずに退社する。その彼を、ウィリーが拾い、参謀に置く。

知事になってからのウィリーは、権力を得た結果、それなりに橋を建てたり
学校を建てたりと民衆に対して演説した事を実行はしているが、
常に女遊びをしたり、酒を飲んだり、自分の弊害になる者を脅したり、
何とか知事としての権力を手中にしておきたくて、まるで別人の様に。
敵に回すと怖そうな人みたいになっていく。とは言ったって、それくらいの
一面を持っていないと生き残れそうも無い気もするが、ウィリーの場合
汚職やスキャンダルに対して、許せない、そんな政府を倒してしまおう
と訴えてきただけに、本人がスキャンダラスになってしまって
最早がっかりとしか言えない。

で、落ちぶれた権力者の下で働き尽くめのジャックは、
ウィリーの敵となっている厄介な人物、アーウィン判事を強請れる
ネタを探せと、ジャックに指示。一度、ジャックと共にウィリーは
アーウィンを尋ねて脅しをやるも、何の効果も無く仕方なく帰っている。

このアーウィン判事と言う人物は、ジャックを幼い頃から
父親の様に育ててくれた人で、彼がジャックに、紳士としての振舞い方や
・・・ジャックは上流階級の出身・・・様々な事を教えてくれた。
この、アーウィン判事に限って、そんなものは無いと思いたいジャック。

でも、このジャック、ウィリーが好きなのかは知らないが、
父親のような人物を敵に回すと言う展開は…どうなのだろう。

アーウィンの事を調べるうちに、遂にアーウィンの隠された過去を
発見するジャック。その事をアーウィンに伝え、まだウィリーの仲間に
なるには遅くない等と言い、明日また来ますと言って出て行く。
彼に過去を知られたアーウィン判事はその直後、既に決意を固めていたようで
自殺。

その時初めて、母親に、アーウィン判事こそがジャックの実の父親だった
と告げられる。ジャックは父の死に呆然とするしかない。

さて、ウィリーが次に指示するのは、友達のアダムを説得して
新しく建てる病院の院長になるようにしろとの事。
ジャックとアダムは親友として付き合っていて、アダムには妹の
アンがいる。この、アンとジャックは良い感じになりそうになって
結局そうはならずに終ってしまう。若い頃、この三人は楽しい時間を過ごし
その思い出を美化して、ずっと大切にしていたかったジャック。
またこの三人の関係に戻りたいとも、願っている部分も。

アダムを説得し、何とか病院の院長になってもらう事に。
アンは密かにウィリーと関係を持っていて、ジャックはその事実に
強い衝撃を受ける。
ある日、アンが慌ててやって来て、ジャックに、アダムがいないと騒ぐ。
兄は、院長になった病院は、ウィリーが不正に金を隠すために
建てられたもので、その事実が明るみになったら、全て院長のせいに
つまり自分のせいにされてしまうと嘆いていたと言う。
アンとジャックは、急いでアダムを探しに行くものの、彼は姿を消していた。

ウィリーは敵を多く作っており、弾劾され、対決にのぞむが
開かれた弾劾委員会で、彼は勝利を得た。
やったねと、自分の敵側の人間を面白おかしく詰って
嬉しそうに議事堂の一階へ姿を現すウィリー。
ジャックが来ているのを見て、ウィリーは、勝ったと彼に伝える。
マスコミが多く彼を囲んでいた。
ふとジャックが見ると、そこには姿を消していたアダムが。
アダムを見つけたウィリーが、おお~ってなノリでご機嫌に
アダムに声をかけると・・・。
突然の銃声が響き、ウィリーはアダムに撃たれて倒れる。
ウィリーの護衛のヒットマンのような男が、アダムを撃ち、
アダムもまた倒れる。二人は隣り合って倒れ、その血はつたい、
床の模様の溝に沿って流れ、やがて二人の血が途中で出会い混じる。

と言うようなお話。

ウィリー・スタークのモデルとなっているのはヒューイ・ロング
と言う1928年からルイジアナ州知事として活動した政治家らしい。

作品は、冒頭から、ギャング物のような雰囲気で、
ショーン・ペン演じるウィリーも政治家でなく、ギャングの大物っぽい空気。
これはかなり好き。

ストーリーでは、ジャックを演じるジュード・ロウが語り手となって
彼から見た、ウィリーと言う政治家の男の人生が展開。
何だか冷静すぎて居て不気味な程なジャックは、淡々と、
ウィリーのために働き、自分は酒に溺れていつの間にか
落ちぶれているみたいな事を嘆いていたりする。
あたしから見て、この話の中で一番謎な男だ。

ウィリーは熱心に政治の汚職を訴え、始めは真面目な役人だったが
とりあえず権力を手に入れたので汚職にまみれて落ちぶれ
その上暗殺されると言うオチで大変分かりやすい人物だ。
その、暗殺したアダムと言う奴も、まあ追い詰められやすい性格なのか
とにかく ウィリーの行動に許せず暗殺してしまう所まで行くような
深く考えずとも、そう言う人なんだろうと言う感じ。
その妹のアンも、ウィリーと関係を持ったりして、とりあえず自分の
勝手に生きてる感じがする。

ジャックが謎なのは、自分の父と後から知ったとしても
父の様に育ててくれた人を破滅させて、なお、ウィリーのもとで仕事をし
それも冷静に、更に、ウィリーのところで友達に働いてもらおうと説得。
結局、アダムを巻き込んだのはジャックだし、アーウィンを追い込んだのも
ジャック。それなのに、こいつの冷静さと言うか、淡々とした感じは
一体なんなんだか。

ウィリーは死んだけど、別に死んでもまぁ仕方ないかと想った。
過激な演説するし、殺そうと思う奴は他にもいたかもしれないし
はっきり言って、ウィリーが知事として何がしたいのか、さっぱり
分からないから。この先どうしたいのかも、未来がまるで見えない。
ただ、知事として権力を握っていたくて自分の地位を守りたいために
色々な事をしているだけと言う感じしかしない。

彼が、知事になる前に、演説で人々を惹き付けていくシーンは
最高に良かった。民衆の立場になれんけど(何せその当時の
その国の人達の事情に明るくないし)、何か彼に強く惹かれる
魅力的なカリスマがある。この時点で見ると素敵過ぎのウィリー。
勿論それはあたし視点w しかし、同じような演説を、知事になった
後でもやっているが、怖いだけだw
結局ウィリーの手も汚れてしまったのに、その熱弁は一体何だろうか。
だが、彼の演説は無意味に魅力的で、それもまぁ、民衆から見て
金持ちの奴らを叩いたり、それも名前を出して激しく抗議するもんだしで
そうもなるかもしれないけど。だがこのウィリーは実は裏ではと言う感じが
本当なんとも。  

アンソニー・ホプキンス素敵だわ。彼の質感が良い。
おまけにショーン・ペンだし、どっちも好きだから、と言う理由で見た。

悪い話と言うわけじゃないし、まるでギャングwなショーン・ペンや
彼の演説シーンも凄く好きなのだけど、残念な事に、ジュード・ロウに
起きる悲劇があまりにブラック。親友も父親も失ってしまうのだから。
おまけに自分が一生懸命ついてきたボス・ウィリーも。
なのに、ちっとも彼が可哀想では無い。悲劇と感じさせない。
いや、ある意味、本人が全然悲しんでいない感じがして
こっちの方がショックを受けてしまう感じ。呆然としているが・・・
何だか、凄く冷たい人にしか見えなくて、感情あるんだろうか?とか
想ってしまう。かなりウィリーに関わってるが、彼に何が起きたかなんか 
もう、どうでもよかった気がする。個人的に言うと。
ショーン・ペンが主役でも良かったかも。


†クライム&ダイヤモンド†

2011年08月31日 | ■MOVIE

CRIME & DIAMOND/WHO IS CLETIS TOUT? ※ネタバレ

クリスチャン・スレーターと、リチャード・ドレイファスが
出てくるしな、と言う、いつも通りの安易な選び方で観た。

スレーターは、フィンチと言う詐欺師の役で、
ドレイファスはマイコーと言う、マジシャンでありながら
その腕を持って銀行からダイヤを盗んでくるような男。
自分のマジシャンとしてのショーを披露し、途中VTRに切り替え
そこにいるように見せかけて、銀行へ向かい、すんなりと
ダイヤを奪うとまた観客の前に戻っていると言うwww
凄すぎるだろう、こいつww

で、彼ら二人は刑務所にいて、刑務所からの脱獄をはかる。
計画は成功し、脱出した先で、何とか過去に縁のあった
男から別人に成りすませる様に手配してもらい、運転免許証等を作成。
マイコーは隠れ家で、娘との再会を果す。
フィンチは、とりあえず、自分のなりますましたタイトと言う人間の
パスポートを手に入れるため、本人の家に向かう。
タイトは死んでいる人間なので、安心してなりすませるというわけ。
ところが、タイトを狙っているマフィア達がおり、彼がまだ生きていたと
勘違い。フィンチをタイトだと思い込み殺そうと追ってくる。
タイトはフォトジャーナリストで、危険な映像が映ったビデオを所持しており、
それをネタに脅そうとして失敗して殺されたのだ。
まさか、そんな奴になりすましてしまったとは知らないので、フィンチは
何か分からぬ者に襲われまくり、結果的に、マイコーは巻き添えをくらって
亡くなってしまう。マイコーは、過去に盗んだダイヤを娘と共にある場所に
埋めていた。ダイヤと共に大事な写真を、娘は埋めていて、フィンチは
彼女とダイヤを掘り返しに行こうと説得する。
フィンチと彼女は喧々諤々で、ちっとも上手くいかない関係で
ダイヤを探しに行く途中でも、電車内では離れた席にかけ、話さない。
ところが、ダイヤを埋めた場所が、現在は刑務所の敷地内になってしまって
いた。

この様な展開を、本編の最初から、いきなりタイトと勘違いされ銃を向けられ
拘束されたフィンチの口から、彼を捕まえた毒舌ジムに語られていく。
毒舌ジムは、かなりの映画フリークで、ひたすら有名な映画の台詞を
言いまくり、タイトではなかったフィンチの話にのめり込みながら
映画らしくなってきた!等と言って続きを話させていく。

また 冒頭でも、マフィアの一人が、仲間に映画の話をしてきかせている。
毒舌ジムは、嬉しそうに映画館で映画を観ているし、映画好き視点で
観たら面白いのかも。

刑務所にあるダイヤを手に入れるべくフィンチは、タイトになりきって
警察へ出向き、自分を保護するようにと話を持っていく。
彼は刑務所に無事にはいる事が出来、そこで早速、ガーデニングの
許可をもらい、マイコーの形見である伝書鳩の持ち込みを許してもらい
ダイヤを埋めた場所を掘り出す。
タイトの行動は、警察も不信がっており、彼をちゃんと調べ始める事に。
無事ダイヤを発見し、それを伝書鳩を使って、娘のテスに送り届けた
フィンチ。だがどうやって今度は刑務所から出られるか。

そんな時、刑事の方から、お前は脱獄犯で詐欺師のフィンチだなと。
バレたら仕方無い。だがピンチである。しかしフィンチは、流石詐欺師で
今度は、ビデオテープを持ち出し取引する。テープに映ってる映像を確かめれば
警察が追ってる例のマフィアは逮捕が出来る。しかし、自分がタイトでないと
そのテープも偽物と言われてしまうだろうと説得。頼むから見逃してくれと
フィンチ。刑事さん、フィンチを見逃してくれる展開へ。

そこから逃げ切ったはずのフィンチは、刑務所で面会に来ていたテスが
今日、遠くへ出発すると言う事を聞いていた。向かいたいが、
最初に戻って、毒舌ジムに銃を突き付けられてしまう。
この毒舌ジムのいるところへ、殺し屋の二人がタイトを消しにやって来るも、
ジムが片付ける。でもって、ジム、フィンチから宝石を頂き、彼を逃してやる。
ジムはテンション上がってて、さあ早く行けってなノリで、フィンチがくれた
ダイヤも、彼に分けてやって、「豪邸を建てろ」なんて言う。
フィンチは無事に、テスと出会える。
と言うハッピーな展開で終わり。

オープニングシーンがとっても可愛い。アニメチックで。
スレーターが好きだし ドレイファスが好きだから そこも良い良い。
でもストーリー的にはそこまでと言う感じだった。
フィンチが詐欺師として なかなか職人な感じがするし
もっともっと詐欺師としての彼の活躍が観たかったかもw


†ヒストリー・オブ・バイオレンス†

2011年08月31日 | ■MOVIE

A History of Violence ※ネタバレ

ヴィゴ・モーテンセンだからと言う理由で鑑賞。
彼は主役のトム・ストールを演じている。

ストーリーはと言うと。
良い父親であるはずなトムには、ある隠された過去があった。
田舎に住む彼の店に、ふと現れた強盗二人をぶっ殺し、
一躍街のヒーローになる主人公トムだが、
それが秘密をあかしていくきっかけになってしまう。

妻は弁護士のエディ、息子ジャック、長女サラ、と共に
幸せな家族での生活を過ごしているトム。
どうでも良いけど エディとトムが寝るシーンは
いやに生々しい感じが。それが作品と合っている気がする。

とりあえず、トムが倒す強盗二人は、序盤から現れて
小さな子供を殺したりするし、トムがやっつけてスカッともする。
彼が街のヒーローとなり、新聞に載ったりマスコミが
家に押しかけたりした事で、彼に会いに、男達が店へとやって来る。

その、男達のリーダー的存在がフォガティで、エド・ハリスが演じている
から、めちゃテンション上がる。
フォガティは、トムに対し、「ジョーイ」と呼び、ジョーイ・キューザックと言う
人物だと確信して、そのジョーイの過去の話などを持ち出したりし始める。
当然、トムは人違いと言い続け、フォガティらも その日は帰る。
しかし、ある日トムが店にいると、黒い高級車が店の前に一時停止して
それに気付いたトムが顔を上げると、車は家の方面へと向かって立ち去る。
慌てて走って家まで帰ってくるトム。実際に家に連中は来ていなかったが
フォガティらの存在が、精神的にトムを追いこんでいる。
まして家族を危険にさらされたくはない。

街の警官が調べたところ、奴らはマフィアで、
そんな大物に狙われるトムに対し警官自身腑に落ちない。

いよいよフォガティらは家まで押し掛けてきて、トムを連れて行こうとする。
この時息子を人質にとられていたので、息子を無事に返してもらい
妻には家に戻り、娘といてくれと言い、庭にはトムとフォガティとその部下
だけになる。

この、トムが天才的に強くてw銃を向けられて、大人しくしているのだが
連れ去ろうとした奴らを突然襲い、二人を銃で撃殺す。
まだ生き残っているフォガティを倒そうとして失敗し、今度は自分が
銃を向けられ、絶体絶命の展開へ。フォガティが最後に言いたい事は
なんてことを尋ねていると、突然彼の頭が吹き飛ぶ。
何かと想ったら、息子が銃で、後ろからずどん。
息子は父の命を救った、と言うわけで、フォガティらは消えたのだが。

この時撃たれていたトムは病院へ。そこへ妻のエディがやって来て
自分は、窓からトムがジョーイになるのを観たと言う。
つまり、急に天才的に強い腕前を発揮したトムの空気や表情は
まるで別人であり、自分の知っている旦那とは違うと言う事だ。
ジョーイは兄がマフィアの大物で、ジョーイ自身過去に天才的な
殺し屋だったらしく、過去を清算したくて
現在、素性を隠して、生活しており、実はそれこそがトムであった。

事実を告白された妻は、夫への怒りや不信感にまみれ
事情を知った息子も、父親が誰か分からないと言う疑心に反抗的になり、
一気に幸せな
家庭は、一家崩壊の危機へ。

その中、兄からの電話を受けたトムは意を決して兄に会いに
フィラデルフィアへ向かう。
この兄は、とりあえずトムを温かく出迎えて部屋へ招き、
そこで、ジョーイが過去にやった色々なツケは自分が払ってきたし
ジョーイがいることで、周りから信頼を得られずにいて、
最早ジョーイの存在は自分にとって大変厄介なので
消えてもらいたいとの意思を告げる。
兄貴に消えろと言われたトムは、背後から襲ってきた兄の部下を
またしても天才的なw強さで倒し、その場を立ち去った様に見せかける。
追っていく兄や部下。部下を倒し、ジョーイは兄を撃ち殺す。

ようやくジョーイの災難が消えた、と言うわけで、彼は再び
自宅へと戻ってくる。家族は大変に暗い様子で食事中の中、
帰って来たジョーイに、家族は無言で彼を受け入れる。


と言うような感じ。決して明るい話では無い。
この、ジョーイ、トムとして生活する彼の中にもかいま覗くシーンもあるし
息子がいじめっ子達を殴り倒した時に、息子へ暴力はいけないと
怒ってきかせるシーンでも、息子へではなく、自分自身の葛藤みたいに
見えて、自分に怒ってるみたいに見える。
確かにトムは普通の人そのものって感じで父親をやってきたが
ジョーイになってる時は凄まじいほどの空気や強さを持っていて
ある意味頼もしすぎる。おかげで家族は守られるし、フォガティらも
息子を人質にとったとは言え、酷い怪我を負わせる様な事はしてないし
とりあえず無事な事は無事。問題は、父の過去は人殺しだった
・・・それも有名な、みたいな。募る不信感や、それでも、警官の前では
夫を守ろうとする妻の行動。こんな事は、どうやって家族として
乗り越えて行けるかも分からない展開だ。この先、父がまた
ジョーイのような暴力に目覚めて突然何を仕出かすか分からないかも。
それに一度崩れた信頼関係と言うのは、相当な時間をもってしても
修復出来るかは分からないし。問題は山積みだが、とりあえず
ラストで再び家族が父を受け入れようとする無言の姿は、良かったと思う。

あたし的には、ストーリーより、ヴィゴとエド・ハリスなので
見て良かったなと言う感じ。


†ザ・ライト~エクソシストの真実~†

2011年08月31日 | ■MOVIE

The Rite ※ネタバレ

拘って、出演者の名前のTを「†」で現したりする
オープニングの質感とか好きw

で、エクソシストの真実と言うわけで、
エクソシストになっていく、一人の青年の話だった。

今回の悪魔も、本当に子供っぽく、ちょっと間抜けでしたw

主人公のマイケルは、自分の信仰心に疑いを持っており
神学生となるものの、やはりこの道に生きていくのは辞めようと
考えていた。司祭になる事を辞退すると言う考えをメールするも
恩師から、考え直すよう、途中それは脅しか?wみたいな
説得を受け、エクソシストの講座を受ける事になる。
講座の時も、さすが信仰心に疑いを持つだけに、とりあえず
科学的に解決出来るのではと、色々な意見を述べたりする。
そんな講座で、アンジェリーナと言うジャーナリストと出会う。
自分の弟が、昔悪魔に憑かれたが、家族は精神病と信じて病院へ
入院させて死んでしまったと言う事をきっかけに、悪魔祓いや
エクソシストが何をしてるのかとか色々調べたい彼女。
マイケルが、講座で科学的に解明出来るような発言を
繰り返しているので、協力してくれそうだと想ったりする。


マイケルは、ようやく登場のアンソニー・ホプキンス演じる
ルーカス神父に会う事を勧められ、神父に会いにいく。
異端だが、かなりの実力者だと言うルーカス。
確かにマイケルが会いにいくと、その様は明らか。
そこではいきなり若い妊婦さんの、悪魔祓いが開始され
とりあえず参加するマイケルだが、ルーカスは儀式の最中で
携帯が鳴ったら、続きをやってろ的な発言をマイケルにし
自分は電話に対応したりする。結構何と言うか、アバウトな儀式だなぁ、
でも実力者だからそれくらいの余裕はいるのかな、と想ったりするww

迫力で怒鳴りながら、悪魔に名前を聞き出したり、
女性も、徐々に悪魔が顔を覗かせて、妙な事を口走り始めたりと言う展開。
でも、特に怖いわけではない。

全体的に、この映画は、あまりホラーと言う気がしない。

女性が悪魔ですよとアピールする姿を見ているのだけど、
主人公は、彼女には精神科の治療が必要だとかまだ考えている。
悪魔の仕業と思っていない。ルーカスは、この青年に、ドル札を
隠し持たせて、女性にあてさせたりするんだが、こういった事も
マイケルには信じ難いようで。

頑固なまでに 彼は、無神論者を貫いていくのだ。
結局、その女性は死んでしまうのだけど、その事で、ルーカスは
がっくりと落ち込み、その落ち込んだ隙を狙って今度は悪魔が
ルーカスにとり憑いてしまう。

凄いエクソシストであるルーカスに、悪魔が憑いたら
物凄い悪魔になってしまうのではとわくわくするし
その上、ルーカス自身も、今回の敵は強敵みたいな事を言うし
なおのこと どんな悪魔になってしまうんだろうかと期待する。

でも、最初に言ったように、悪魔は子供っぽ過ぎて、
ルーカスが凄いエクソシストとかは最早関係ない。
そう言うのを生かせないと言うのかな。

マイケルは突然父が他界したと言う連絡を受けるのだが、
たった今、電話で会話しており、信じられずに動揺する。
彼の周りでは徐々に不可思議な現象が・・・
それは悪魔の仕業と想わないので、
目の赤い馬とか、幻聴とか幻覚に悩まされていると信じている彼は
ジャーナリストのアンジェリーナに助けてくれと電話する。

マイケルは、それまでに、アンジェリーナには、
ルーカス神父の事を聴かれて一度突っ撥ねていた。
しかしエクソシストの儀式の事などを急に誰かに話したくなって、
彼女にぶちまけていた。

アンジェリーナも勇気あるジャーナリストで、とりあえず
マイケルと共に、以前、ルーカスと共に訪れた悪魔に憑かれた
少年の家へと向かい、彼の通訳をやる。
通訳と言うのは、そこはイタリア語で、マイケルはアメリカ人で
イタリア語話せないと言う展開だからww

ともかく、少年は前にも赤いロバの夢を見た等と言っていて
その時ルーカスに悪魔祓いしてもらったのだが、
彼はその時、何かを囁いており、それを目撃していたマイケルが
アンジェリーナに、通訳してもらい、何を言ってたのだと問う。
すると、マイケルの父が死ぬと予言していたと母から答えられ
衝撃を受けたマイケルは、アンジェリーナと、その子の家を後にし
ルーカス神父の家へ。ルーカスは悪魔に憑かれており、自分を
縛り監禁しろと言うので、急いで、彼を助けるために他の神父に
連絡をとろうとするも、相手がつかまらない。

ルーカスは悪魔に憑かれているし、もうこうなったら、自分が
悪魔を倒す以外に方法は無い。
マイケル、無神論者だけど、いざ、対決へ。

言ったように子供っぽい悪魔は、うぉーー悪魔すげぇーな
展開を見せず、ただ、ルーカスの身体が少しねじれたり
いきなり縛ってある紐を解き放ち、驚異的な力を見せたりするだけ。
で、ルーカスは、マイケルを疑う者と呼び、お前は悪魔を信じてないけど
これで分かっただろう、悪魔を信じろなんて風に、マイケルを追い詰める。
一緒にいる勇気あるアンジェリーナも、彼に子供を産ませてやろうかと
軽くセクハラを受けて殺されかけそうに。

この悪魔、別に悪魔じゃなくても、と言うような事をする。
例えば、アンジェリーナには弟の事件の事を責めてみたり
マイケルには、父の死のことなどを責めてみたり。
相手の心の弱い部分をしつこく突いてきて、確かに悪魔だから
何でも知っている?のかもしれないが、多少調べたら
心理戦を展開するあくどい犯人でも、まあやりそうな感じがする。

こちらは、悪魔にしかやりそうにない異常現象みたいなものを
期待していたので、そう言う物がほぼ無いから、普通に
アクションみたいな物を見ている感じに。

精神的に攻撃する点は正に魔と言う感じ。
心の弱さに負ける事が、人間を駄目にしてしまう、そう言う弱さを
分かりやすく絵に描くと悪魔が出来ました、みたいな印象。

悪魔を信じろと言われたので、最終的にピンチになってるマイケルは
分かった、お前を信じる、故に神も信じると言い放つ。
いや、当然そうなるだろう、なのに、悪魔はガーンな感じ。
悪魔、考えたら分かるはずやん、みたいな展開にちょっと可笑しい。
で、マイケル、信じました、勝ちました。

ルーカス元に戻ったし、アンジェリーナとマイケルは爽やかに家を
去って行く。終わり、と言う話。

この、ルーカスの家がホラーで。何だか怖い。ぼろぼろだし
ルーカス自身、きれいにしなくてはと想ってるようなのだが
そりゃ悪魔も来るんでは?と思うような不吉な感じのする家だ。

これまで観た、悪魔の映画で好きなのは、やはりエクソシストと
エミリー・ローズなんだけど、こちら二本の方が、悪魔の迫力は
あると思う。なので怖い系を期待すると違うと言う風になるかも。

あくまでエクソシストになる男の話、と言う感じなので、
マイケルがエクソシストになるまでの成長過程と言うか
そう言う物を見ていると想って観たら、悪くも無い。
無駄に怖い展開を期待している観ると、期待はずれかなぁ。

あのパッケージの不気味なルーカス神父は
ある意味ネタバレな気がするがww

最初の方の展開とかは入りやすくて好きだし
途中とかちょっと、どんくさくも感じてしまうが、割と良かった。
やっぱり悪魔が出てくる物は好きだな。


†アナとオットー†

2011年08月31日 | ■MOVIE

Los amantes del Circulo Polar ※ネタバレ

恋愛物の映画で、オチがハッピーエンドじゃない展開
って、実はあまり好きでは無い。
テレビドラマが嫌いな理由は、毎回だらだら、この二人
どうするんじゃいっw的な展開にイライラするから。
映画だと、とりあえず終るので(笑)、別に良い。

アナとオットーは、運命と言うものに強く影響を受けている
二人で、二人の名前が反対から読んでも同じ、とか、
偶然に出会って惹かれ合ったら、偶然兄妹になる展開とか。
偶然な事がどっさりとあり、その偶然が、主人公らにとって
正に物語的に、繋がり、全てに意味があるような。
二人にとって運命的なものになっている。

何度も事故りそうになるし、デジャヴかよwみたいな。

互いを忘れられず、思い合っているが離れてしまう、
すぐ傍に二人は今居るのに、すれ違ってしまう、等
ああ恋だなぁって感じ。

ただ、運命が主人公かのように最強の存在なので
二人は最早それに弄ばれているかのようで
全ての偶然が繋がっていき、ぐるぐると回り
ラストで北極圏へ。北極圏の恋人たちが原題だったから
ラストには持って来いだ。

なんだけど、引っ張って、引っ張ってのラストシーンは
悲しい再会と言う結果になる。
見方の受け取り方に、お任せしますな感じもあり
もうそこまで来ているオットーに会えず、事故死するアナは
死にいきながら、オットーに会えたと言う夢か幻覚かを見ていて
彼女の瞳にオットーが焼着いている。
アナの側からすれば、最早死んでしまったのだし、不幸も何も無い。
でも、残されたオットーは本当に悲惨だなと思う。

オットーは、家族が離婚し、父が暮らし始めた新しい再婚相手が
アナの母親で、二人は兄妹になってしまうが、まあ義理だし
元々惹かれ合っていたので、母と暮らしていたオットーは
家を出て、父の家に住み始める。アナが住んでいるから。
二人は同じ家に暮らす様になって何度も愛を重ねていく。
しかし、残された母は自殺。この事がオットーの心を苦しめ、
自分の責任の様に感じてしまった彼は、自殺を計ろうとしたり
アナから離れ、父のお金をあるだけ持って出て行ってしまう。

離れていったオットーを未だに思い続けるアナは
他の男性との結婚なども経て、ラストでオットーに会おうとする。

オットーの名前の由来は、祖父の関わったパイロットから
とられたと言うエピソードがあるが、そのパイロットがアナと出会い
と言う、正に主人公たちにとって、運命的な偶然が色々と発見される。

この、オットーは一体どうなってしまうんだか。
母が他界した事でもいまだ心の傷は癒えてないだろうが
その上、再び会おうとしたアナまで事故死し、残された後の彼を
想像するとかなりのバッドエンドだ。置いていかれる身の辛さを
一度母親の事で経験している彼だけに、今度こそ立ち直れないのでは
とか、想ってしまう。

アナの母親は、既にオットーの父を捨て、再婚している時から既に
他の男を見つけていたようだが、そう言う、ある意味逞しく?w
生きていく女で、ある意味アナは娘としては色々不信に思う点も。
最後は母からのビデオメッセージで愛を伝えられて感動している
シーンもあるので、アナの方はまだ良かったとも言える。
母に死なれたオットーに比べたら。
オットーといえば父のお金を殆ど持ち家出したわけだから、
暫くしてから家に戻っても、お前に家族を壊されたんだと
父に嘆かれはするが、本人はそれに対して悪い事をしたとか
そこまで思っている様子もなく、父ともちょくちょく会いながら
その内父とも普通に過ごしている。
子供の頃から、離婚や再婚などで、親の事情に振り回されている
アナとオットーだけど、子供の時点で既に考え方がドライと言うか。
そう言う事に対して、受け入れ方はスムーズ。
アナは子供の時に、母が泣いていると、母の泣き顔が嫌いだからと
「泣くからいけいないのよ」、みたいな事を言ったりもする。
親の事情が複雑だろうとも、自分達は自分達の人生を生きます、みたいな。

作品では、「アナ」「オットー」と言う風に、同じ状況でも
別視点から見た展開毎に区切られていて、アナの章では
アナが語り手となって物語の断片が埋まって行き、同じくオットーでも
そうなる。こう言うのは、かなり好きだ。
同じ状況でも見せている角度が違っていたりするし、同じエピソードを
繰り返すから、見てる側は分っている展開なのだけど、
見せ方がうまくて、くどくない。
こうした形をとる作品としては、見事なほど。
下手すると話がより複雑になってしまったり、過去と未来が
行き来して ごちゃつくような厄介さも、全く無くて、とても見やすいし
分かりやすい。

最初の方に、まだ子供時代のアナとオットーの学校から帰宅する
子供達の様子が上から映し出されているのも好きなシーンだ。
正面じゃなくて上からなのが 何だかいい。

こう言う部分では、本当に観て良かったなぁと感動する。
まだまだこの先もオットーには悪戯な運命が待ち構えていて
終らないループの中で どうなってしまうだろうかと思わせられる。
そう言う意味ではエンドと言うよりも、ずっと物語が続いてる感がするけど
ドSな運命がオットーを幸せにするような気がしないw

暗いお話と一言では言えないけど、ハッピーエンドが好きだったら
オススメはしない映画。

何かが顔のどこかがオットー、クリスチャン・ベイルに似てる気がするw
あたしだけだろうかw


†黒い家†

2011年08月31日 | ■MOVIE

黒い家  ※ネタバレ注意

今回は映画の方。本も見たのだし、怖いさちこは 大竹しのぶが
やってるみたいだし、で見る事に。
怖そうだな、見れるかなと不安を持ちつつ・・・。
これはTSUTAYAで借りてきたんだけど、ポップに、『この映画は何度も
観てしまう素晴らしい作品』の様な事が書かれてあり、
役者の怪演が見事で購入して何度も見るのをオススメする
なんてあったものだから、なおの事期待してしまった。

でも、正直な見終わった感想と言うと。
もう悲惨な程、最低な映画だったな。
役者の演技が、とかじゃなくて、まず物語全体が無意味にチープ。
昔のドラマみたいで 中途半端にコミカル。
さちこが怖くないし、主役の男の演技が漫画みたいで全く緊張感が無いから、
さちこと男の乱闘シーンも、さちこに追い詰められるシーンも なんにも怖くない。

その上、色々な部分を割愛しすぎていて、まあ映画にする時は
そうもなるのかも、だが、出てくる人物が何の役にも立たずに
殺されていった感が。

結構、本で見たら、登場人物それぞれに個性があって
何かしら主人公・若槻に情報なり、何かを与えていたり
役目を持っているのだけど、映画の方では 何しに出てきたか
よく分からない事になっている。
金石と言う犯罪の心理学の先生も、ただの変な男にしかなっていなかったし、
めぐみが あまりにボソボソ喋りすぎるし。
さちこが 無駄に出すぎで そのテンションか?と言う空気で
ボーリングなんかやってしまう。

さちこに保険に入るようすすめた元同級生のおばさんは
想ったよりとても社交的な人に見えるし、それで、黒い家も黒くないんだよな。
さちこの夫が指を噛むシーンも、執拗に若槻に会いに来るシーンも、
最早お笑いにしかならないし。夫の重徳役は、西村雅彦で この人変だけど、
何かコメディっぽいw

みよしさんの役者は、小林薫で、めっちゃナイスな役者を選んでいる。
何気に本のみよしが好きだし、この俳優なら完璧だーと想ったのだけど、
残念な事に、彼が生きたまま解体されるシーンとかは割愛。何でだw
あっ! と言う間に、それもいつの間にか さちこにやられている展開。
みよしさんに折角、ばっちりな役者を入れたのに勿体無いわ。

しかも映画はホラーのジャンル分けなのに、死んでしまった人は
出てくるが、殺されるところとか出てこない。
金石も、監禁されて、暫く拷問を受けてから殺されるのだが
死んだ後で出て来て、その説明があるだけ。
おまけに めぐみがさらわれるシーンもなく いつの間にか さらわれている。
主人公は無駄にビビり過ぎで、大袈裟過ぎてて さちこに追い詰められてる
感じが まるでしない。

序盤は、夫・重徳が要注意と言うか完璧犯人だろうと思わせる展開なのに、
ただ変な奴と言うだけで、犯人とも感じない。

しかも、さちことかが 関西弁と言うか 京都弁を使わないときた。
だから「なますにしたるわ」が無いw

ちょっと、話いじりすぎと言うか。さちこや黒い家の雰囲気が
全く描かれてなくて 残念すぎる。
本の事を気にせず、映画だけで見たとしても、やっぱり怖くは無いだろう。
だって、怖いと感じる物がほぼ無い。
おまけに襲ってきたさちこ、乳を放り出して「しゃぶれー」なんか言ってしまう。
ドン引きする。こんなのさちこじゃないだろう。
ラストのシーンで、何でそんな無意味な事をしたのか不明だ。

唯一と言うか、最後にさちこが、自分も親に保険金目当てに
手首を切られたのだから、自分の子供にして何が悪い、と言う、
その、さちこの過去が述べられるシーンと言うのは、本では無いから、
なるほどなーで いいんだけど・・・。

さちこが包丁を持って追ってくる所とか、普通ハラハラしてきっと
怖いはずなんだが、若槻の演技がオーバーで最初に言ったように
漫画のようだから、マジで何も怖くないのが残念すぎる。
話を知らなくて見ていても、どうせこの主人公死なないな、とか
分かってしまうだろうな。いっそ、映画ではもう殺された方が良かったか?w 
痛みも怖さも何も無い。
黒い家に若槻が監禁されためぐみを救出しに行った時の様子も
あからさまに怖くない。みよしさんが死んでいるが解体されている
様子では無かったように思う。
何を言っても、さちこって、確かにこれまで多く人を殺し、家に死体を置いてる
時点で最早、非現実的な感じがして、本でも、ああ小説だなぁと感じるのだけど、
さちこの執念深さや ぞっとするような事を思いつく感覚や、
特に若槻の家に勝手に不法侵入して、喚きまわったりするシーンは、
さちこの恐ろしさにリアリティが感じられたりする。実際殺しは別として、
このような事をやってくる妙な奴と言うのは居そうだからだ。

そう言う不気味さを感じさせるはずのさちこの一面は感じない。
若槻の家に来た時も、頭のおかしい奴だな、と言うだけ。
狂ってる感じと言うか。だから怖くないんだろうと思う。
本で見たさちこの印象は、狂ってると言うより 正気で、真面目にやってて
それが 傍から見ると異常な事になっていると言う感覚を受ける。
楽しんでいる感覚も受けるけど、あの、憎たらしくも恐ろしい彼女の
若槻への執拗な嫌がらせとか、結構リアルなんだが。

本で見ると、変な奴には関わりたく無いと想ってしまう。
その辺りが、さちこのそう言う部分が印象付いているんだろうと思う。
映画で見ると、こんな奴はまず居ない、で終る。

過去に、妬まれて、実際に、普通の奴と違う、執拗な嫌がらせを
考え出す変な奴に、色々な嫌がらせを受けた経験がある。
やはり、毎度の無言電話や、異常さを伺わせる内容が書かれた文書など、
周りはぞっとしていたようだけど。こそこそしてくる人間、
例えば、陰口とかもそうだけど、そう言う嫌がらせとかって、何の効果も無い。
だって面と向かって言えん、出来んと言う事だから最早敵でもない。
つまり自分に関わって来ないものだから。知らないで終わり。
あたしはそう言ったものに まるで動じなくて、周りの友達は、
その嫌がらせが異常だと言ってカンカンになっていたが、
あたしは笑ってしまっていた記憶がある。だって何かの本の影響か?
とか思わせるようなwお前何になりきってるねんwと思うと滑稽でw
おまけに、そんな事する時点で相手、かなりの構ってチャンだし。
こう言うのは相手にしないのが一番なんだろう。
若い頃は、それなりな体面を気にしたりするからw犯人が分かった時点で、
事ある毎に相手に直接文句を言いに行ったり、ひとまず事を荒立ててww
最終的にはあっちが謝罪するしか無くなってしまったと言うオチ。
とは言え、なかなか経験しない事だ、こう言うのも。

これは若い頃の話だから、そう言う事で終るのだが、今、この年で
こんなのいたら、早いうちに守備を固めた方が良いと思うww
さちこを見て、かなりそう思うwww

執念も怖いけど、直接、お前の命を狙っているので殺す、と、
本気で殺そうと堂々とやって来る人間の方が倍ほども怖い。
そう言う時って 最早「生きたい」とか「助かる方法は」とかばかり思うし、
先の見えないトンネルの中にいるような気持ちでプレッシャー半端無い。
もう、あたしだったら、無言電話は無視するとして、さちこが、
自宅に不法侵入して喚いてる、この時点で戦意喪失。
相手は理解不能の宇宙人と変わらないし、勝てる気しないw

映画では、言ったように、それすら怖くなかったので、ただイライラする。
こんな女相手にびびるなよ、みたいなww
とにかく、非常に残念な映画だった。もう二度と観ないし、観なくて良かった。
本の世界をもう少し質感良く現してくれるよう作り直して欲しいくらいだ。

観るなら、本の方が良いと思う。


†VENGO†

2011年08月22日 | ■MOVIE

VENGO ※ネタバレ注意

マフィア物だろうと、ぼけーっと、いつもの調子で鑑賞に。
のっけから、これ、音楽物だった?と言う幕開け。
アンダルシアはフラメンコの聖地、らしい。
フラメンコ詳しくない。でも民族音楽は大好きだ。
そんなあたしにとって、冒頭の演奏シーンは最高に良い。
とてつもなくクールなのだ。

 

フラメンコのギタリストで恐らく凄い人なんだろうwと言う
トマティートと言う人。彼はフラメンコギターの第一人者らしい。
映像が、やけに映画と言うよりライブを見てる臨場感に溢れてて
音楽ドキュメンタリーを観てる気分になる。
トマティートが、スーフィの音楽家達とセッションする、と言うこの
タッグ、めちゃめちゃ最高でしょう。
ギター上手すぎやし演奏がセッションやしで、俳優じゃなかったのかと
ひたすら続く演奏を目撃する。
おじいさんの歌声がたまりません。
踊り子の踊る姿が 異常な程カッコ良い。あたしも覚えたいと思ってしまう。
おじいさんの歌に合わせてギター鳴らす、奏者が
ポーカーフェイスなんだけど時々ふと表情を崩しそうな感じが
楽しさが伝わってきてとても良い。見ている方も演奏のシーンは
笑顔になってしまう。一度聴くと頭から離れないメロディだ。

 

で、マフィアの話はどこに行った?と言う事ですが。
主人公カコ(彼もダンサーらしいが踊らない)は、最愛の一人娘を亡くし
兄の息子のディエゴと、その悲しみを分かち合っている。
ディエゴは障害を持っていて、歩いたり話したりするのに苦労するが
彼を溺愛するカコは、ディエゴの為に盛大なパーティを開いたり
ディエゴに女性の世話を焼いたりもする。
兄は、敵対する一家の目から逃れるよう姿を隠していて、
どうやら対立するそのカラバカ一家の長男を、兄が消したと言う事で
恨みを買っているよう。当然カラバカ一家は怒っており、現在は
カラバカ一家とカコの一家との間で不穏な状況が続いている。
過去には、幼馴染であったりする関係で、前の世代の時は仲良くやってたが。

カラバカとしては、兄を消して報復したいと想っており、
兄が姿を見せないのなら、その息子ディエゴが償うべきと考えている。
カコは何としても、ディエゴを守ると決意していて、娘を失った悲しみから
現実逃避するかのように酒を飲んでパーティに明け暮れまくる。
話合をするも、カラバカとは上手くいかない。

だけど、この映画、カコの人生やストーリーの方がおまけ的で
むしろ本編が音楽の方と言う感じなくらい、至る箇所で ひたすら音楽。
その、いちいち出てくる歌い手の歌や演奏とかがすこぶる良い。
皆手拍子合わせて、次から次に踊り始める。
その様子が、そこに参加してるみたいで 本当とにかく気持ちが良い。
これに出てくる殆どの人が踊ってギター弾けて、だから凄いw

一にも二にもパーティでフラメンコな日々が続く。

カコの一家にはトレスと言う、めっちゃ男前の部下がいる。
こいつマジでイケ面で、最高すぎる。
さて彼が、カラバカ一家の連中らに連れて行かれるという事態が。
飲み屋にかけ、緊張しながらも、カコの兄の場所を尋ねられ知らないと
答えるトレス。ま、それならとりあえず、彼を拷問して吐かそうかとは
いかない。何故か椅子に座って「俺はCD出してる」「俺はデザイナー」
なんて話をし始めてwwwトレス、CDをもらって「聴いてみる」www
なんでw

そこへ、カコの仲間の一人がやって来て、よくも家の奴をと
トレスを連れて帰る。何事もなくトレス無事に帰還w

結果的に、カコは仲間を連れ、カラバカ一家の例の殺された長男の
子供の洗礼式へと訪れる。そこでも大概揉める。
カコはカラバカ一家の一人と向こうで二人話合を始める。
話は着かず、結局帰ることにする。
しかし、カコは行って良かった、と言って、途中で、娘の慰霊をまつる
教会で一人、降ろしてくれと言う。教会へ行くのはよくあることだし
仲間は彼をそこで降ろす。一緒に来たディエゴは一人で大丈夫かと尋ねる。
大丈夫と言って降りて行くカコを、トレスが追ってきて、
無言で彼から離れようとしない。何か言おうとしている様に見えるが
その目が強く何かを訴えている。「なんだよ、俺を一人にしてくれないか」
と、カコ、トレスに帰るよう言う。トレスは無言のまま涙をこぼして
車へと戻っていく。

さて カコは教会へは入らずに、真っ直ぐにまた先ほどのカラバカ一家の
集まる場所へと戻って来て、あちらかやって来た、先程話し合いした
一人の男に刺される。ふらふらしながら戻っていくカコ、そのままバタリ。

終わりなわけw

トレスは分っていたんだろうなぁ。ま、カコを消したのだから
カラバカ一家がこれでディエゴを狙うとかは無いだろうし、
でも・・・。カコが生きようが死のうが、話の主役はフラメンコw
最後まで 随所に渡って流れてくる音楽が良すぎで
それが良すぎるから、話自体には そこまで何ともw
皆普段から手拍子とって唄ったり踊ったりばかりしているしw

物語自体は明るい話でも無いし、派手な抗争もないし
ストーリー見るより、演奏や踊りに夢中になってしまう。
だから、音楽見たくてまた観てしまう感じだろうな。


ピアニスト

2011年08月17日 | ■MOVIE

La Pianiste ※ネタバレ注意

パッケージがキスシーン。
どうしてか、それが何だか変態的に見えたので
タイトルもストーリーも無視で観てみることに。
タイトル、ピアニストだったのねと後から知って
じゃあピアノの話なんかも?

あらすじは39の女エリカが主人公。
実に淡々と無表情で 絵にかいたような
厳格なピアノ教師。古い本とかで出てきそうな
男に縁が無く、男が近寄り難い感じの。美人なのに勿体無い。

父が精神病で亡くなり、物凄い口喧しい母と暮らし
ひたすら母のいいなりのような環境で育ってきたからか
スト溜まりすぎ。母の干渉が酷く、帰宅するのが遅くなって揉めた時は
流石にエリカも母にイラッ。「クソババア」と罵り頭を掴んでやるけども。

で、あまりにご縁が無いからか?ともかく、ポルノビデオとか
鑑賞しに行ったり、車で最中のカップルを覗き見したり。
普段の教師の姿からは確かにまぁ想像出来ない行為で
憂さ晴らししているようだ。そう言う性癖と言うよりも、むしろ、
経験の無い世界に憧れていると言う感じがある。

で、そんな彼女の前にある日、かなりイケ面の若い男が現れて
口説いてくる展開。この、イケ面がまじで男前。
ブノワ・マジメルと言う俳優なんだけど、この顔が画面に出てくるなら
とりあえず見れるわと言う、かなり素敵なお顔。

先生はこの生徒に対して興味を持つ、と言うより、うまいこと
自分の行きたい世界に連れて行ってもらえるかもと期待する。
先生は、ハードなSに、殴られたり罵られたりされたいと言う
未知なる世界への憧れを抱いており、実際やったことは無いから
それがいいかも分からないが、そうされたいと言う欲求を強く持っている。
多分、妄想が膨らみすぎて、先生の頭の中では、きっととてつもなく
素敵なことになっているのだと思う。

さて、イケ面青年ワルターは、ある日、強引にトイレにいる先生を追っかけてきて。
閉まっている扉の上から覗き込んで 強引に先生にトイレから出て来てもらって、
口付けを。…あの。ワルター、お前こそ変体なんでは?
先生は口付けに応えはするが、その後ワルターをちょっと弄ぶと言うか
「自分の指示」に従わせ、焦らしておいて やらない的展開。
この時点で先生は ドSな事をやってるが もしかしたら、彼女はM(に憧れている)
なので、相手を究極に追い込み襲われたいのかもな?
それともただ、言いなりにしてスカッとしたかったのかな。
ワルター、もうどうしようもないので とりあえずマラソンランナーみたいに
身体を動かしながら、自分の衝動を抑えようとして去って行く。そうもなるんでは。

先生はワルターに手紙を渡す。
ワルターは強引に、あの喧しい母親のいる先生の家に付いて来て
先生の部屋へ。そんな強引に家に押し掛けてくるのも若さだろうか。
しかし迷惑だよな。部屋でこれから先生とイイ感じになりそうな若き青年は、
自分はあなた次第だが まずは渡した手紙を読めと先生に言われる。
手紙を開いてワルターびっくり。結構ぎっしりと何枚にも書かれた手紙には
先生の妄想から来る希望で びっしり連なっている。殴ってとか、そう言う内容だ。

ワルターではなくとも、とりあえず男なら 引いてしまうだろうな。
好きと想ってる女に、じゃあやる事やるなら ハードなSを宜しくねと言う展開は。
先生にからかわれたと思い激怒するワルターに、泣きながら、
先生はそれが夢だったのだと言い、ベッドの下から それなりの小道具を出してくる。
先生、必死すぎだけど、まぁ年もいってるし?妄想を現実にするチャンスだし
仕方ないのかな。

ワルターは そんな事はお断りで、自分の手を汚したくないと言って怒って帰る。

この点でも、このワルターに、そんな事頼んだ先生、おいおいって感じ。
そもそも、ワルターが引くのは仕方ない。
だが、手を汚したくない、と言う理由は?何者のつもりだろうか。
この台詞が腑に落ちない。愛してると言ったなら、貴様も男なんだし
先生を具合良くしてみろ。出来ないのだろと言いたくなる。

ワルターに帰られた先生も ここから必死。
まさに、もう、あなたしかいません状態でワルターの下へとやって来るから
その必死さに、普通だったら引く。言っては悪いが、本当うざいとは 
この時のエリカの為にある言葉だと思う。
押し掛けたエリカ、ワルターに強引に迫るものの、口に入れたものに
拒絶反応して吐いてしまう。あーあ。目の前で吐かれたワルター青年がっかり、で
その場は、それでお別れ。いやワルターw吐かれたのはショックだろうが
愛してる人が吐いたのだから、落ち込むのは良いが文句言うなw


そしたら今度はワルターが夜中に、先生宅へ押しかけてきて
まず喧しい母親を強引に寝室へ放り込み、鍵をかけて、先生と二人になる。
なったところで、先生の顔を殴ったり、蹴ったり。
顔から血を流してる先生に、ワルターは男を弄ぶにも限度がある、と言うような
事を言い、とりあえず水を飲む。
恐らく先生はこれまで男に殴られた事は無いのだと思うのだが
ショックなんかで呆然としている。いや、先生望んでたでしょって話だけどw
所詮妄想だから 気付いた時には後の祭りか。
ワルターは殴るのをやめて、先生に伸し掛かって イザ本番となるが
呆然としたままの先生は、ただ、もう、何の反応もなく成すがまま。
ワルターに、反応を求められても、無理。
ワルターは、大丈夫だから、愛に傷ついても死にはしないよ、何て風に
先生を宥める。             あははwこの台詞なんなんだか。

この先生の場合、経験が無い故、スト溜めすぎの環境で生きてきて
何で死ぬかなんか?分からない。まぁでも、そんな事情ワルターには
関係ないしな。彼はやりたいだけって感じするし。
さて用は済みました、と、ワルターは、それではと帰って行く。

次の日、先生は生徒の代理でピアノの演奏会に出なくちゃなので出発。
会場にて、ワルターの姿を探し、彼が現れるのを待つ。
鞄にはナイフを入れている。何でか分からない。ワルターに報復をするつもりか?
一体なんの?昨日のお礼だよみたいな?
ワルターが数人と共に現れ、先生を見つけると、まるで何も無かった顔で
微笑みながら「先生、演奏頑張ってね」と普通に去って行く。
だからワルターは、こう言う人なんですってば。
なんだけど 先生は持ってきたナイフを掴むと、いきなり自分の胸を刺す。
その時、先生の顔が一瞬歪み、ぶすっといくのだけど、歪んだ先生の顔が
マジで怖い。どんなホラーより怖い。
先生は胸を刺したくらいでは死ねないで、何で刺したかも分からんが
ひとまず血を流したまま会場を去って行く、終わり。

え?先生、終るのかw

最後まで、気付かなかったんだけど、最後に先生が顔を歪めて自分を刺した時
ああ、この人ちょっと頭の変な人だったのかぁと分かった。

それまでは割とまあ 妄想に憑かれてる、スト抱えた、おばさんだな、だった。
孤独もあるだろうし、一人よがりな面も見えるが、それ以外の視野も無いと言うか
知らないのかも。

でも、ワルターの方が もっと変な気がする。
先生を追っかけて先生の気を引くために大学に入ってきて
猛烈にアピールする点は若さかしら。だがトイレwwまで強引に追って来るし
人の家にまで強引に付いてくるし、挙句の果てに手を汚したくないと言って
結果的に先生の望んでいた事をかなえようとしたのか?とにかく殴ったりして
先生と寝てる。寝たら冷めたのかな?次の日のワルターのあっさりぶり。
この行動には先生みたいな人は心がついていかない気がする。
先生が多少の変わり者とワルターだって少しは感じられるはずなのに
ワルター、先生の何も見ていない感じがして、彼の何が愛してるか分からない。
でも、こう言う人だからと言ってしまえば そうなんだろうけど。

しかしハードな事をお願いするなら、お互いに話して
「やってみて もし嫌だったら言って、とりあえずやってみよ」で良いんじゃないの?
軽く殴ってみるとか。やっぱり痛いからやめるわーって感じで。
別にハードな事を望むのが歪んでるわけでもないだろうし
未知の世界に対しては、どんな真面目そうに見える奴だって
興味があってもおかしくはないだろう。
ワルターは少なからず女性経験はあるだろうから、先生を上手いこと癒せたら
良かったけど。またはそう言う男性が現れたら良かったのだけど。
しかしエリカの心の中にある妄想はまぁ置いといて、もっと深い闇は
簡単に上手くいかんだろうし。一生物って感じする。

最後の先生の顔がとにかく怖くて><

本編の中ではひたすら、ピアノの演奏が至る箇所で聴かれて
とてもいい。音楽が良いのです。
後、こんな話と言っちゃ悪いが、実際どうでもいい話なのに
割と引き込まれて見れる辺りも良かった。
でも、先生の最後の顔は本当ショックが強いわw