大阪のまちづくりぶろぐ

大阪でまちづくり活動をおこなっているみなさんの情報発信や交流を行うためのブログです。

「ミュージアムウィークス大阪2012―わたしのお気に入りは、これ!―」が開催されています!

2012年09月27日 | イベント
 大阪市立の博物館・美術館・動物園等では、平成24年9月21日(金)~10月4日(木)までの14日間、統一テーマを設けて所蔵品を公開する共同キャンペーン「ミュージアムウィークス大阪2012―わたしのお気に入りは、これ!―」が開催されています。


(リーフレット)

 「ミュージアムウィークス大阪」は、大阪市博物館群8施設が所蔵する一級のコレクションをその年ごとのテーマで同時に公開する、年に一度のキャンペーンで、今年は、来館者に「わたしのお気に入り!」の一品を投票する催しとなっています。
 大阪市博物館群8施設とは大阪市立東洋陶磁美術館、大阪市立科学館、大阪市立美術館、天王寺動物園、大阪城天守閣、大阪歴史博物館、大阪市立近代美術館建設準備室、大阪市立自然史博物館で、「大阪てくてくミュージアム」の愛称がつけられています。施設と投票テーマは次の通りです。

・大阪市立東洋陶磁美術館:どの文様がお気に入り?
・大阪市立科学館:技術の進歩を感じる家電製品!
・大阪市立美術館:屏風絵の世界を旅することができたなら・・・
・天王寺動物園:アフリカサバンナゾーンのお気に入り!
・大阪城天守閣:虚実はさておき、とにかく気になるキャラクター!
・大阪歴史博物館:ユーモアたっぷりのNO.1!
・大阪市立近代美術館建設準備室:発表!みんなのコレクション、みんなの選択(投票はありません)
・大阪市立自然史博物館:生き物になりきって体験しよう!
・関連展示 大阪文化財研究所:あなたが選ぶ!なにわの考古学大発見

 前回のブログで紹介した「ザ・大阪ベストアート展」では近現代のアート作品からの投票でしたが、今回は陶磁器や屏風絵をはじめ、家電製品や動物など幅広い分野を対象に投票ができます。興味のある分野を選んで、その中からあなたのお気に入り見つけて、投票してみてはいかがでしょうか?

○ミュージアムウィークス大阪2012の概要
開催期間
平成24年9月21日(金)~10月4日(木) (14日間)
 
開催場所(参加施設)
大阪市立東洋陶磁美術館、大阪市立科学館、大阪市立美術館、天王寺動物園、大阪城天守閣、大阪歴史博物館、大阪市立近代美術館建設準備室(展示は心斎橋展示室)、大阪市立自然史博物館

主 催
公益財団法人大阪市博物館協会、公益財団法人大阪科学振興協会、大阪市

関連事業
期間中、ソーシャル・ネットワーキング・サービスFacebookで「大阪てくてくミュージアム ミュージアムウィークス2012」専用ページを開設します。

結果発表
投票結果は「大阪てくてくミュージアム」チラシ等で発表いたします。

問合せ先
大阪市総合コールセンター(なにわコール)
電話06-4301-7285  ファックス06-6644-4894

参考HP
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000182199.html

「ザ・大阪ベストアート展 -市&府モダンアートコレクションから-」が開催されています!

2012年09月25日 | イベント
 平成24年9月15日(土)から11月25日(日)まで大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室にて、「ザ・大阪ベストアート展 -市&府モダンアートコレクションから-」開催されています。


(告知パンフレット)

 同展は今年4月29日から7月31日まで、大阪市立近代美術館コレクションと大阪府20世紀美術コレクションを代表するモダンアート作品100点を候補に、「ホンモノを見てみたい、私の好きな作品」を募集し、リクエストにより選ばれた50作品を展示するものです。
 投票結果は次のHPで紹介されています。
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu120/artrip/love-osaka.html
 投票結果は第1位:佐伯祐三「郵便配達夫」、第2位:アメデオ・モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」、第3位:佐伯祐三「レストラン(オテル・デュ・マルシェ)」・・・と続きますが、小学生、中学生、高校生、大学生の部門別の投票結果も掲載されており、第1位はそれぞれ異なる作品となっており、年代ごとの投票結果の違いがわかります。
 また、投票に際して寄せられたコメントが紹介されるほか、クリエイティブディテクターの佐藤可士和さんやピアニストの西村由紀江さんなど各界の著名人からのリクエストやコメントも寄せられています。アート作品にはさまざまな見方があり、これらのコメントを読みながら、作品を眺めることで、印象も変わってくるかもしれません。

○「ザ・大阪ベストアート展 -市&府モダンアートコレクションから-」の概要
会 期
平成24年9月15日(土)~11月25日(日)
 
休館日
毎週水曜日 ただし10月21日(日)は臨時休館 
10月3日(水)、11月7日(水)は関連イベントあり
開館時間
午前11時~午後7時(入館は午後6時30分まで)
会 場
大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室
大阪市中央区南船場3-4-26
出光ナガホリビル13階(旧出光美術館大阪)
(地下鉄「心斎橋」下車約260メートルまたは「長堀橋」下車約290メートル、クリスタ長堀 北7番または北5番出口すぐ)
観覧料
当日券/一般500円(400円)/高校・大学生300円(200円)/中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※大阪府下在住65歳以上の方および(要証明)障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料。
主 催
大阪市、大阪府、読売新聞社
協 賛
損保ジャパン
H P
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000166029.html

CITEトークセッション2012がはじまります!

2012年09月21日 | CITEトークセッション2012
 毎年、好評のCITEトークセッションが今年も開催されます。

(昨年度の様子)


 「CITEトークセッション」は、いろいろな題材を通してまちづくりを考えることを目的に、年度ごとに設定したひとつのテーマについて、その分野で活躍されている方をゲストスピーカーに迎えご講演いただくとともに、参加者との意見交換を行うイベントです。
これまで、「大阪のデザイン力」(H21)、「アートと大阪のまちづくり」(H22)、「大阪とエンタテインメント」(H23)を各年度のテーマとして行われました。
 4年目を迎える今回は、「地域のブランドづくり」をキーワードとして、「大阪をブランディングする ~まちの魅力を創造・発信する人々~」と題し、まちの個性を活かし、そのまちならではの特徴や価値をブランドとして確立していくことで、訪れたい、住んでみたいと思えるまちづくりを実践しているキーマンにご講演いただきます。
 なお、例年1月~2月に、CITEさろん・(財)大阪市都市工学情報センター共催で開催しているまちづくりシンポジウムにおいても、「まちのブランドづくり」をテーマに取り上げ、トークセッションでの取り組みの総括を行いたいと考えております。
 
 第1回の「街の歴史文化を踏まえたライフスタイルの提案」は、2012年10月4日(木)に淀屋橋odonaのアイ・スポットで開催されます。

(案内チラシ)


 今回の講師の澤田充氏は、大阪梅田都心型商業施設「イーマ(梅田)」、街のブランディングプロジェクト「淀屋橋WEST(淀屋橋)」、近代建築を活用した現代のトキワ荘「ダイビル・クリエイティブ・スクエア[DCS](中之島)」、京阪電気鉄道「中之島線4つの新駅プロデュース(中之島)」、南海電鉄高架下活性化プロジェクト「なんばこめじるし(なんば)」、そして今回の会場でもあります「淀屋橋odona(淀屋橋)」をはじめ、東京丸の内都心型商業施設「新丸の内ビルディング(丸の内)」など全国各地で数多くの商業施設等のプロデュース・企画コンサルティングを手がけておられます。

 なかでも、「淀屋橋WEST」は、歴史ある大阪のオフィス街、淀屋橋の西エリア周辺のビルオーナーや老舗店舗と連携しながら、持続可能な街に再生していこうとする街のブランディングプロジェクトで、「永遠に完成しない街づくり」「事実積み上げ型」「コンバージョン中心」などをキーワードに上質な店舗が集積するエリアとなりつつあります。
 「街づくりは、街の文化を育てること」とし、その街の歴史や文化をどう読み解き、新しいライフスタイルを提案して、街自体をブランディングしていくべきか。独特な発想による“澤田流 街のプロデュースの方法”を語っていただきます。
 ご興味をもたれた方は是非ともご参加ください。
 なお、参加費は無料ですが、事前にお申し込みが必要となりますのでお気を付けください。(定員は30名・先着順)みなさまのお申し込みをお待ちしています。


○第1回「街の歴史文化を踏まえたライフスタイルの提案」の概要
日 時
10月4日(木)18時30分~20時30分
場 所
アイ・スポット(淀屋橋odona 2階)
講 師
澤田 充 氏(株式会社ケイオス代表取締役)
主 催
CITEさろん/(財)大阪市都市工学情報センター共催
定 員
30名(要事前申込・先着順)
参加料
無料
申込方法
お名前ならびに連絡先(電話またはメールアドレス)を明記の上、メール・電話・FAXのいずれかで下記までお申し込みください。
Mail:cite-salon@osakacity.or.jp
TEL: 06-6949-1911 FAX: 06-6949-1925
 (CITEさろん事務局 担当:山本・坂)


大阪市内にある山

2012年09月19日 | その他
 国土交通省国土地理院の電子国土Webシステム上で、「標高がわかるWeb地図」が試験公開されています。

(「標高がわかるWeb地図」HP画面)

 以下のURLでご覧いただけます。
http://saigai.gsi.go.jp/2012demwork/checkheight/index.html このシステムでは、Web地図上の任意の地点にマウスのカーソルを移動し、右ボタンをクリックするだけでその地点の標高値を知ることができます。

 国土地理院HPでは、「津波災害に備えた避難場所の選定、水害時における氾濫地域や水没危険箇所の予測などに役立つ基礎的な情報が容易に得られ、公共機関における防災計画の策定や見直し、ハザードマップの作成や見直しへの活用だけでなく、個人における防災意識の向上に繋がっていくことが期待されます。」と説明されており、防災の観点から有効性の高いデータを簡単に入手することが出来ます。
 もちろん、防災面だけでなく、身近な場所の標高値を単純に知りたいというだけの目的にも使えます。本当に、手軽に調べることができますので、みなさんも一度お試しください。
 また、電子国土Webシステムでは、このほかにも1970年以降の空中写真が時系列的に公開されており、まちづくりを考えていく上でも、非常に有用な情報を得ることが出来ます。

 このシステムを使っているうちに、大阪市内で高いのはどこなのか気になりました。当然、上町台地は高いのですが、それ以外の場所でも山のように、高くなっているところはどこなのか。大阪市内では一般的な山というイメージのものはないですが、山と名付けられている場所は数えるほどですがあります。
 大阪市内には、日本で一番低い山として、「天保山(港区:4.5m)」が有名ですが、これは、国土地理院発行の2万5千分の1地形図に記されている二等三角点がある山の中でという条件がつきます。

(二等三角点がある山の中で日本一低い「天保山」)

 ちなみに、一等三角点がある山の中で、日本で一番低い山は堺市の大浜公園にある「蘇鉄山(堺市堺区:7.0m)」です。

(一等三角点がある山の中で日本一低い「蘇鉄山」)

 どちらの山も、大阪湾を見渡すことができる展望の場として造山されたものですが、現在では、すぐ横を阪神高速湾岸線の高架道路が通り、その沖合はさらに埋め立てが進んでいます。

 そのほかに、国土地理院発行の2万5千分の1地形図に記されている山をあげてみますと、「帝塚山(住吉区:19.9m)」、「聖天山(阿倍野区:14m)」、「御勝山(生野区:14m)」、「茶臼山(天王寺区:26m)」、「昭和山(大正区:33m)」の5つがあります。前記の「天保山」を併せた市内にある6つの山のうち、「昭和山」を除いた5つの山は、「大阪五低山」と呼ばれているそうです。ちなみに大阪冬の陣の真田丸で有名な「真田山」は、「真田山町」という町名はありますが、山名としては表記されていませんでした。

 まずは、上町台地周辺の古墳である4つの山を紹介します。

(周りは市内でも最も高級な住宅地として有名な「帝塚山」)


(山頂が「天下茶屋の聖天さん(海照山正圓寺)」の境内である「聖天山」)


(徳川秀忠が大阪夏の陣の戦勝の宴を催したことからその名がついた「御勝山」)


(天王寺公園内にあり、徳川家康や真田幸村が陣を置いた茶臼山)

 「昭和山」は、貯木場跡地に公園や公共施設等を整備する計画の一環で、大阪万博を控えて急速に進んでいた地下鉄工事の残土により造成された人工の山です。周りは、ツツジが咲き誇る千島公園で、ツツジは大正区の区の花となっています。
 昭和山は確かに他の5つの山よりは高いですが、十分低い山ではあります。また、天保山も江戸時代とは言え、安治川の浚渫工事により出来た人工の山ですので、昭和山も含めて「大阪六低山」と呼んでもいいのではないかと思います。


(千島公園内にあり、ツツジやソテツが植えられている人工の山「昭和山」)

 国土地理院発行の2万5千分の1地形図に山とは記されてはいませんが、市内で最も高い場所としては、花博記念公園鶴見緑地内の「鶴見新山(鶴見区:39m)」があります。この「鶴見新山」は、当時、ゴミ処分地が不足していたため、ゴミと工事残土をサンドイッチ状に重ねて作られた山ですが、今では多くの木が生えており、その形跡は当然ですが感じられません。

(花博記念公園鶴見緑地内にあり、大阪市内最高峰の人工の山「鶴見新山」)

 番外編としまして、「大阪中央体育館(港区:30m)」を紹介します。「大阪中央体育館」は、環境保全と公園敷地の有効利用の目的で、直径110m、高さ30mのメインアリーナをはじめ全施設が地下に設けられ、屋根上部は、起伏と変化に富む緑豊かな公園となっています。これも一つの人工の山と呼んでもいいのではないでしょうか。


(八幡屋公園内にあり、屋根上部が緑豊かな形態の「大阪中央体育館」)

 こうして大阪の山を見てみますと、大自然をめいいっぱい感じることができるというものでもありませんし、眺望という点でも高層ビルには遠く及びませんので、どうしても中途半端な印象です。
 しかしながら、これらの山は市内では貴重な地形の起伏を感じることができる場所であるとともに、いずれも、古墳や戦の陣、人工的な造山といった歴史を感じさせてくれるものでもあります。また、これらの多くは公園の中にありますが、こういった地形であることにより、他の公園とは一味違った変化に富んだ魅力が備わっているものと思います。
 皆さんもぜひ、大阪市内の、プチ登山、プチ縦走に出かけてみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。 


庭園と都市~「大阪大学21世紀懐徳堂」レポート~

2012年09月11日 | その他
 8月24日に開催された大阪大学21世紀懐徳堂講座に参加しました。淀屋橋odona2階「アイ・スポット」で午後6時30分より大阪大学大学院文学研究科の桑木野先生から「庭園と都市:イタリア荘園の歴史から現代日本の都市空間を再考する」というテーマについてお話がありました。懐徳堂講座は依然として人気があり、定員をかなり上回る方が熱心に聴講されました。

(講座の様子)
 
 イタリア庭園史の研究が行われるようになったのは、1970年代の終わり頃と歴史的には比較的新しく、それは主に庭園というものが様々な分野の影響を受けていることや主な対象が土や植物などで変化しやすいことなどにより庭園の歴史研究が非常に困難であったことに起因しているようです。

 古代ローマ以来、イタリアの大庭園の所有者である権力者や大富豪は自分達の富を市民に還元するために庭園を開放しており、庭園は都市の中の緑地として、人々の癒しや創造性を助長する空間としての機能を果たしてきました。哲学者のF.ベーコンは庭園について「全能の神は初めに庭園を造った。それは本当に人間の楽しみの中で最も純粋なものである。それは人間の精神にとって最大の気晴らしであり、これがなければ、建物も宮殿も粗雑な手仕事にすぎない。」と随筆集に残しています。また、一方で、当時のインフラは未整備であり、人口密度は比較的に高いために空気がよどみ、疫病などを引き起こしていました。カステッロ荘庭園などは湿った空気を壁で遮断し、香りのよい植物を植えることで健康回復装置としての役割を果たすといった側面もあったようです。
 
 現在においても、欧米では庭園はもっとも洗練された文化の産物であり、また、文化が生まれる地として引き継がれています。「哲学、文学、創造性を追求するなら庭に出ろ」と言われるほどです。フィレンツェ近郊のカステッロ荘は、現在、クルスカ・アカデミー本部になっていますし、ヴィッラ・ イ・タッティはハーバード大学ルネッサンス研究所になっており、庭園のある環境の恩恵を受けています。
 
 最後に我々の身近にある庭園としてなんばパークスについて目を向けてみますと、設計者は、キャナルシティ福岡やリバーウォーク北九州を手掛けたジョン・ジャーディ氏です。屋上庭面積は11,500㎡、およそ300種、70,000本が植栽されおり、デザイン的にはレベルの高い都市空間を造り出しています。残念ながら日本では、哲学や文学などをはじめ、他の様々な分野において五感を刺激し、創造性をかき立てるような庭園としての空間は非常に限られていると思います。なんばパークスのように訪問者が癒される、貴重な都市空間を大切にしていきたいと思います。