大阪のまちづくりぶろぐ

大阪でまちづくり活動をおこなっているみなさんの情報発信や交流を行うためのブログです。

平成23年度大阪市まちづくり担い手育成講座(第2回)を開催しました

2012年02月29日 | 大阪市まちづくり担い手育成講座
2012年2月26日(日)に平成23年度大阪市まちづくり担い手育成講座(第2回)を開催しました。

会場は今回まち歩きを行う東横堀川のすぐそばにあるマイドームおおさかでした。

(会場の様子)


第2回は、第1回の「地域の魅力・課題を発見する」に続いて、「市民まちづくりの提案を考える」がテーマでした。

はじめに、コーディネーターである近畿大学建築学部の脇田教授から、まち歩きや提案の際には、「子ども・会社員・外来者等といった様々な視点を持つこと」、「川・橋・公園といった起点となる場所から、まち全体に対象を広げること」がポイントであるという説明をしていただきました。

そして、ゲスト講師である東横堀川水辺再生協議会(e-よこ会)まちづくり企画専門幹事の杉本さんから、大阪最古の堀川である東横堀川の歴史や周辺地区の状況について説明を受け、グループに分かれてまち歩きを行いました。

まち歩きでは、

下まで降りると、護岸で川が見えなくなってしまう東横堀公園、


思い思いにペインティングされた巣箱(巣箱づくりプロジェクト)、


地域のお店が管理する橋上のフラワーポット、


国登録有形文化財として登録されている英国調の建物、


世界で初めてとなる逆ランガー桁と呼ばれる珍しい形式で建造された平野橋、


ビルが建ち並ぶ中にある土蔵、


この他にも、現在では阪神高速道路の下になってしまっていますが、江戸時代の公儀橋としての歴史をもつ橋など、歴史のある重厚な橋が多くあること、昭和初期の国登録有形文化財の建物とともに町屋形式の建物・土蔵などもわずかながら残っていることなど、様々な地域資源を発見することができました。
一方で、せっかくの水辺の公園なのに川に接することができないことやオフィスが多くて住民が少ないため、休日はさびしい雰囲気になることなど、まちの課題についても気付くことができました。

今回も、まち歩きを終えた後、グループごとにまちの魅力や課題などを話し合い、まちづくりの提案を行いました。

(グループワークの様子)


今回は、プレゼンテーション手法の修得のために、参加者自身による発表が行われました。短い時間にも関わらず、グループでの活発な議論をしっかりとまとめた発表をされていました。

(提案発表の様子)


ゲスト講師である杉本さんも、参加者のみなさんが発表されるまちに対するイメージやまちづくり提案を熱心に聞いておられました。

参加者のみなさんによる提案発表が終わった後は、杉本さんが東横堀川周辺地区で取り組まれているまちづくり活動についてお話をしていただきました。

(杉本さんによるミニ講演)


杉本さんからは、

まちをきれいにする掃除については、平日の朝に行って、地域に住んでおられる方は出勤前に、地域に働きにこられる方は出勤後に、いっしょに参加できるようにしたこと、

数少ない、古くからまちに住む人たちに数珠つなぎで話を聞いて地域資源のネタを集める「長老ヒアリングキャラバン」を行い、自由参加型イベントの「e-よこ逍遥」でのプログラムにつながったこと、

協議会の組織形態として、部会を再編し、独立採算とすることで参加するプレイヤーが中心になって自由に取り組みが行えるようにしたこと、

といった、地域に住んでおられる方が少なく、オフィスに勤める方が多い地域でのまちづくり活動の取り組み方について、参考になるお話をお聞かせいただきました。

e-よこ会では、このような様々な取り組みを継続して実施されているそうです。

杉本さんのお話のあとは、脇田教授による総括がありました。

(脇田教授による総括)


脇田教授からは、まちづくりの提案を考えるためのワークショップの手法について次の様な解説をしていただきました。

「ディスカッションを進めるにあたっては、今回使用しているポストイットなどを活用して各自が描くという作業を行うことにより、自分の頭の中を整理することができる。また、それを模造紙などに貼ることにより、書いたものが残り、議論の繰り返しが避けられる」

「グループワークの進行役であるファシリテーターやテーブルリーダーは、自分の意見を押し付けるのではなく、メンバーが様々な意見を自由に発言できるように運営する」

「今回のまちづくり担い手育成講座でも発行している『まちづくり便り』のように、参加したメンバーが情報を共有できるものを作成する」

今回の講座では、ワークショップの手法について基本的な進め方を学ぶとともに、そのプロセスを体験し、まちづくりの提案を具体的に行うものでした。今後、参加者の皆さんが、それぞれの地域で実際にまちづくり活動を行っていく際に、参考になるものであったと思います。

第3回講座では、先進的な事例をさらに学ぶとともに、プレゼンテーションの大切さに重点置いて学びます。

なお、第1回講座の様子についてもこのブログでレポートしていますので、是非ご確認ください。

平成23年度大阪市まちづくり担い手育成講座(第1回)を開催しました

平成23年度大阪市まちづくり担い手育成講座(第1回)を開催しました

2012年02月21日 | 大阪市まちづくり担い手育成講座
2012年2月19日(日)に平成23年度大阪市まちづくり担い手育成講座(第1回)を開催しました。

(会場の様子)


会場は田辺地区にある友愛センター北田辺でした。

はじめに、コーディネーターである近畿大学建築学部の脇田教授から、講座の目的についてつぎの説明を受けました。
・市民まちづくりの基本的なスタンスの理解
・大阪市各地の魅力あるまち(づくり)の理解
・まちの魅力、課題の発見


そして、ゲスト講師であるにんやか田邊事務局長の吉村さんから、田辺のまちについて簡単な説明を受けたあと、グループに分かれてまち歩きを行いました。

(まち歩きの様子)


まち歩きは、まちの魅力や課題を発見する視点を身につけることを目的に実施します。
参加者のみなさんは、グループリーダーである近畿大学脇田研究室の学生や他の参加者達とまちの印象について話し合うとともに、気が付いたことをポストイット1枚に1項目ずつ記入しながらまち歩きをおこないました。

田辺地区でのまち歩きでは、

和と洋がミックスされた独特の家屋や大阪市HOPEゾーン事業を活用して修景された家屋、


地域コミュニティーの場となりつつある法楽寺、


法楽寺にある樹齢800年の楠木


地域の伝統野菜である田辺大根、


住吉大社の神馬が育てられていたというエピソードなどといった、多くの地域資源や魅力に気付くことができただけでなく、細く入り組んだ街路が多くて防災面に問題があること、公園などの憩いの場が少ないこと、HOPEゾーン事業により修景された建物が綺麗すぎて周囲と馴染んでいないなどといった課題にも気付くことができました。
また、説明を聞いて初めて気付く魅力もたくさんあり、アピールや発信の方法に問題があるのではないかとった意見も多く聞こえてきました。

まち歩きを終えた後、グループごとに気付いたことを話し合い、まちを活性化するためにはどうすれば良いのかについて、提案づくりを行いました。

提案づくりでは、KJ法という手法により、参加者の意見をまとめました。

(グループワークの様子)


はじめに、参加者それぞれがまち歩き中に気付いたことを書き込んだポストイットの内容を発表し合います。そして、それらを分類しながらまとめていくことにより、グループで地域資源や魅力、課題を整理・共有します。
つぎに、それらの要素をもとにして、参加者それぞれが地域資源や魅力の活用方法、課題の改善方法を考えて発表し、出た意見の中から3つをグループの提案として発表しました。

(提案発表の様子)


ゲスト講師であるにんやか田邊事務局長の吉村さんも、興味深そうに参加者の皆さんによる提案を聞いておられました。

参加者のみなさんによる提案発表が終わった後は、吉村さんが田辺地区で取り組まれているまちづくり活動についてお話をしていただきました。

(吉村さんによるミニ講演)


吉村さんのお話をお伺いして、大阪市HOPEゾーン事業を活用したまちなみづくりだけではなく、地域住民や飲食店などと協力し合いながら、地域の伝統野菜である田辺大根の復活普及に携わっておられるとともに、ホタルを大量に育てている住民と協働した七夕イベントや住吉大社の神馬の伝説をテーマにしたまち歩きイベントを行うなど、地域の人達に自分たちの住むまちを見直し、愛着を感じてもらうために、様々な取り組みをされていることがわかりました。
そして、このようなまちづくり活動を実践するためには、まちの人材と資源を結びつけて発信すること、まちをネタに楽しみ遊ぶ感覚でまちづくりに取り組むことが大切だとおっしゃっていたのが印象的でした。
参加者のみなさんがこれからまちづくり活動を実践されるに際に、大いに参考になるお話だったのではないかと思います。

吉村さんのお話のあとは、脇田教授による総括がありました。

(脇田教授による総括)


脇田教授からは、参加者の皆さんがこの講座で体験したことのねらいや位置付けについて解説していただくとともに、各グループによる田辺地区でのまちづくり提案をつぎのように取りまとめていただきました。
・田辺地区をもっとアピールするためにマップや看板、掲示板などを設置しよう!
・路地の多い北田辺地区で防災訓練や子どもまち遊びをしよう!
・空き家を店舗にしよう!
・難波大道沿いの地域と連携してイベントをしよう!
・お寺を活用してお寺めぐりや楠木をパワースポット化しよう!
・田辺大根を活用してビジネスや品評会、まち中で育てるなどの取り組みをしよう!


今回の講座では、地域の魅力を発見する視点を身につけるとともに、基本的なまちづくりの流れを学びましたが、それだけでなく、まち歩きやグループワーク、吉村さんのお話などを通じて、まちづくり活動とは楽しいものだということもご理解いただけたのではないかと思います。

第2回講座では、水辺のまち東横堀川周辺地区を会場として、水辺を活かしたまちづくりについて学ぶとともに、地域の魅力向上や課題解決に向けた提案づくりに重点置いて学びます。


「大阪人」4月号増刊「ザ・大阪のデザイン」が発売されました

2012年02月17日 | お知らせ
「大阪人」4月号増刊が2月16日(木)に発売されました。
今回の特集は「ザ・大阪のデザイン」です。
訪れる、乗る、包む、描く、切る、食べる――。暮らしを豊かにし、時代を彩ってきたグッドデザインは、どのように生まれたのか。建築からオムライスまで、大阪の「かたち」を特集しています。
お読みいただくと大阪ならではの豊かなデザイン文化があることを再発見できると思います。京阪神の主要書店、大阪市内地下鉄駅売店をはじめ、全国主要書店にて取り扱っていますので、よろしくお願いいたします。


この特集号では様々な大阪の「かたち」が紹介されていますが、「街のかたちグッドデザインの散歩道-大阪に息づく懐かしい“和”の道」として、2012年2月19日(日)開催の第1回大阪市まちづくり担い手育成講座の会場でもある、田辺地区のことが紹介されています。(ゲスト講師であるにんやか田邊の事務局長・吉村さんも写真入りで登場されています)


かつて田邊村といわれていたこの地区では、住吉大社の神馬がお世話されていたことがあり、その神馬が住吉大社まで通っていた道とともに、田辺地区に点在する和洋折衷のデザインが取り入れられた住宅建築も紹介されています。

田辺地区をまち歩きしてみると、建物全体は和風建築なのに、外壁の材料や屋根、窓などに洋風を取り入れた、珍しいデザインの住宅が点在しており、建築好きな私としてはとても興味が惹かれます。また、寺社も多く歴史を感じることができる地区なので、「大阪人」をお読みいただいて田辺地区にご興味を持たれた方は、足を運んでその魅力に直接ふれてみてください。

なお、まち歩きの際は「大阪あそ歩」のまち歩きマップを参考にしても楽しいと思います。(マップは下記のホームページからダウンロード出来ます)

大阪あそ歩 街道と歴史が織りなす田辺郷~模擬原爆投下跡から田辺大根の故郷まで~


(大阪あそ歩のまち歩きマップ)


本日、大阪市都市工学情報センターでは、「大阪人」の休刊についてプレスリリースを行いました。大正14年に「大大阪」として創刊されて以降、戦争による休刊があったものの、長い間にわたり、大阪から、大阪の文化・歴史さらには市政情報を広く発信してきた雑誌だけに残念です。

なお、5月号と5月号増刊の2冊は新たに発行されます。また、バックナンバーについては、当財団で引き続き当財団にて販売いたしますので、よろしくお願いいたします。

バックナンバーなどの情報は下記のホームページをご覧ください。

「大阪人」のホームページ

御堂筋Talkin’About inアイ・スポット「大阪の観光魅力」の御案内

2012年02月14日 | 御堂筋Talkin'About
2012年2月20日(月)に、御堂筋odonaの2階にあるまちづくりの情報発信施設「アイ・スポット」において、御堂筋Talkin’About inアイ・スポット「大阪の観光魅力」が開催されます。


御堂筋Talkin’Aboutとは、あるテーマについて興味・関心を持った人たちが集まり語り合う“サロン”です。

今回のテーマは「大阪の観光魅力」です。

新大阪市長も明言するように、国際観光振興が大阪の大きな課題です。とはいえ、京都、奈良と肩を並べるだけの観光ポテンシャルが大阪にはあるのでしょうか?
海外からのツーリストから見た大阪の魅力や大阪に対するイメージとはどのようなものなのか、 話題提供者である通訳ガイドの方からお話をお伺いすることで、大阪ならではの観光魅力を発見できる機会になると思います。

この場での交流がきっかけとなって、新しいネットワークやアイディアが生まれるかもしれません。ご興味のある方は是非アイ・スポットに足を運んで下さい。

概要は下記の通りです。

日 時:2012年2月20日(月)午後7時~午後9時

会 場:アイ・スポット(大阪市中央区今橋4-1-1 淀屋橋odona 2階)
    ↓場所は下記をご覧ください。
    http://www.city.osaka.lg.jp/keikakuchosei/page/0000018184.html

話題提供:平須賀 玲子・上田 真由美(英語通訳案内士)
ナビゲーター:小林 卓司(ランテック計画事務所)
生駒 伸夫(生駒時計店)
小川 清(平岡珈琲店)
山納 洋(大阪ガス)

参加費は無料です。事前に申し込みの必要はありませんが、定員は30名です。(先着順)受付は当日の午後6時30分からになります。

まちづくり担い手育成講座の受講者募集の締め切りが迫っています!

2012年02月10日 | 大阪市まちづくり担い手育成講座
先日より開催の告知をさせていただいている「大阪市まちづくり担い手育成講座」の受講者募集について、締め切り日(2012年2月13日)が迫っています。


平成19年度より毎年開催されているこの講座は、わかりやすくまちづくりの手法を学ぶことができるとともに、受講生同士を含めたまちづくりに興味をお持ちのみなさまによる、まちづくり活動の“輪を広げる交流の場”としても好評を得ています。

今回の『大阪市まちづくり担い手育成講座』は3回連続の講座を通じて、まちづくりの担い手となるために必要な知識を身につけます。講座の開催日程など、詳細については、先日ご案内しました「大阪市まちづくり担い手育成講座」の記事をご確認ください。

当初は2月3日(金)を受講申し込みの締め切り日としていましたが、定員に若干の余裕があったため、現在は受講生の追加募集を行っています。

募集の締め切りは2月13日(月)の17時迄になります。

今回の締め切りで最終になりますので、ご興味をお持ちの方は、この機会に是非ともお申込みください。申込方法等の詳細については、大阪市まちづくり担い手育成講座のホームページをご確認ください。(ホームページからも申込みできます)

現在、大阪市都市工学情報センターと講座のお手伝いをしてくれる近畿大学では、講座の開催に向けて準備を進めており、先日、第1回の会場となる田辺地区を視察しました。

大阪市と地域が協力して、地域の特色を活かしたまちなみづくりを進めるHOPEゾーン事業を活用して修景された建物や寺社、記念碑や堀の跡など、積み重ねてきた歴史を感じる楽しいまちでした。

(HOPEゾーン事業を活用して修景された建物)

(前方後円墳という説もある山坂神社)


講座では、まち歩きを体験するほか、田辺地区で活発なまちづくり活動を実践されている「にんやか田邊」事務局長の吉村さんをゲスト講師にお迎えし、まちの魅力について教えていただくとともに、地域資源を活かし、その魅力を発信していくまちづくり活動について、ご自身の取り組みをご紹介していただきます。

まちづくりに関する実践的なお話を聞くことができる貴重な機会になると思いますので、多くの方にご参加いただければ幸いです。講座へのお申し込みをお待ちしています。