今回から2回にわたり、大阪市淀川区でまちづくり活動をされている「西中島まちづくり委員会」の取り組みを紹介します。
1回目の今回は主に放置自転車対策の取り組みについて紹介します。放置自転車対策は多くの地域が抱えている課題であるとともに、完全に解消することが難しい課題です。行政や事業者などを巻き込みながら、粘り強く対策を実施している西中島まちづくり委員会の取り組みは、まちづくりをされている多くの方の参考になると思います。
(西中島まちづくり委員会の活動範囲)
西中島まちづくり委員会は、平成17年9月から地区の環境改善に取り組んできた「新大阪駅・西中島・町づくり実行委員会」を母体に設立され、平成18年10月より大阪市のまちづくり活動支援制度の認定団体として活動しているまちづくり団体です。
西中島地区では、放置自転車や風俗店の看板などによる環境や景観についての課題を抱えており、町会ごとに要望書の提出を行うなどの活動を行っておられましたが、なかなか改善されない状況が続いていました。
そのような中、地区で一体になって取り組むことが必要だと感じ、新大阪駅・西中島・町づくり実行委員会を設立されたそうです。
その後、市議会議員からの紹介により大阪市にまちづくり活動支援制度があることを知り、西中島まちづくり委員会を設立し、まちづくり活動支援制度の認定団体として活動することになったそうです。
活動当初より力を入れて取り組んでおられるのは、放置自転車対策です。
西中島地区では、新大阪駅前に山積みになっていた放置自転車と西中島南方駅前における放置自転車が大きな問題となっていました。
まず、新大阪駅前の放置自転車対策についてですが、問題の広場は、大阪市とJRの土地が入り組んだ状態となっており、権利関係の問題から放置自転車の処分が進まず、山積みになっていたそうです。
(新大阪駅前の放置自転車の状況)
新大阪駅は新幹線の停車駅であり、その駅前は大阪の玄関口となる場所です。そのような場所に放置自転車が山積みとなっている状態は大問題であるということで、3年くらいかけて大阪市とJRに働きかけて土地の交換をしてもらい、権利関係を整理した上で、放置自転車の処理をしてもらったそうです。今でも放置自転車はなくならないそうですが、それでもかなりすっきりとした駅前になったそうです。
新大阪駅前での行政と交通事業者との連携をきっかけとして、平成20年10月に新大阪・西中島駅前自転車対策連絡協議会を立ち上げられました。区役所、建設局、消防署、警察の他にもJR西日本、交通局、阪急電鉄が参加し、官民で協力して放置自転車対策に取り組んでおられます。現在も月に2回の会合を設けて、連携して対策を実施しておれられるそうです。
さらに、西中島まちづくり委員会としても平成20年にサイクルサポーター制度に認定され、月に1回ボランティアサイクルサポーターとして啓発活動を行っておられます。
(サイクルサポーターによる活動の様子)
西中島南方駅前での放置自転車対策については、ボランティアでのサイクルサポーター活動に加えて、平成21年4月から建設局より有償のサイクルサポーターを4名派遣してもらい(平日の7時~10時半)、駐輪場への駐輪を促す等の啓発活動を行っておられるそうです。
(放置自転車対策実施前の西中島南方駅前の状況)
サイクルサポーターによる啓発活動は、駐輪場の利用件数増加など一定の効果が見られるそうですが、別の場所に自転車が置かれたり、駐輪場へ止めるように呼びかけても、「何処に駐輪したらいいのかわからない」と対応してくれない人もいたりするそうです。
このため、駐輪場の管理会社に1時間無料化を働きかけて実現するとともに、駅の入口と駐輪場を横断歩道で直接つないでもらうように行政に呼びかけるなど、駐輪場を利用しやすい環境づくりにも取り組んでおられます。(横断歩道の設置は建設局の歩道拡幅工事に合わせて平成23年度に実施予定とのことです)
それでも、サイクルサポーターのいない時間帯については、自転車を放置する人がいるため、建設局に働きかけて、放置自転車の撤去を月2回から月3回に増やしてもらうとともに、これまでは撤去がなかった土曜日の撤去を実現するなど次々と対策を実施しておられます。撤去の実施時間や実施曜日が一定とならないようにしてもらうことで、自転車を放置しにくい環境づくりに取り組んでおられます。
(放置自転車対策実施後の西中島南方駅前の状況)
それでも、放置自転車を完全になくすことは出来ていないそうです。このため、歩道上に機械式駐輪機を設けてみてはどうかと、設置事例(阪神電鉄 尼崎駅前、阪急電鉄 塚口駅前)の視察を行うなどの勉強もされています。
放置自転車対策の実施にあたっては、事業所を含めた地域の人たちにアンケートを実施し、放置自転車に対する問題意識を確認するなど、地域内の多くの人に理解を得られやすいかたちで対策を進めることを心掛けておられます。(営業上の問題から少しくらいの放置自転車は仕方ないと考えているお店の人もいるそうです)
このため、駐輪場の1時間無料を事業所の人達にもアピールすることで、放置自転車対策を進めるとともに、事業所の人達ともコミュニケーションをとり、一緒にまちづくり活動が出来るような関係づくりを進めたいと考えておられるそうです。
西中島まちづくり委員会では、効果を検証しながら次々に対策を実施することで少しずつでも状況が改善するよう、粘り強く放置自転車対策に取り組んでおられます。また、行政や事業者を巻き込んで活動をすることで、まちづくり団体単独では実施が難しい対策も可能になり、有償のサイクルサポーター派遣や駐輪場の1時間無料化など放置自転車を減少させるために効果のある対策を実施することが出来ています。
あきらめずに周囲を巻き込みながら活動を進めて行くことが、問題解決につながって行くものだと思います。
西中島まちづくり委員会では、放置自転車対策以外にもまちを良くするために様々な取り組みをされています。3月1日(火)に更新予定の記事にて、引き続き西中島まちづくり委員会の取り組みを紹介いたします。
1回目の今回は主に放置自転車対策の取り組みについて紹介します。放置自転車対策は多くの地域が抱えている課題であるとともに、完全に解消することが難しい課題です。行政や事業者などを巻き込みながら、粘り強く対策を実施している西中島まちづくり委員会の取り組みは、まちづくりをされている多くの方の参考になると思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/32/2504c69af0d614d54352f1b7717c476e.jpg)
(西中島まちづくり委員会の活動範囲)
西中島まちづくり委員会は、平成17年9月から地区の環境改善に取り組んできた「新大阪駅・西中島・町づくり実行委員会」を母体に設立され、平成18年10月より大阪市のまちづくり活動支援制度の認定団体として活動しているまちづくり団体です。
西中島地区では、放置自転車や風俗店の看板などによる環境や景観についての課題を抱えており、町会ごとに要望書の提出を行うなどの活動を行っておられましたが、なかなか改善されない状況が続いていました。
そのような中、地区で一体になって取り組むことが必要だと感じ、新大阪駅・西中島・町づくり実行委員会を設立されたそうです。
その後、市議会議員からの紹介により大阪市にまちづくり活動支援制度があることを知り、西中島まちづくり委員会を設立し、まちづくり活動支援制度の認定団体として活動することになったそうです。
活動当初より力を入れて取り組んでおられるのは、放置自転車対策です。
西中島地区では、新大阪駅前に山積みになっていた放置自転車と西中島南方駅前における放置自転車が大きな問題となっていました。
まず、新大阪駅前の放置自転車対策についてですが、問題の広場は、大阪市とJRの土地が入り組んだ状態となっており、権利関係の問題から放置自転車の処分が進まず、山積みになっていたそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/6f/32a66f116d13edfc34cc7d5fa9ea5db6.jpg)
(新大阪駅前の放置自転車の状況)
新大阪駅は新幹線の停車駅であり、その駅前は大阪の玄関口となる場所です。そのような場所に放置自転車が山積みとなっている状態は大問題であるということで、3年くらいかけて大阪市とJRに働きかけて土地の交換をしてもらい、権利関係を整理した上で、放置自転車の処理をしてもらったそうです。今でも放置自転車はなくならないそうですが、それでもかなりすっきりとした駅前になったそうです。
新大阪駅前での行政と交通事業者との連携をきっかけとして、平成20年10月に新大阪・西中島駅前自転車対策連絡協議会を立ち上げられました。区役所、建設局、消防署、警察の他にもJR西日本、交通局、阪急電鉄が参加し、官民で協力して放置自転車対策に取り組んでおられます。現在も月に2回の会合を設けて、連携して対策を実施しておれられるそうです。
さらに、西中島まちづくり委員会としても平成20年にサイクルサポーター制度に認定され、月に1回ボランティアサイクルサポーターとして啓発活動を行っておられます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/8c/012908c2c20213646ef04e40497c371f.jpg)
(サイクルサポーターによる活動の様子)
西中島南方駅前での放置自転車対策については、ボランティアでのサイクルサポーター活動に加えて、平成21年4月から建設局より有償のサイクルサポーターを4名派遣してもらい(平日の7時~10時半)、駐輪場への駐輪を促す等の啓発活動を行っておられるそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/1d/74401a81e37f93cb5218d3323c296a32.jpg)
(放置自転車対策実施前の西中島南方駅前の状況)
サイクルサポーターによる啓発活動は、駐輪場の利用件数増加など一定の効果が見られるそうですが、別の場所に自転車が置かれたり、駐輪場へ止めるように呼びかけても、「何処に駐輪したらいいのかわからない」と対応してくれない人もいたりするそうです。
このため、駐輪場の管理会社に1時間無料化を働きかけて実現するとともに、駅の入口と駐輪場を横断歩道で直接つないでもらうように行政に呼びかけるなど、駐輪場を利用しやすい環境づくりにも取り組んでおられます。(横断歩道の設置は建設局の歩道拡幅工事に合わせて平成23年度に実施予定とのことです)
それでも、サイクルサポーターのいない時間帯については、自転車を放置する人がいるため、建設局に働きかけて、放置自転車の撤去を月2回から月3回に増やしてもらうとともに、これまでは撤去がなかった土曜日の撤去を実現するなど次々と対策を実施しておられます。撤去の実施時間や実施曜日が一定とならないようにしてもらうことで、自転車を放置しにくい環境づくりに取り組んでおられます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/2a/4a63019a6ffa962a236c6f64c1563b16.jpg)
(放置自転車対策実施後の西中島南方駅前の状況)
それでも、放置自転車を完全になくすことは出来ていないそうです。このため、歩道上に機械式駐輪機を設けてみてはどうかと、設置事例(阪神電鉄 尼崎駅前、阪急電鉄 塚口駅前)の視察を行うなどの勉強もされています。
放置自転車対策の実施にあたっては、事業所を含めた地域の人たちにアンケートを実施し、放置自転車に対する問題意識を確認するなど、地域内の多くの人に理解を得られやすいかたちで対策を進めることを心掛けておられます。(営業上の問題から少しくらいの放置自転車は仕方ないと考えているお店の人もいるそうです)
このため、駐輪場の1時間無料を事業所の人達にもアピールすることで、放置自転車対策を進めるとともに、事業所の人達ともコミュニケーションをとり、一緒にまちづくり活動が出来るような関係づくりを進めたいと考えておられるそうです。
西中島まちづくり委員会では、効果を検証しながら次々に対策を実施することで少しずつでも状況が改善するよう、粘り強く放置自転車対策に取り組んでおられます。また、行政や事業者を巻き込んで活動をすることで、まちづくり団体単独では実施が難しい対策も可能になり、有償のサイクルサポーター派遣や駐輪場の1時間無料化など放置自転車を減少させるために効果のある対策を実施することが出来ています。
あきらめずに周囲を巻き込みながら活動を進めて行くことが、問題解決につながって行くものだと思います。
西中島まちづくり委員会では、放置自転車対策以外にもまちを良くするために様々な取り組みをされています。3月1日(火)に更新予定の記事にて、引き続き西中島まちづくり委員会の取り組みを紹介いたします。