大阪のまちづくりぶろぐ

大阪でまちづくり活動をおこなっているみなさんの情報発信や交流を行うためのブログです。

都会のオアシス~OCAT屋上ガーデンを訪ねました!~

2012年07月27日 | その他
 今回は浪速区の湊町にある大阪シティエアターミナル(OCAT)の屋上ガーデンを訪ねました。OCATは、大阪ミナミの新都市拠点開発事業「ルネッサなんば」の湊町地区再開発における中核施設として、1996年に開業しました。ご存知のように関西国際空港や全国の主要都市を結ぶ都市間高速バスターミナルや商業施設などがある複合機能ビルです。開業当時は屋上には庭園はなく、後から人を少しでも呼び込もうと集客の目的で3,300㎡もの広さのある屋上ガーデンが整備されたそうです。エレベーターで6階の受付に行くと壁に掛かっている「緑の都市賞 - 緑の街づくり・施設緑化部門」での建設大臣賞の賞状が目に入りました。

(賞状「建設大臣賞」)
 扉を開けて、庭にはいると屋根がある20人くらいが座れるオープンデッキがあり、遅めのランチを楽しんでいる人もいました。屋上のせいか、この季節にしては涼しい風が吹き、天井からは有線のクラシックが流れ、目前には鮮やかな緑が輝いています。心癒されるすばらしい空間です。

(オープンデッキ)
 デッキのすぐ前には大きなミモザの木がたくましく成長しています。屋上ですから重さの関係で土の量が制限されていて一番深い所で70㎝くらいだそうですが、ここまで大きくなるとは驚きです。手前の方には涼しげな風知草と五色ドクダミが育っていて、葉の質感や色がおもしろいアクセントとなっていました。

(ミモザ)

(風知草と五色ドクダミ(赤))

 デッキを離れて奥に進むとたいへん手入れの行き届いた芝生広場があります。直線的ではなくカーブを描いているので人工的な堅苦しさがやわらいでナチュラルな感じがします。小鳥も遊びに来ていました。

(芝生広場)

(芝生を歩く小鳥)
 芝生広場の縁に植えられているアーモンドの木を見つけました。梅によく似た実がなっていました。振り返ると高層ビルが見え、ここは屋上ガーデンであることを気付かされます。

(アーモンドの木)

(芝生広場からの高層ビルの眺め)
 さらに進むと多目的広場があります。オープンスペースとなっていて、西の方には京セラドームやクロスタワー大阪ベイ、ORC200などの建物が見えます。

(多目的広場からの眺め)
 広場を右に旋回して東側を戻るように歩くと、イギリスのユニオンジャックをモチーフにした整形ガーデンがあります。ベンチの上から眺めるとそれとなくユニオンジャックがモチーフになっていることが感じ取れます。ここにはハーブ類が多く植栽されていました。

(整形ガーデン)

(ハーブ(ローズマリー))
 整形ガーデンを通り過ぎると清涼感のあるブルーの花が満開の西洋ニンジンボクが迎えてくれます。出発地点のオープンデッキはすぐそこです。

(西洋ニンジンボク)

 今回たずねてみて感心したことは、屋上に庭をつくる時は、設計段階で荷重や給排水などを十分考慮する必要があるそうですが、ビルが完成した後にあとづけで造った庭とは思えないほど緑が豊かであることです。しかも、入園料が無料でゆったりと心和めるスペースは都会のオアシスと呼ぶにふさわしい感じがします。5月には4,400人、6月には3,900人がOCAT屋上ガーデンを訪れたそうです。
(開園期間:4月1日~10月31日 開園時間:午前11:30-午後4:30 入園は午後4:00迄)


大阪の夏、大阪城も盛り上がります。-城(しろ)バル~谷町の陣~が開催されます!-

2012年07月24日 | イベント
 大阪城とその周辺を盛り上げる「大阪城サマーフェスティバル2012」が今夏で8回目を迎えます。
 今週末の7月27日(金)から29日(日)までの3日間、大阪城西側の谷町エリアでは、同イベントに関連して、「城(しろ)バル~谷町の陣~」が開催されます。

(城バルのチラシ)

 前売り3,000円(当日3,500円)で5枚綴りのバルチケットを購入したら、マップを片手にお店をはしごするもよし、チケット2枚でアクアライナーに乗船して八軒家浜からクルージングするもよし、いろいろな楽しみかたがあります。
 その他にも、4エリアから1店舗、合計4店舗以上回ると、抽選で素敵な景品が当たるバルラリーも開催されます。残念ながらハズレた方にもなんと!あぶらとり紙がプレゼントされるそうですよ。
 
 大阪城といえば、豊臣秀吉が築城したお城であり、豪華絢爛な天守閣、石垣や堀の堅牢さ等々であまりにも有名ですが、最近でしたら作家・万城目 学氏の人気小説で映画化もされた『プリンセストヨトミ』の舞台になったということも記憶に新しいのではないでしょうか。
 「大阪のまちづくりぶろぐ」では、過去(※)にもこのエリアを取り上げたとおり、普段は観光をはじめ、昼間に来訪する機会が多い大阪城とその周辺エリアですが、夕暮れとともに始まる、普段の喧騒とはまた一味違ったこのバルイベントに参加されてみてはいかがでしょうか。
 
※過去のブログ記事


◎城バルの概要
開催期間
平成24年7月27日(金)~7月29日(日)

開催時間
27日(金)       17:00~深夜
28日(土)・29日(日) 11:00~深夜

ホームページ
 

大阪の夏、打ち水の夏~各地で打ち水が実施されます~

2012年07月20日 | イベント
 前回のブログでお伝えした通り、今週末に梅田で打ち水が実施されますが、このような打ち水イベントは大阪だけでなく、全国的な取り組みとなっています。
 7月22日(大暑)~8月23日(処暑)を中心に、「打ち水大作戦」と銘打ち、全国各地で打ち水が実施されます。ヒートアイランド現象の抑制効果を検証するために2003年にスタートした「打ち水大作戦」は今年で10回目を迎え、600万人規模の取り組みとなっているようです。また、打ち水は環境意識の啓発や地域コミュニティ再生などの効果をもたらす呼び水として注目されてます。
 詳しくは「打ち水大作戦」HPをご覧ください。
 http://uchimizu.jp/
 大阪でもさまざまな所で打ち水がおこなわれますので、今年の予定をいくつか挙げてみます。

○「大阪打ち水大作戦」打ち初め式
日にち:7月20日(金)[雨天の場合は、7月23日(月)に延期] 
時 間:16時~17時15分
場 所:大阪市役所本庁舎正面玄関前及びみおつくしプロムナード
参考HP:


○梅田打ち水大作戦 ~梅田ゆかた祭~
日にち:7月21日(土)・22日(日)[天候不順の場合、中止]
時 間:16時~17時(両日とも)
場 所:大阪ステーションシティ南ゲート広場前
     N chayamachi 東側
     梅田DTタワー東側
参考HP:


○打ち水セレモニー ~なんばエコプロジェクト2012~
日にち:7月27日(金)[雨天時は7月30日(月)の同時刻に順延]
時 間:11時~
場 所:南海・難波駅北側広場(難波グリーンガーデン)他
参考HP:


○いっせい打ち水 ~西梅田打ち水プロジェクト2012~
日にち:8月2日(木)[荒天の場合は8/3に順延]
時 間:18時~
場 所:ブリーゼタワー北側、ハービスPLAZA南側周辺
     (ブリーゼタワーとハービスPLAZAを挟んだ道路両脇)
参考HP:


 これらの打ち水に前後して関連するイベントが数多く実施されます。詳しくはそれぞれのHPなどでご確認ください。また、これら以外にも自宅や職場の近所でも実施されるかもしれません。
 大阪の暑い夏を乗り切るイベントのひとつとして、打ち水に参加し、一時の涼をとってみてはいかがでしょうか?

大阪の夏、祭りの夏~梅田ゆかた祭が開催されます!~

2012年07月17日 | イベント
 夏は祭りの季節です。京都・祇園祭の宵山・山鉾巡行が記憶に新しいところですが、大阪でも各所で祭りが催されており、恒例の天神祭は7月24日(火)・25日(水)(船渡御、奉納花火は25日)、住吉祭は7月30(月)・31(火)、8月1日(水)(神輿渡御は8月1日)と最盛期を迎えます。

 さて、今回は梅田で初めての試みとなる「梅田ゆかた祭」を紹介したいと思います。
 今週末7月21日(土)・22日(日)の両日に開催されるこの祭りは、日本が世界に誇る文化である“ゆかた”と、日本の昔からの風習である“打ち水”をテーマとしたイベントです。

(チラシの画像)

○梅田打ち水大作戦
 JR大阪駅ホーム上のドーム屋根に降った雨水等を再処理した中水を利用し、開催2日間で1,000人の参加をめざした、その名も“梅田打ち水大作戦”を実施します。
 近年では都市部のヒートアイランド対策や節電が呼び掛けられるこの季節にぴったりの“打ち水”で、梅田の暑い夏を涼しく過ごしやすくする効果を体感しましょう。

○ゆかたイベント
 茶屋町、大阪ステーションシティ、うめいちの3つの特設会場では、うちわ作りをはじめとするワークショップや、ゆかた姿の出演者による音楽や書道の観賞会などが開催されます。各特設会場にはドリンクコーナーが用意され、ゆかたでお出かけの方にはソフトドリンクのプレゼントやアルコールが半額になるサービスもあるとのこと。ゆかたでのお出かけが不安…という方には着付けや着くずれ直しのサービスを行っているスポットもありますので安心してお出かけできます。
 これ以外にも、3会場のスタンプを集めると小粋なプレゼントが当たる“スタンプラリー”や、協賛店にゆかたで入店するとそれぞれステキな特典が受けられる“ゆかたdeおとく”など、心躍るイベントが実施されます。


 イベント1日目(7月21日)は、露天神社(お初天神)夏祭の本宮にあたり、役太鼓・舞獅子・お囃子・傘踊りの巡行が梅田の各所で見られますので、お祭り気分が盛り上がり、ゆかたのおでかけにはぴったりです。
 普段はお仕事やお買い物などで立ち寄る方の多い梅田ですが、このイベントを通して、いつもとはまた違った梅田の魅力を発見してみてださい。


◎梅田ゆかた祭の概要
  開催日
   2012年7月21日(土)・22日(日)
 
  実施コンテンツ
   ○梅田打ち水大作戦
    ・開催時間:16時~17時(両日)
    ・開催場所:大阪ステーションシティ南ゲート広場前
           N chayamachi 東側
           梅田DTタワー東側

   ○ゆかたイベント
    ・参加施設:梅田地区の各商業施設
    ・開催時間:各施設、各店舗により異なる
    ・特設会場:茶屋町会場(N chayamachi)
           大阪ステーションシティ会場(時空の広場・南ゲート広場)
           うめいち会場(ディアモール大阪ファッショナブルストリート)
           ※特設会場の開催時間:11時~18時(両日)

  ホームページ
   http://umeda-connect.jp/special/vol07/index.html

大阪城公園内の近代建築~都市景観資源その4~

2012年07月13日 | 都市景観資源
 現在の大阪城天守閣は、みなさんもご存じのように、江戸時代に焼失した後ずっと不在であったものを、昭和6年に市民の寄付によって再建されたものです。これもまた、立派な近代建築のひとつと呼べるものですが、この天守閣がある大阪城公園の中には、いわゆる西欧風の様式の近代建築がたくさん残っています。

(大阪城天守閣-建築年:1931(昭和6)年-)

 天守閣のすぐ南側には、「もと市立博物館」が建っていますが、この建物は、天守閣と同時に、同じく寄付によって建設された旧第四師団司令部庁舎です。
天守閣のすぐ横であるにもかかわらず、ヨーロッパの古城を模したデザインとなっており、和洋の城が隣り合うという面白い景観がみられます。

(もと市立博物館-建築年:1931(昭和6)年-)
 戦災を免れ、大阪市警視庁本部、大阪府警察本部の庁舎として使用されたのち、大阪市立博物館として1960年に開館、2001年に閉館しました。
 大阪城天守閣のすぐ横というロケーションも抜群で、貴重な近代遺産ですので、再活用されることが期待されます。

(もと市立博物館 正面)
 また、もと市立博物館と同じように軍事施設として建設されて、戦災を免れ、今は木々に隠れながらひっそりと建っている建物があります。
それは、三の丸地区、京橋口の近くにある「旧大阪砲兵工廠化学分析場」です。
 この建物も、「もと市立博物館」と同様に再活用が検討されているようです。天満橋駅からも近く、土佐堀通からすぐ入ったところという、非常に交通アクセスもいいところですので、建物の特徴が活かされた華麗なる復活を期待したいところです。

(大阪橋の橋上からみる 旧大阪砲兵工廠化学分析場-建築年:1919(大正8)年-) 

(公園内からみる 旧大阪砲兵工廠化学分析場)

(旧便所 これも併せて活用?)
 大阪城周辺は、ほかにも、東洋一の規模を誇る軍需工場の大阪砲兵工廠の諸施設が建ち並んでいましたが、そのほかの建物は現在は残っていません。
 大阪砲兵工廠は、鋳造・金属加工分野では当時の日本においては最先端の技術水準を持っており、ここで、日本で最初に製造された鋳鉄管が、大阪市の最初の水道管に使用されました。
 天守閣のすぐ西側の内濠に架かっている水道管は、天守閣のすぐ東側の大手前配水池とつながる配水管で、現在も使用されています。

(内濠に架かる配水管)
 大手前配水池は、明治28年、市内で初めて水道が創設された時に建設されたもので、当時は桜の宮水源地で取水された水を、いったんこの市内で最も高い場所であるこの地に上げて、自然流化により市域へ給水していました。

(天守閣のすぐ東側の大手前配水池)
 この写真では分かりにくいですが、天守閣の上から東側を見下ろせば、広大な芝生が広がる配水池が見えるそうです。私は、これまで、何度も天守閣に登っていますが、恥ずかしながら一度も意識したことはありませんでした。今度登った時には、きちんと見てみようと思います。

 また、そのほかにも、大阪市で初めて設置された加圧ポンプ場である大手前配水場が、大手門の近く、これも近代建築ですが大阪府庁本館のすぐ前あたりにあります。
 当初は、市内でも高い地区である上町台地の区域に水を供給するために設置され、その後も時代に応じて様々な役割を担いながら、現在に至るまで使用されています。そして、その建屋が近代建築として、立派に残っています。単なる機械室とは思えない装飾がていねいに施されています。

(大手前配水場-建築年:1931年(昭和6)年-)

(当時の名称「高地区配水喞筒場」)

 最後に、じっくりと見られることは、ほとんどないと思われますが、西の丸庭園の南側で、現在公園の管理事務所として使われている敷地の入口に、煉瓦の門柱と塀が残っています。ちなみにこの敷地は、以前、大阪陸軍刑務所が建っていたそうです。

(もと大阪陸軍刑務所の門柱と塀)
 
 こうして一つずつ見て行きますと、大阪城公園の中に、こんなにもたくさんの近代建築が残っていたのかと驚かされました。現在も都市インフラ施設として、現役でバリバリ活躍しているものから、今後の再活用を期待されながら、今はひっそりとその出番を待っているものまで、様々な建物があります。
 大阪城公園を訪れる際には、天守閣などの定番施設に加えて、ぜひこれらの近代建築を見に行かれてはいかがでしょうか。城と公園だけにとどまらない、奥が深い大阪城公園の魅力を発見できると思います。

○今回紹介した都市景観資源
  ・大阪城天守閣
  ・大阪城公園
  ・もと大阪市立博物館

 所在地
  大阪市中央区大阪城
 地 図
(※)都市景観資源について
大阪市では景観的に優れた、新しい建物や歴史的建造物、橋や樹木等を「都市景観資源」として登録しており、現在、162件が登録されています。「大阪のまちづくりぶろぐ」では「都市景観資源」を取り上げ、大阪の魅力を紹介していきます。詳しくはHPをご覧ください。