大阪のまちづくりぶろぐ

大阪でまちづくり活動をおこなっているみなさんの情報発信や交流を行うためのブログです。

第1回まちづくり活動発表・交流会

2011年01月11日 | まちづくり活動発表・交流会
2010年12月18日(土)に行われた第1回まちづくり活動発表・交流会に参加しました。


まちづくり活動発表・交流会とは、以前に紹介した大阪市まちづくり活動支援制度により、大阪市の支援を受けて活動中のまちづくり団体が、支援を受けて策定したまちづくり構想や取り組み内容を発表するとともに、参加者同士が交流することで、まちづくり活動の魅力について考え、まちづくりの気運を盛り上げるとともに、明日からのまちづくりに役立つ情報をお互いに交換する場です。

活動発表では、今年度に支援期間が終了した
・弘治地域まちづくり研究会(西成区)
・高津地区まちづくり推進協議会(中央区)
今年度にまちづくり推進団体として認定された
・喜連環濠地区まちづくり研究会(平野区)
・南堀江公園通り及び高台地区のまちづくりの会(西区)
前身団体がまちづくり推進団体とし大阪市の支援制度を活用していた
・野田まち物語(福島区)
の5団体が発表を行いました。各団体とも発表時間が足りないくらい熱心な発表をされていて、各団体の地域を良くしたいという想いが伝わってきました。

各団体の発表の後には、今回の活動発表・交流会のコメンテーターである近畿大学総合社会学部の久教授による講評がありました。
・高津地区が掲げている“高津ルネッサンス”のような「まちづくりのキャッチフレーズ」があるとよい。
・まちづくり活動を行う機会に恵まれない若い人たちのために月1回のまちづくり井戸端会議を開催する等「若い人がまちづくりに入っていける環境」をつくるとよい。
・みんなでコミュニケーションできる場所が欲しいと路地空間にベンチを設置した野田まち物語の“野田ナイス祭”や他所の例ではあるが、歩行者天国に畳2枚の憩いのスペースを設けたことから始まった北海道美幌町のふれあいコンビニ“ば・じ・る”のように「ちょっとしたきっかけで人が集まり、コミュニケーションが生まれる」ので、難しく考えすぎないで、まずは取り組んでみることも大切である。
といった、みなさんの活動に取り入れることにより、まちづくり活動を盛り上げることが出来るアドバイスをいただくことが出来ました。

発表会の後は、傍聴者の方も含めた参加者のみなさんで交流会を行いました。


活動での苦労や課題が話題に上ると、参加者のみなさんが自身の活動を例に情報提供をされるなど、活発な話し合いが行われていました。まちづくり団体同士の交流のきっかけにもなったようで、連絡先を交換されている様子も見られました。

最後に、久先生から総括としてコメントを頂きました。


・まちづくりをするには、どんな資源があり、どんな人がいるのかを知るとともに、それらをどんなふうにつないで行けば良いか考えることが大切。
・将来のまちづくり像は様々だが、歴史は一つである。みんなの認識が同じところからだとまちづくりを始めやすいので、歴史はまちづくりのテーマにしやすい。
・19世紀(中世)、昭和30年代(高度経済成長期)、現在の3つの地図を見るとまちの変化が良くわかり、歴史を知ることが出来る。
・活動資金は補助や企業に頼らず、自分たちで出し合うことで、活動のモチベーションにつながる。他所の例だが、豊中市永楽荘桜自治会では、補助金に頼らず住民が協力して資金を積み立て、自分たちの資金で集会場を建設したことにより、自分たちの地域を自分たちで良くしたいという気運が盛り上がった。
・まちづくり構想は、まちの大切にしたいこと、まちづくりの方向性を理解するためのツール=まちの憲法である。まちづくり構想をまとめて、大事に受け継いで欲しい。
ここでも、みなさんの活動に取り入れることで、まちづくり活動を盛り上げることが出来るようなアドバイスを聞くことが出来ました。

まちづくり推進団体の活動発表も参考になるものが多かったのですが、交流会で傍聴者の方も含めた情報交換を行うことにより、身近にまちづくりの楽しさや苦労に触れることが出来たこと、参加者同士で苦労や課題の解決に向けたアイディア交換をするなど活発な議論を行うことが出来たことは、参加者のみなさんにとっても貴重な体験になったとともにまちづくり団体同士の交流のきっかけになったと思います。

第2回まちづくり活動発表・交流会は2011年2月19日(土)13時30分~16時30分に開催予定です。場所は大阪市立難波市民学習センターの講堂(大阪市浪速区湊町1-4-1 OCATビル4階)です。このブログをご覧のみなさまも是非参加してみて下さい。

菅原連合振興町会の防災訓練

2011年01月07日 | まちづくり活動情報
新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新年最初の記事は、昨年末に市民防災まちづくりの例として御紹介した、菅原連合振興町会の防災訓練についてのレポートです。

地域の抱える防災上の課題は、お住まいの方々にとって共通の問題です。このため、災害に強いまちづくりというテーマは、地域の人たちにまちづくり活動に参加してもらうきっかけにもなります。菅原連合振興町会の活動も防災訓練を実施することで、地域の防災力を向上させるだけでなく、コミュニティーの強化にもつながっています。
それでは、菅原連合振興町会ではどの様な訓練を行っているのか、2010年12月5日(日)に行われた訓練を近畿大学都市計画研究室3回生の中尾さんが見学させてもらったので、防災訓練の様子についてレポートをお送りします。 

【菅原連合振興町会の防災訓練】
12月5日(日)に、東淀川区の菅原地区で行われた防災訓練を見学させてもらいました。前回のブログでも書きましたが、菅原地区では地域住民が主体となって、毎回様々な趣向を凝らした、実践的な防災訓練を行っています。

この日は日差しが暖かく、とても清々しい朝でした。

9時30分、まだ静かな公園に防災訓練のスタッフが集まりました。


10時、地震が発生したとの想定で、避難訓練がスタートしました。
住民は避難済みカードをドアの取っ手に掛けて、一時避難所である公園へと集まります。

住民たちが無事に避難できたのか、家族がどこに避難したのかがわからないことは、災害時に大きな問題となります。避難済みカードがあることで、安否確認や家族の連絡先を知ることができます。


負傷者や自力での非難が困難な要援護者は、みんなで協力して搬送しました。負傷者の搬送を訓練に取り入れることで、急な階段などでどのようにして負傷者を運ぶのかを確認しています。


ちっちゃな子どもからお年寄りまで、たくさんの人が公園に集まりました。


安全を確認した後は、可搬式ポンプでの消火訓練をおこないました。
実際に住民の方がホースを持ち体験することで、消火方法を学びます。

ものすごい勢いでホースから水が!!
 
消化訓練の後は、収容避難所である小学校に全員で移動しました。
人数が多いので班に分かれて移動します。これも訓練の一環です。


全員の避難が完了するまでの間、震災ビデオや防災グッズなどの展示を見ました。
ビデオを通してですが、大地震災害の恐ろしさを目の当たりにすることで、参加者のみなさんも避難訓練の大切さを再確認されていました。


また、防災グッズの展示では、ホームセンターや100円均一で買えるものばかりを紹介していました。日頃からどのようなものを準備したら良いのかがわかりやすいだけでなく、手軽に手に入るものを紹介していたので、実践的で、とても参考になる展示だと思いました。

全員の避難完了後、体験訓練を開始しました。
運動場で水消火器や転倒時救出の訓練、講堂で応急手当、心肺蘇生法を学びました。
防災リーダーの説明を受けた後に、住民自身が体験しました。


12時20分、この日の防災訓練は無事に終了しました。

今回は菅原連合振興町会のなかの1町会である、菅東町会だけの防災訓練でしたが、たいへん多くの方が参加されていました。防災訓練を通じて培われた「自分達の命、自分達のまちは、自分達で守るんだ」という強い意志とともに、住民同士のつながりの強さを感じました。こうした地域住民たちの日々の努力が、いざという時に大きな力を発揮するのだと確信しました。
                 
近畿大学都市計画研究室 中尾