大阪のまちづくりぶろぐ

大阪でまちづくり活動をおこなっているみなさんの情報発信や交流を行うためのブログです。

菅原連合振興町会の防災訓練

2011年01月07日 | まちづくり活動情報
新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新年最初の記事は、昨年末に市民防災まちづくりの例として御紹介した、菅原連合振興町会の防災訓練についてのレポートです。

地域の抱える防災上の課題は、お住まいの方々にとって共通の問題です。このため、災害に強いまちづくりというテーマは、地域の人たちにまちづくり活動に参加してもらうきっかけにもなります。菅原連合振興町会の活動も防災訓練を実施することで、地域の防災力を向上させるだけでなく、コミュニティーの強化にもつながっています。
それでは、菅原連合振興町会ではどの様な訓練を行っているのか、2010年12月5日(日)に行われた訓練を近畿大学都市計画研究室3回生の中尾さんが見学させてもらったので、防災訓練の様子についてレポートをお送りします。 

【菅原連合振興町会の防災訓練】
12月5日(日)に、東淀川区の菅原地区で行われた防災訓練を見学させてもらいました。前回のブログでも書きましたが、菅原地区では地域住民が主体となって、毎回様々な趣向を凝らした、実践的な防災訓練を行っています。

この日は日差しが暖かく、とても清々しい朝でした。

9時30分、まだ静かな公園に防災訓練のスタッフが集まりました。


10時、地震が発生したとの想定で、避難訓練がスタートしました。
住民は避難済みカードをドアの取っ手に掛けて、一時避難所である公園へと集まります。

住民たちが無事に避難できたのか、家族がどこに避難したのかがわからないことは、災害時に大きな問題となります。避難済みカードがあることで、安否確認や家族の連絡先を知ることができます。


負傷者や自力での非難が困難な要援護者は、みんなで協力して搬送しました。負傷者の搬送を訓練に取り入れることで、急な階段などでどのようにして負傷者を運ぶのかを確認しています。


ちっちゃな子どもからお年寄りまで、たくさんの人が公園に集まりました。


安全を確認した後は、可搬式ポンプでの消火訓練をおこないました。
実際に住民の方がホースを持ち体験することで、消火方法を学びます。

ものすごい勢いでホースから水が!!
 
消化訓練の後は、収容避難所である小学校に全員で移動しました。
人数が多いので班に分かれて移動します。これも訓練の一環です。


全員の避難が完了するまでの間、震災ビデオや防災グッズなどの展示を見ました。
ビデオを通してですが、大地震災害の恐ろしさを目の当たりにすることで、参加者のみなさんも避難訓練の大切さを再確認されていました。


また、防災グッズの展示では、ホームセンターや100円均一で買えるものばかりを紹介していました。日頃からどのようなものを準備したら良いのかがわかりやすいだけでなく、手軽に手に入るものを紹介していたので、実践的で、とても参考になる展示だと思いました。

全員の避難完了後、体験訓練を開始しました。
運動場で水消火器や転倒時救出の訓練、講堂で応急手当、心肺蘇生法を学びました。
防災リーダーの説明を受けた後に、住民自身が体験しました。


12時20分、この日の防災訓練は無事に終了しました。

今回は菅原連合振興町会のなかの1町会である、菅東町会だけの防災訓練でしたが、たいへん多くの方が参加されていました。防災訓練を通じて培われた「自分達の命、自分達のまちは、自分達で守るんだ」という強い意志とともに、住民同士のつながりの強さを感じました。こうした地域住民たちの日々の努力が、いざという時に大きな力を発揮するのだと確信しました。
                 
近畿大学都市計画研究室 中尾