スタッフのつぶやき

CIL東大和のスタッフが徒然なる日常をつぶやきます。時にズバっと斬りこみます!

思い込みから、あれこれと

2018-07-11 20:17:59 | インポート
介助者のSです。「ブログの更新頻度が少ない!」という話題が事務所で出ていたところに居合わせて、「なんですって?話題なんていくらでもあるじゃん」と軽口を叩いてしまったのです。

例えば、そうだな。いまは夏、と言えば冷やし中華。冷やし中華から始まって、インクルーシブ教育で終わる、とかサ。さっきパンク修理してもらった近所の自転車屋さんの話を皮切りにして、店を選んだきっかけはいつもタダで借りてた自転車の空気入れだった!とかサ。じゃあ、CIL東大和にとっての空気入れは何?って、大喜利みたいに。…得意になって与太話をしてたら、「どうぞどうぞ」と書き手を振られる展開に。

さて、あらためて書く段になると…。一向に手は進まず。モニター画面とお見合いで、指はのの字を書くばかり。
どうしよう。

じゃあ、ちょっとまじめな話に戻ろうか…。大喜利でも何でもないけど、去年の冬にあった話をひとつ。
介助をしていると、してない時よりも気になるのが街のバリアフリー具合。例えば駅のエレベーター。最近は杖をついた高齢者というでもなく、車いす利用者というでもなく、ベビーカーを押してる訳でもない、“これは普通の若者では?”と思うような人が、エレベーターを使っていることがあります。

その日、とある電動車いすに乗った気の強いお方(ここでは、eさんとしておきます)の介助で、高田馬場駅のホームに降り立ったのです。いつも通り、改札に降りるエレベータを待っていると、ウイーンと開いたドアの向こうに6~7人。eさんに気づき、目をあさっての方向へ向けつつも、身はさっと壁際に寄せるのです。うん、詰めればイケる。

eさんはすこぶる気の強いお方なので、お構いなしに前進。ですが、ドア付近にいたマスクにイヤホンをした若い女性が、ちっとも動こうとしてくれないのです。少し後ろに詰めてくれれば入れるのに。eさんは構わず、ウイン、ウインと前進します。さすがです。でも、なかなか動こうとしない女性。他の乗り込み客も「なんで詰めないの?」と怪訝な様子です。「下がってよ、っていうかむしろなんで若いのにここに乗ってんの?歩けるんだから階段使いなよ!」と、気短かなわたしは怒鳴る寸前。と、女性もようやく、フラ、フラという感じで身を後ろに寄せてくれ、乗り込めたのです。

「まったく、いまどきの若者め!」こんなおっさんのセリフが私の中を駆け巡っていると、突然「ハ~、ハー、ハー、ハー!」と激しい呼吸を始めるその女性。ホームから改札へ降りる、わずか10秒に満たない時間。他のお客さんはまるで聞こえないように、澄ましています。聞こえてる証拠に、みんな彼女とは反対の方に顔を向けています。東京砂漠。

エレベーターが開くと、わたしとeさんが最初に出て、つづけてお客さんが降りて来ます。彼女の辛そうな様子が気にかかり、本人が出てくるのを待っていると、ヨタヨタとしゃがみこむのです。「大丈夫ですか?」と聞くと、涙を目に浮かべながらゼーゼーと荒い呼吸のままに訴えるには、「私こころの病があって、怒鳴られたりするのがダメなんです」「さっき、3階から2階に降りてくるとき、子連れの男の人に“これ下行くってわかんだろうが!”って怒鳴られて…。パニックになっちゃうんです、怒鳴られると」。

手で顔を覆った彼女の手首に、自分でつけたのか、それとも別な理由によるのか、痛ましい傷跡がありました。駅員を呼びに行き、彼女の様子を伝え駅員室まで連れて行ってもらい別れました。彼女はこれからどこへ帰っていくのだろう。気が滅入りつつ、同時に「怒鳴らなくてよかった…」と身を振り返りました。

エレベーターは、必要な人が優先的に使うのがいい、と思うのです。でも、優先すべき人は誰なのか、頭で想像するほど実は簡単にはわからないこともあるのだと思い知らされた一日でした。
ひとまず、きょうから出来ること。腹を立てても、まず深呼吸。
見境なく大きい声をだしたりするのはやめましょうね。

  
   【事務所の前で、ある夜に】


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1 コメント

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Unknown (ショウタ)
2018-07-17 18:00:48
こんにちは
久しぶりにコメントします。
ショウタです。

きのう羽田空港でeさんをお見かけしました。
僕がロビーを進んでいるとeさんが目の前に。
驚きと興奮で声をかけられずにずっと見てしまいました。
目が合いハッとして何かを言わなければと思った時にはもう遅く
すれ違ってしまいました。
「この人ジッと私の事見てくるな、なんだろう」と思わせてしまっただろうな申し訳ない。少しだけでも話せれば良かったと今
後悔しています。

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