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修学旅行費用を考える

2009-05-01 08:35:07 | 日常
「修学旅行の費用負担が大変」という話をよく聞きます。
その一方で、新聞広告を眺めると「こんなに安くて大丈夫?」
なんてツアーもあります。「なんでだろう?」などと古い
ギャグを口ずさみながら「格安ツアーでは儲けが出せないから、
修学旅行で穴埋めしてるんじゃないの?」なんて邪推までして
しまいました。
というのも、岡山や大阪で、大手旅行業者が公正取引委員会から
価格カルテルを疑われ、立ち入り検査を受けたり、また武蔵野市
では山本ひとみ市議の質問により、保護者の負担が約一万円減った
例があるからです。市議の質問1つで15%近く安くなるとしたら、
元の価格が果たして適正だったのかと疑わざるを得ません。

格安ツアーと修学旅行の価格差の要因は、コロ子が思いつくだけでも
次のようなものがあります。格安ツアーでは、土産物店に度々案内
されたり、搭乗する飛行機の便が間際まで決まらなかったりと
(修学旅行に応用できない)裏技が使われています。特に関西発の
ツアーでは、伊丹よりも不便な関空発着便を利用するケースが多いよう
です。他方、修学旅行は何よりも「安全、確実」が求められるため、
添乗員も多めに配置したり、綿密な計画が必要です。

それでも、やっぱり修学旅行の費用は高い。どうにかならないものか。
豪華な旅行をしなくても、見聞はひろめられるし、友達や先生との
思い出作りもできます。

修学旅行代金が高くなる背景には、神戸市のように特種な事情のある
ところもあります。

修学旅行生の飛行機利用減 旅費の上限引き上げ 神戸
http://www.kobe-np.jp/news/shakai/0001698425.shtml

低迷する神戸空港を、何とか修学旅行生に利用してもらおうと、修学
旅行費の上限を一人当たり3,000円引き上げたというからびっくりです。

少々話しがそれました。本題に戻ります。

「なぜ修学旅行の費用が高いか」について、業者側は下記のように説明
しています。

社団法人日本旅行業協会のサイトから転載
http://www.jata-net.or.jp/osusume/tour/excursion/excursion01.htm

(引用開始) パッケージツアー(特に旅行各社で実施している“キャン
ペーン商品”)と修学旅行の料金差は、どのような理由で起こるのでしょうか。
パッケージツアーと比較すると、修学旅行の料金は約2~3倍に膨れ上がります。
「同じルートで同じ施設を使うツアーでありながら、なぜこんなに高額になる
のか」という疑問が保護者の皆様から出るのも無理はありません。
 “格安”となる料金は、旅行会社が仕入れた鉄道・航空・バスの座席やホテル・
旅館の部屋を、その組み合わせ方を工夫し、旅行のオフ期(閑散期)に販売
するため可能になるわけです。分かりやすい例を上げると、スーパーで売られて
いた惣菜が閉店間際になって安売りされるのと同じ原理です。つまり旅行会社が、
売れ残りをただ待つのではなく、それらの素材(航空運賃と宿泊料金)を組み
合わせて、期間限定の企画販売をする結果生まれるのが“格安”料金なのです。
 しかしそれに対して修学旅行料金は、そうした臨機応変のシステムが使えません。
数百人レベルの大型団体であることや、実施時期、目的といった、限定された
さまざまな条件を考慮して計画する企画手配旅行だからです。特に人数と時期が
限定されていると、パッケージツアーのような調整が許されず、これが原因で
料金格差が生じているのです。
また、 現地事前調査や学校との綿密な打ち合わせ、また管理体制徹底のための
添乗員を増やす、そのための宿泊費用増額など、人件費も多くかかってしまいます。
(引用終了)


「閉店間際の総菜」とはうまく言いますね。業者側の説明に「なるほど」と
頷ける部分もあります。しかし、経済的理由で修学旅行に参加できない生徒が
近年増加していることに配慮して、コストダウンに努力していただけないで
しょうか。現地事前調査などは絶対に必要なのか、目的地の支店と連絡を
密にすれば、現地にわざわざ出張しなくても済むんじゃないですか。

最後に、修学旅行関連の文部科学省所管公益法人を挙げておきます。

財団法人 日本修学旅行協会 1951年設立
常勤3名
会長 阿部充夫氏 
文部省事務次官を退官後、放送大学学園理事長、東京国立博物館長、
(財)放送大学教育振興協会理事長を経て現職

理事長 河上一雄氏
東京都公立高等学校長協会会長経て現職

常務理事・事務局長 村岡輝久氏
JTB提携販売千葉支店長を経て現職

財団法人 全国修学旅行研究協会 1955年設立
常勤2名
理事長 中西朗氏
元全日本中学校長会会長

理事・全修協研究調査部長 鈴木和夫氏

両財団の役員の顔ぶれを見る限り、「官」と「業」の代表がほとんどで、
生徒や保護者の代弁者が見当たりません。

視聴者そっちのけで推進された「地デジ」と似た構図です。

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