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故玩館への通路脇のトイレを作るとき、壁面をすべて板にしてもらい、白のクロスを貼りました。大きめのトイレなので、白壁面はかなりの面積になります。何よりも、板壁なので、釘やねじが使い放題。どこへでも額が掛けられるのが良い。
一方、故玩館本体の壁は漆喰なので、釘を打とうものならボロボロと崩れてきます。でも、柱や長押が縦横に走っているので、品物を掛けることは何とか可能です。
そんなわけで、このトイレ美術館の通常展示は重い額入り油絵です。
まずは、今回の品。
操作パネルが写っていると、ここがトイレであると実感されますね(^^;
山口硯閑『伊豆の漁村』、油彩8号。戦前。
山口硯閑:やまぐちけんかん、明治三三(1900)年ー?年、東京生れ。岡田三郎助に師事。風景画を得意とした。
なかなかに雰囲気のある絵です。
実はこの品、ネットオークションが始まってほどなく入手しました。その頃はまだ、オークションのルールが固まっていなくて、売り手と買い手がやり取りする余地が多く残されていました。一番多かったのは手渡しです。買い手には送料が不要ですし、売り手は梱包が簡単で済みます。この絵は、30㎞程離れた東濃の人が出品者でした。丁度、その方面へ出かける用事があったので、途中で落ち合い(当然、初対面)、代金を払って品物を受け取りました。ちょっとドキドキしますが、このような取引をけっこう頻繁に行いました。
この品は、大変安価でした。樋口一葉さん、半人前。というのも、多分タバコだと思いますが、表面が酷く汚れており、肝心の絵がぼんやりとしか見えていませんでした。しかし、絵のタッチから、これはいけると思いました。
家へ帰って、アルコールを含ませた柔らかい布で少しずつ汚れを落としていくと、だんだんと絵が現れてきました。
ほぼ、1か月後の品がこれです(表面に、タブローを塗りました)。
おだやかな朝の漁村の風景が描かれています。
そこで、こんなタイトルをつけました。
が・・・
うっかり、裏側を確かめていませんでした(^^;
『伊豆の網代』だったのです。
まったく当てずっぽでタイトルをつけたのですが、『伊豆の漁村』でも間違いではありませんでした(^.^)
それにしても、伊豆の風景を思わせる描写力は、なかなかのものですね。
でも、この漁村は何処にでもありそうなところですね。
それが、実際は、伊豆の漁村、詳しくは伊豆の網代という漁村だったのですね。
初めて見る者にも伊豆の漁村と分る絵なわけで、その土地の雰囲気まで描写している、的確な描き手であったことを証明していますね(^-^*)
日本人ならスッと入っていける絵ですから、安心感があります。
何より、トイレは無心になれる場所ですから、素直に鑑賞できます(^.^)
これで10年以上も飾ってきました。冷や汗ものです。
でも、当たらずとも遠からず、でよかったです(^.^)
クリン、家族が西伊豆によく釣りに行っていたのでついて行って、あの辺の風景に詳しくなったんです🐻⤴
いかにもイサキや30匹くらいとれそうな、そしてタイやカサゴが釣れそうな海の色、そしてようすをしています🌊
さすがは岡田三郎助の弟子👑描き切っていますね✨✨✨
その分、お値打ちに入手できます。
お手軽にらしい雰囲気の絵が飾れます。
西伊豆で釣りですか、最高ですね。
釣りは無心になれるので私も好きです。
あの時代のネットオークションは色々とあった記憶があります
伊万里の場合だと、出品者が複数同じ品を持っており、落札者に「もう数枚あるけど全部どう?」と勧めてきたり
次点の入札者に落札価格で勧めてきたりとか・・・。
ただ、伊万里に関しては現在より怪しい品はずっと少なかった(というか出品総数が少なかった)ように思います。
複数のIDを持つことで、価格を吊り上げなんてのは今でもあるようですが
それでもヤメられないのがネットオークションなのも確かです。
落札者に「もう数枚あるけど全部どう?」と勧めてきたり
次点の入札者に落札価格で勧めてきたり・・・・ありました、ありました(^.^)
ひどいのになると、正式に落札したにもかかわらず、「この価格では売れない・・・・」と吊り上げを画策する出品者(女)もいました。
まあ、悪質ですがどこか牧歌的(^.^)