李朝の鶴紋細首瓶です。
最大径 25.7㎝、口径 5.7㎝、底径 11.5㎝。高 36.2㎝。重 2.75㎏。李朝中ー後期。
鶴は、3匹描かれています。
主に、足の位置が違います。最初の鶴の脚が前向きなのに対して、
足が後ろ上向きです。
3匹目の鶴は、
下後ろ方向に足があります。
鶴と鶴の間には、雲気紋と草花紋が描かれています。
下部には、ぐるりと渦巻き模様。うまの目?(^^;
焼成時にくっ付きを防ぐために撒かれた砂が付着しています。
器体表面にはびっしりとジカンが見られます。
先日紹介した李朝染付草紋大徳利と器形は非常によく似ています(今回の品が一回り大きい)が、ずいぶん趣きが違います。もちろん、悪質な補修もなされていません(^^;
今回の品の一番の見所は、鶴のひょうきんな表情、特に、辰砂でポツンと表された鶴の頭の赤い部分でしょう。地味な器肌に、ひかえめに打たれた銅の赤が効果的です。
本当は、もっと後ろの頭頂付近が赤いのですが、これじゃあ、赤鼻のツルさん(^^; でも、この際、硬いことは言わずに・・大らか李朝(^.^)
辰砂は本当に少ないですね。伊万里よりは多いですが。いずれにしても、良い色を出すのが難しいのでしょう。
この品もそうですけれど、時代は確信がもてません。が、時代はさておいて、朝鮮半島の陶磁器には肩が凝らず、癒される物が多いです(^.^)
辰砂は珍しいし、貴重ですよね。
鶴の頭頂部にぽつんと描かれた辰砂は、極めて効果的ですね(^-^*)
この細首大瓶を、より一層、華やかなものにしていますね(^-^)