遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

海鼠釉大花瓶

2023年06月27日 | 花道具

この品も、祖父の遺した物です。

口径 18.0㎝、最大径 28.8㎝、底径 16.7㎝、高 33.3㎝。重 5.12㎏。産地、時代不祥。

巨大というほどではないですが、大きな花瓶です。大きさの割りに、とても重いです。

海鼠釉が全面に掛かっています。

内側も全面施釉。

海鼠釉の陶磁器といえば唐物が有名です。が、この品が中国製かどうかは、はっきりしません。とても固く焼きしまった土で、底の露胎部には緋色が出ています。中国を思わせますが、胴継ぎでは無いようです。

内側には轆轤目があります。それに対して、外側上部と下部は非常に滑らかです。

一方、胴の中央部は、大きく削られて鎬になっています。

結果、上部と下部が圏線でぐるりと縁どられ、中央が面取りになったモダンな造形の器となっています。

これなら、渋い草木で荘厳に活けなくても何とかなりそう(^^;

ということで、今回も我楽多流の生花です(^.^)


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6 コメント

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遅生さんへ (Dr.K)
2023-06-27 18:57:06
見たところ、総瑠璃釉かなと思いましたが、海鼠釉ですか。
分厚く、一気に轆轤で引き上げ、その後、ヘラで鎬状に削られたので重いのでしょうか、、、。
胴継ぎのない点、高台削りがなんとなく温和しい点などから、和風を感じますね。
製作年代については分かりませんが、近代的なセンスを感じますので、明治頃なのかなと感じました。
重いので、重く大きな枝ものを活けてもひっくり返る心配がなく、安心して活けられますね。
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Dr.Kさんへ (遅生)
2023-06-27 20:07:05
私も最初、総瑠璃釉かと思いました。瑠璃釉の方が稀少でしょう。でも、やはり海鼠釉ですね。
紐づくりの壷と勘違いするほど重いです。
確かに近代的なセンスが感じられますね。重さとのミスマッチをどう理解したらよいのやら(^^;
形も相まって、安定感がハンパでないです。これなら、近くにある花木をめったやたらに放り込んでも大丈夫(^.^)
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Unknown (1948219suisen)
2023-06-28 03:52:43
素人考えですが、私もこの花瓶を重くしてあるのは床の間などに活けた木々などが倒れないようにわざわざ重く作られたのではないかということです。これほど重厚であれば少々のことで倒れることはないでしょうね。それにしましても見事な花瓶でございますね。いつも見せていただき感謝をしております。
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1948219suisenさんへ (遅生)
2023-06-28 09:01:00
本当に重い花瓶です。
水を入れたら10㎏ほどにもなり、女性ではちょっと動かせません。
その分、大きな松の枝なども入れられるそうです。
かつて、人手で持ち上げるのが困難で、ジャッキを使って大枝を入れた数奇者がいたそうです(^^;
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素敵な花器ですね♪ (越後美人)
2023-06-29 11:17:56
色といい、形といい、私好みです~♪
木槿やアガパンサスなどが彩りよく入りましたね。
自然な感じの投げ入れでも、ちょっと改まった花でも
両方に重宝に使えそうです。
和の花も、バラのような洋花もどちらも似合いそうですね。
赤い実物も入れたらきれいでしょうね。
また生けて見せて下さいね~(^_-)-☆
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越後美人さんへ (遅生)
2023-06-29 13:35:03
ブログで恥をさらすのも勇気が要りますね(^^;
まあ、許容範囲の恥かなと思える場合のみアップ。
自分で一番嫌なのは、いつも同じようパターンの活花になってしまうことです(^^;

こういう花器は、越後美人さんのような人に活けてもらえたらと、いつも思っています。
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