遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

頭の体操! 『どん字づくし』(1)

2020年01月10日 | 面白古文書

故玩館には、いわゆる骨董以外に、古文書や資料類も多くあります。

しかし、悲しいかな、ほとんど読めません。

その中で、かろうじて何とかなりそうな品を、少しずつ紹介したいと思います。

亀さんよりも遅く、カタツムリ程度にしか進みませんのであしからず(^^;)

 

今回は、紙ものです。

『大志んぱん どん字づくし』とある一枚物です。

発行元は、大阪の書肆、塩屋喜兵衛、右上に薄く赤い印「安政〇〇・・〇」が押されていて、安政年間に出版されたものであることがわかります。

いわゆる瓦版の一種です。江戸時代には、判じ物やしゃれなどのことば遊びが流行しました。そのなかに、文字絵などの文字遊びがあります。

文字遊びの代表が、どん字です。どん字(鈍字)は嘘字ともよばれ、庶民の間で人気がありました。

今回の品はその一つです。

                             18.3x25.2cm    

薄い紙に木版で摺られています。大量に刷られたのでしょうが、こういうものは消耗品であり、残っている物は少ないです。今回の品は、一部破れがありますが、全体としてはまず良好な部類でしょう。

全部で、32種類のどん字がのっています。摺りが甘い部分もあり、全部読めるかわかりませんが、何回かに分けて、行けるところまでいってみます。ブログをご覧の方々も、わからないところをフォローしていただき、誤りなどを指摘していただけるとありがたいです。

 

今回は、右1列目の4字に挑戦します。

まずは、この字。

『昔』の読みは、「弘法大師」です。

【昔】を分解すると、廾、一、日となります。毎月、21日は、御縁日です。

これを笑点流に言うなら

「昔とかけて、弘法大師と説く。その心は、御縁日です」

となりましょうか(^..^)

 

 

【通】で用の部分が欠けた字です。男が家に入ろうとして看板をみて頭をポンとたたいています。

看板の読みは、「無用の者入べからず」

その意は、「用字(用事)がなくては  通とゐへん」

 

【嘉】の字の左下のカが口に重なった文字

男が、嵐の中、傘をひろげず、片方の下駄を手にもって、歩いている、「たいへんたいへん」と言いながら。

読みは、「喜(き)がちがふて いる嘉(か)」

 

【實】の字の母が部分が欠けた文字です。

女が炬燵に入ったまま、箒を手にした子供に、「さっさとはきや」と言っている。

読みは、「ままこ」。

そのこころは、「實の母がない」

 

いやー、面白いが、けっこう大変でした。

次回は、2列目の4字です。宿題です。

考えてみてください(^_^)

 

コメント (7)
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