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まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

ボローニャに見る中小企業支援

2008-08-05 08:41:08 | Personal Views
中小企業による創発的ネットワークが優れているとして知られるボローニャについて文献から一部を紹介します。
『基本ケースで学ぶ地域経済学』では、グローバル経済化できらりと光る国内外の地域事例が紹介されており、その中にボローニャが紹介されています。
特にボローニャにおける中小企業支援を読んでいて、かなり驚きました(第10章執筆担当:鎌倉健/大阪樟蔭女子大学学芸学部教授)。興味深い内容につき、箇条書きに直して、メモしておきます。

ボローニャにはCNA(全国職人業連合会)という業者団体の県本部があり、加盟企業向けに以下のサービスを行っている。

(1)のべ6,000社の会員企業の経理と2万3,000人の給与管理
(2)税務サービスから低利で資金を借りるための銀行との交渉
(3)労使交渉の代行
(4)技術力アップにおける人材育成センターでの人材養成
(5)産学連携
(6)土地の共同購入や製品輸出のための品質証明
(7)見本市等への参加費の引き下げ交渉
(8)原材料をより安価で仕入れるための「購入同盟」や
   大企業に伍して規模の経済を実現するための「販売同盟」の組織化
(9)急増する外国人労働者向けの住宅を自治体と共同提供
                              など
家族経営や小規模経営で行うことはできないこと、負担が大きいこと、重複があって無駄が多いこと、要するに人が嫌がるような面倒なことを、一手に引き受けて肩代わりしてくれる。
この組織が支援する企業には、ライバル企業同士が混在するため、対立も生まれるが、マイナス面よりもプラス面の方が期待できることから、改善しながら現在の形となっていると考えられる。CNAは全国組織だが、ボローニャを発祥地として全国に広まっている。
グローバル経済の中でボローニャの小さな企業が生き残っている要因には、意識や文化の違いということではなく、工夫と努力によるしっかりとした裏づけがあるということがわかる。
基本ケースで学ぶ地域経済学 (有斐閣ブックス)
中村 剛治郎,加茂 利男,高原 一隆,佐無田 光,榊原 雄一郎,鈴木 誠,岡田 知弘,多田 憲一郎,鎌倉 健,鈴木 茂,安東 誠一
有斐閣

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