どうせ地球のチリだからな。

生き方を変えたから、ブログも変えようと思った。
企画屋の日記です。

想像力との競争力

2011-04-15 08:32:26 | Weblog
望みは日々変わる。
地震が起きる前日は、何を望んでいただろう?
望みは日々忘れてしまう。
震災後、自分たちが生きているという事に感謝し、生きていてくれさえすれば、と心から祈った。

時間が戻ればいいのに。
そう思った。
灯りもなく、飯もなく、絶望しかなく、たまたま生まれた格差に怒った。

神様はいないような気がする。
テレビの特番で出てくるようなエスパー達も、今出てこないで、いつ出番だというんだろう?
俺はもう、自分の目で見たことしか信じたくないし、それが一番強い様な気がしてる。

ドライアイスを集めようと言うと、
「亡くなった方々も大切だけど、生きてる人が先でしょう?」
と、言われた。
「うん。」
としか言えなかった。
諦めではなく考え方は様々、それも大事だし優先順位なんて俺にはつけられない。

でも、考えてみて欲しいんです。

【お子さんがいる方。】
どこかで生きているはずだと、情報を集めて探し回るはずです。
毎日、泥を掻き分けて、瓦礫の下を探し回るはずです。
だから俺達は、機動力をあげるためにガソリンを用意した。
それでも自分の子が見つからず、安置所を探し回る。
二度と動かない状態であったとしても、
「パパ!」
「ママ!」
と抱きついて来たことを忘れられるはずがなく、会いたくないはずはない。
何としてでも会いたい。
俺は寒かったであろう、苦しかったであろうわが子を、もう一度撫でてあげたい。変わり果てていても、もう一度抱き締めたい。
側にいてあげられなくて、ごめんなさい。と伝えたい。
学校を休ませれば良かった。って、際限のない後悔もどんどん生まれる。
気が触れてるように見えるなら、そう思われてもいい。
家族とは、そういうものだと思う。
愛とは、そういうものだと思う。
寒いまま、痛かったまま、苦しかったまま、見つけてあげられないまま埋められたら…
俺は泣くことも出来ない。
区切りが無くなって、ずっと絶望しかなくなる。
ゆきえさんが亡くなったことは、俺は知っていた。
なんかね、分かってた。

でも、実際にその現実を突きつけられるまでは泣けなかった。
全てを知った後に死ぬ程泣いた。
精神力が限界に達したのは、火葬の日だった。
新潟にガソリンを売ってくれと懇願しに行った日だった。
新潟に着いた早朝に火葬の連絡が来た。
我妻さんに、
「ガソリンはいいから帰っておいで。もういいから。」
と言われた。
タケチンに肩を掴まれて、やっと立ててた。
サーバーメールに、ゆきえさんからの最後の言葉を見つけるのは、もう少しだけ後の話。
俺が世界を救う。とまで本気で思って頑張った。
俺なんて、被災者には含まれない。
明るくしてなきゃならんのです。
皆、それらを分かって探してる。

楽しいことも、頑張ることも、飯を食うことも、まずは家族が揃ってからだ。

もっと早く想像力を働かせていれば良かった。
申し訳なく思う。
土葬をしてる行政を責めてはいない。
限界を迎えてしまっただけ。
消防の方々。
検死をしてる方々。
安置所の担当の役場の方々。

皆が喜びではない、何とも言えない表情を見せてくれた。
何度も書くけど、
「ご苦労様です!」
と潤んだ目で敬礼をされたが、それは、これを読んで他人事と思わずに動いてくれた皆さんのお陰です。

家族に再会するまでのドライアイス。
引き取ってから火葬までの時間の為のドライアイス。
生きている方々の物資は、今は誰かに任せよう。

俺は気持ちに区切りがつかないまま、復興の為に本気で力を出せない。

やる気の基礎は、大切な人達の安否だ。

俺は、それに友人達も含まれる。
嫌いなアイツも、元気だと聞いて安心した。
相変わらずバカな話を聞いたけど安心した。
やる気はそれから湧いて来た。
一家だからな。
俺は一方的にそう思っています。

皆からのコメントや、メールに何度も励まされた。
何度も癒された。
武田さん、齋藤くん、畑中さん、栗原さん、清村さん、中川さん、伊藤さん、小蘇我さん、永田さん、石川さん、杉、新本、小野寺、高野さん、朝倉さん、山添さん…やめた。キリがない。
五百人を越えた俺が一方的に一家だと思う方々には、俺が一生をかけてでもお礼をしに行く。
俺は、一生忘れない。
沢山の悩みや不安が、後から後から湧いてきます。
恋愛、成績、仕事、金…
普段から占いで気になる内容は少し忘れよう。

俺達は生きている。
安置所の寂しさと、線香の匂いが忘れられない。耐え難い匂いも忘れられない。
それは、たまたまの差です。
家族が元気なこと。
これ以上の幸せなんてない。
人間は生物だから、必ず腐ってしまう。
それを、止めよう。

有限会社ユウキ
いい名前だと思う。
勇気を出して、人を助けてください。
徳を貯めよう。
決して減らない徳を貯めよう。

俺はまだ信じられないが、もし神様がいるならば、どうか家族が再会出来るように、この会社を皆に伝えて欲しい。
どうか、皆に伝えるだけでいいので、いるならば、やってくれよ。

神様だったら、そのぐらい出来るでしょう?

ゆきえさんは、自分が見つかった田んぼにイルカを置いて俺に助けさせたり、自分のばあちゃんがず~っと探しても探しても見つからなかった靴をこれまた田んぼに揃えて置いてみたり出来てるんだぜ?

ゆきえさんが生き返ることはない。
一緒にご飯を食べる事も、ケンカをすることも二度とない。
謝る機会も、お礼を言う機会も二度とない。

悲しみに程度や順位はない。

一つの、何万人が亡くなった震災が起きたのではなく、数万件の悲しい事件が起きたのだ。

それぞれ1人で動き出し、数人で始めた俺達の活動を支援してくれる人達が五百人超になった。
ドックウッドと合わせれば千人を超える。

重ね重ね、信用してくれてありがとうございます。

一度きりではなく、いつまでも忘れないで継続した支援お願いいたします。

俺達は、アンカーだからな。
絶対に諦めない。

平一家、総出で家族を再会させよう。

家族は、家族の元に。
犬や猫も同じだ。
全員揃って磯野家だ。



支援取り纏め体制を手配して頂きました。
http://tairasupport.blog90.fc2.com/

頼むぜ神様。
ラストチャンスだ。

最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (霜山)
2011-04-15 08:57:58
平さんは信頼できる漢です。心から尊敬しています。

愛する人が安らかに旅立ってもらうため、またそれを見送る家族のためにも必要な支援だと思います。決して無駄じゃないです。

有限会社ユウキ、素敵な会社です。
返信する
リンクさせていただきました。 (タクミよね)
2011-04-15 09:51:49
初めまして。
尊い支援だと思います。
事後報告で、大変、申し訳ありませんが、私のブログの方で紹介させていただきました。
より支援の輪が広がる事を願って。
激務だとは思いますが、どうぞご自愛なさってくださいませ。
返信する
応援。 (ねむ)
2011-04-15 09:59:10
他の方のブログから見に来ました。
長期戦なんだから、計画的に心と体を休めて下さいね。
マラソンの距離を、全力で走らないよう。

愛知に住んでいる二児のママですが、できる範囲でできることをし続けます。
心は寄り添いながら、自粛なんかしないで笑顔で生活します。
何か必要なら、そのたびに遠慮せずに大声を上げて下さいね。
迷惑にならずに、主役は被災者で、動ける範囲で義援金以外でも動きたい人、私だけじゃないと思います。まだまだ居ます。
明日を信じてます。
返信する
Unknown (yama)
2011-04-15 13:13:09
ドライアイスの件
家もブログに貼りました
友人たちにも呼び掛けてみます
もちろん、自分も協力させてください
返信する
Unknown (toko)
2011-04-15 17:22:43
ドライアイスのことブログに書かせていただきました。
また事後報告になり申し訳ありませんが、
リンクをはらせて頂きました。
あと、4月12日の記事を一部分抜粋させていただき、ブログで紹介させていただきました。

チャコちゃん絶対に見つかりますよう祈っています。

来週から寒の戻りがあるようです、
くれぐれもお体ご自愛くださいませ。
返信する
Unknown (Na)
2011-04-15 21:18:30
生きている人のために、ご遺体の支援をしているではありませんか。
生きた心の支援です。

いろいろあると思いますが、誇りを持って
返信する
Unknown (りんこ)
2011-04-15 22:45:48
以前にもブログで此方を紹介させて頂いたのですが、
ドライアイスの件でもブログ・mixi・ツイッターにて載せて頂きました。
事後報告お許しくださいませ。

ご遺族・亡くなった方の立場になった時、
最期を見届けたい、見届けてもらいたい、
きっとそう思います。
不可能な事をやってる訳じゃありません!
無理難題をやろうとしてる訳じゃありません!
心に寄り添ってるから出来る事だと思います。

これからも此処で叫んで下さい。
その声で応援します。支援します。

疲れが出やすい時期だと思います。
どうか皆様お身体にお気を付け下さい。
返信する
Unknown (sikao)
2011-04-16 13:54:36
エスパーは居ないけど
ヒーローなら見つけたよ♪


ほら、そこにいるじゃん!!
返信する
Unknown (ayaki)
2011-04-18 21:44:35
本日偶然記事をお見かけして活動を応援するべく、ブログ及びツイッターにて紹介させていただきました。

また、一部記事を抜粋させていただきましたこと、事後ではありますがご報告いたします。


寒い日もまだまだ続くのでしょうか。

皆様どうか、お体ご自愛くださいませ。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。