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風炉の灰を押す

2010年05月03日 | 茶の話
風炉の灰の準備をはじめました。

炉の灰として育ててきた灰(すでに10年くらい茶を掛けて育てた後、さらに10年程度炉で使った灰)を

すり鉢で少量ずつ磨り上げます。


隙をみてはすりまして、だいたいこの量を1週間くらいずつ。
(磨ってみて、ざらつくところがなくなるまで)

つまり、ごく少量ずつなので、風炉全体の量になるには大変な時間を要します。

最近は機械で磨るのもありますが、手で最後は仕上げていく必要があります。

その灰を、風炉に入れていきます。



筆などで形を整え



*このように一文字(二文字)灰にする場合は、高さ、深さ、両方の線が平行であることなど、すべてに気を配りながら整えます。

しかし、平行なニ本の直線と言っても、手なりで角が微妙に丸くなっていたり、胴炭が落ち着きやすい曲線であったり、中央の中心が最も低くなっていたりと、目ではわからないくらいの微細な心遣いがあります。

一番大切なことは綺麗に押すことではなく、炭点前をしていくときに、そしてその炭が釜の湯を沸かしやすいように整えていくこと、空気の流れも考えていくことであります。



最後に、このように灰匙を使って、表面だけ灰を押さえますが、灰の空気をつぶさないように、力ではなく、灰匙の重みだけで撫でるようにしていきます。

達人が押さえた灰はふわりとやわらかく仕上がっています。


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