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韓国茶報告8

2010年06月15日 | 茶の話
国際茶文化大展に参加後、

国立中央博物館に見学にお伺いしました。

夜7時くらいまでまでオープンしているので、観光客にはうれしいです。

また、日本語の案内を頼むと、1時間くらいのミュージアムツアーを日本語ができる方が担当くださいます。

今回は茶の人ばかりでしたので、陶磁器もツアーに特別いれていただきました。

陶磁器も歴史を通覧しながら回れたので、韓国の陶磁器文化に知識が薄かった方にも分かりやすい内容で好評でした。

まずは、「高麗青磁」から。

写真の作品に代表されるように中国の青磁と異なる色が、「翡色」と呼ばれるなど、日本の茶人にも大変好まれてきました。

中国宋代の技術を学んだということで、諸説ありますが9c~10cくらいから制作され、12cの作品が最も評価が高いようです。

(この博物館のすごいところは写真が撮れるということです!)



また、青磁の中で一番目を引いたのは、茶を挽く道具です。
初めて見ました。(「茶碾」と解説にありました)


13cには、「粉青沙器」の時代となります。



茶人には、「象嵌」(表面の土を掘り、白土や黒土を埋め込んで画を書く手法)、「三島」と言った方がわかりやすいかもしれません。

また白土で「刷毛目」「粉ひき」の技法も行われます。

侘び茶人たちに好まれ、現代にも伝わっています。

李朝に入ると、「白磁」が珍重され、高貴な焼き物として宮中ではもっぱらこちらが用いられるようになったそうです。



白磁に絵付けも行われていきます。

この時代は儒教が国教となり、仏教は山奥へと追いやられたそうで、寺と結びついて発展していた茶文化もこの時代は衰退します。

しかし、17~18世紀には、日本からの注文書(デザイン画などが送られ)に従って抹茶椀が焼成されていることは皆様ご存知かと思います。(「御本茶碗」と呼ばれる)

~やがて、日帝時代を迎え、韓国の茶文化は日本茶(茶道も含め)となる。

ある一つの流派が韓国の高等学校で教えられていたため、韓国の人々は「これが日本茶道のすべて」と認識していたそうで、最近になって、「これは一流派の点前教授法だったのか」と気付いたと教えてくださいました。

そこで、韓国では韓国の茶文化があるべきだ、と気づき、「茶礼」が形づくられてきているそうです。

韓国茶礼との交流会は次回につづく