Rスズキの毎日が大食い

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赤マルジャンプ2008WINTER号感想

2008年01月14日 | マンガ
「ジャメヴ」(田中靖規)カトブレで本誌打ち切りになったばかりの田中先生、そうそうに赤マルで新作です。ジャメヴは未視感のことだというのですが、既視感たっぷりです。宇宙人が出てくる辺り、どこのミキタカですか?この亜流感が抜けないといつまでたってもいまひとつでしょう。あと人物はもうちょっと丁寧に描いてほしいです。

「カントリーロード」(原作吉田拓郎 漫画小林ツトム)分業制で絵はまずまず。さてお話は外交官と名乗ってはいますが特に意味はなさそうです。他国へ行って勝手に軍事介入、暴れて一丁上がりといたって簡単でした。これは外交官じゃなくてただの乱暴者です。唯一仕込みは兄弟がそっくりな顔だったということぐらい。

「ぼくのわたしの勇者学」しりとり編のほうはわりと面白かったです。

「画狂人MANJI」(松雪ヨウ)絵は相変わらず上手です。主人公の性格の設定がやや偏り気味なので素直に応援できないっていうかなんというか。ムダにパンチラ見せてくれるお姉ちゃんも普通じゃない感じがします。で、お姉ちゃんの足はなおんないの?

「唐草模様」(杉田尚)設定は前作とほとんど変わってない(ように見える)です。絵は上達が伺えます。白っぽいところが少なくなってます。「バン」「ドッ」「バァンッ」の擬音の多用は相変わらずで変わってないなあと微笑ましく感じます。そして学園内で切ったはったをしていながらたいした傷もおわずに済んでしまうところも相変わらずでした。

「柔の男」(新井友規)いきなり着替えを覗くという情けない主人公。柔道を一生懸命やってもこれじゃ犯罪者です。集中線はうまいのですが、肝心の人物がへたで見られません。パンツも著しくリアルさに欠けます。この絵でエロや萌えを描かれても困ります。はっきり言おう、不愉快です。

「57th」(附田祐斗)前作「牙になる」が赤マル2006夏に掲載されて以来、新作を楽しみに待っていたんですよ。期待を裏切らない期待以上の出来でした。読んでてウルウルきちゃいました。読み終わってからも思い出すとじんわり来ます。
普通の高校生のはなしで、悪い奴は出てこないし、恋の芽生えもなし。それでも学生時代を思い出してしまう、心温まるストーリーでした。高校受験に失敗して第2志望の学校に通う主人公が、文化祭を通じて心を通わせる級友を見つけ、いままで自分が助けてやってると思っていた女の子に、実は自分が救われたんだという展開が見事でした。そして父親同士の熱い友情も知ることによって、父と息子の関係も修復の兆しが見られるのでした。
去年まで高校生だった次男は「あまりにも青春していてちょっと・・・」という評でしたが、ある程度時間がたつとすごくなつかしいもんですよ。

「タビネコ」(斎藤修)前作にくらべて画力が格段に上がりました。女の子のスタイルがもうちょっとよければいいんですけど。ロマンチックな童話といった風情です。人間が他の動植物に成り果てる病の原因が「電磁波」という設定ですが、電磁波を「可聴範囲」を超えたものとしているあたり、電磁波と音波を混同しているとしか思えません。音は空気の振動ですが、電磁波は波長の長い方から、電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・ガンマ線と呼ばれるエネルギーの放射現象であります。

「魑魅魍魎有限少年」(川井十三)漢字変換のおかげで魑魅魍魎がすぐ書けてよかった。昼飯がダイコン一本って!(そういえば、この間の黄金伝説でロバートのひとりが子供の頃のおやつがダイコン一本だったっていってました)わかりやすいし、バトルも絵も迫力があっていい感じだし、もう少しで連載に手が届きそうな気がします。

「僕のヒーロー」(堀越耕平)前作の時代物がそこそこ読めたので期待してましたが、今回はちょっとがっかり。少年向けにヒーローを出してきたものの、世界設定の説明がうまくできていないので、しょっぱなから話がわかりづらいことはなはだしい。怪人のデザインもイマイチなら、ヒーローのデザインもさっぱりだぜ。

「100ドルは安すぎる」(山本かずね)町と酒場と保安官は西部劇みたいなのに、飲みモンは今風、ポラロイドカメラがある一方駅馬車がある、男の子・女の子の服は現代風と、いったいどうしたものかと途方にくれる時代設定です。ストーリーはよく考えてあって、オチも決まってます。5Pに渡って上が現在進行形で下が回想の謎解き、そして二つが一緒になるという構成の巧みさには驚かされました。才能があると思うのでがんばってください。

「スピードスター」(吉田雄太)チビのバスケットプレイヤーという設定にはアキアキです。


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