昨年、長崎旅行の下調べをしていた際、ここ↑長崎市立市民病院の前のバス停が
映画のロケ地として紹介されていました。
(写真に写っているのは路面電車で バスではありません)
わー妻夫木がこの辺にいたのかな?
それとも深津絵里かな?
と、ミーハーなことを思いながら とりあえず写真を撮っておきました。
坂の多い、コンパクトで優しい長崎の街を思い出しながら 映画「悪人」を見た。
鬱屈した生活を送っていた妻夫木聡が 次第に人らしい感情を目に宿していく様や
深津絵里のあり得ないくらいのどこまでも広く深く 純粋で真っ直ぐな思いは
「スローダンス」(かつての月9ドラマ)や
「ザ・マジックアワー」(三谷幸喜監督)で、
ラブコメの境地を極めていた(極めていた......?)
二人とは思えない程 鋭い緊迫感に満ち満ちていました。
妻夫木くん、この役はぜひともやってみたくて立候補したらしいですね。
深津絵里は中学生くらいの頃から ずーーーぅっと見てきた女優さんの一人なので
モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞をとった時は なんだか嬉しかった。
「予備校ブギ」から好きです
私が写してきた市民病院の前のバス停は 樹木希林さんのシーンでした
(しつこうようですが写真は↑路面電車ですゴメンナサイ)
樹木希林、柄本明、宮崎美子、岡田将生、満島ひかり、
松尾スズキ、永山絢斗、出てくる人みんな、それぞれ良かったです。
誰かと繋がりたい、繋がっていたい。
だけどその手段を 携帯メールしか知らない、
見栄を張って自分を大きく見せること
人を見下して自分を大きく見せることしか 知らない。
ほんの少し バランスを崩しただけで、誰もが誰かにとっての"悪人"になり得る。
殺伐と空回りする現代に、柄本明の台詞は↓心に迫るものがありました。
「あんた、大切な人はおるね?
その人の幸せな様子を思うだけで 自分まで嬉しくなってくる様な人たい。
おらん人間が多すぎるよ。
今の世の中、大切な人もおらん人間がおおすぎったい。
大切な人がおらん人間は、なんでもできると思い込む。
自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。
失うものがなければ欲しいものもない。
だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで
失ったり欲しがったり一喜一憂する人間を 馬鹿にした目で眺めとる。
そうじゃなかとよ。
本当はそれじゃ駄目とよ」
最後に回想の中で、
妻夫木が深津絵里を屋上に連れて行くシーンは良かった。
人間にとって永遠なんてモノが在るとすれば、それは一瞬の中。
最近になって、その意味が 分かった気がする。