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サワノのお気に入りだけで構成するブログ

悪人

2011-08-21 | 文化・芸能

昨年、長崎旅行の下調べをしていた際、ここ↑長崎市立市民病院の前のバス停が

映画のロケ地として紹介されていました。

(写真に写っているのは路面電車で バスではありません

わー妻夫木がこの辺にいたのかな?

それとも深津絵里かな?

と、ミーハーなことを思いながら とりあえず写真を撮っておきました。

坂の多い、コンパクトで優しい長崎の街を思い出しながら 映画「悪人」を見た。

鬱屈した生活を送っていた妻夫木聡が 次第に人らしい感情を目に宿していく様や

深津絵里のあり得ないくらいのどこまでも広く深く 純粋で真っ直ぐな思いは

「スローダンス」(かつての月9ドラマ)や

「ザ・マジックアワー」(三谷幸喜監督)で、

ラブコメの境地を極めていた(極めていた......?)

二人とは思えない程 鋭い緊迫感に満ち満ちていました。

妻夫木くん、この役はぜひともやってみたくて立候補したらしいですね。

深津絵里は中学生くらいの頃から ずーーーぅっと見てきた女優さんの一人なので

モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞をとった時は なんだか嬉しかった。

「予備校ブギ」から好きです

私が写してきた市民病院の前のバス停は 樹木希林さんのシーンでした

(しつこうようですが写真は↑路面電車ですゴメンナサイ)

樹木希林、柄本明、宮崎美子、岡田将生、満島ひかり、

松尾スズキ、永山絢斗、出てくる人みんな、それぞれ良かったです。

 

誰かと繋がりたい、繋がっていたい。

だけどその手段を 携帯メールしか知らない、

見栄を張って自分を大きく見せること

人を見下して自分を大きく見せることしか 知らない。

ほんの少し バランスを崩しただけで、誰もが誰かにとっての"悪人"になり得る。 

殺伐と空回りする現代に、柄本明の台詞は↓心に迫るものがありました。

 

「あんた、大切な人はおるね?

その人の幸せな様子を思うだけで 自分まで嬉しくなってくる様な人たい。

おらん人間が多すぎるよ。

今の世の中、大切な人もおらん人間がおおすぎったい。

大切な人がおらん人間は、なんでもできると思い込む。

自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。

失うものがなければ欲しいものもない。

だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで

失ったり欲しがったり一喜一憂する人間を 馬鹿にした目で眺めとる。

そうじゃなかとよ。

本当はそれじゃ駄目とよ」

最後に回想の中で、

妻夫木が深津絵里を屋上に連れて行くシーンは良かった。

人間にとって永遠なんてモノが在るとすれば、それは一瞬の中。

最近になって、その意味が 分かった気がする。

 

 

 


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