先日、1月12日にVANTECからプレスリリースがあった。
これからのサブバッテリーのリチウム化で、「EcoFlowパワーシステム」を採用するというもの。
今度、2月初めのジャパンキャンピングカーショーに搭載車を出展するらしい。
搭載するリチウムイオンバッテリーは約 3000 回充放電できて、容量は 4kWh(4.096Wh)。
システムは48V系で、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの2kw (51.2V 40Ah)を2並列。
電圧を48V系にすることによって効率が良くなり、配線がこれまでの1/4の太さで済むし、インバーターも小型化できるといったメリットがある。
これまでの鉛バッテリーは1,500Wのインバーターしか搭載されてなかったが、リチウム化により3kwのインバーターにしたことで家庭⽤エアコンと電⼦レンジを同時に使⽤するといったこともできる。
その反面、専用システムとなるので他のバッテリーとの併用はできない。
充電に対しても⼯夫が凝らされており、⼊⼒ソースが切り替わることなく、⾛⾏時のオルタネーターから、外部コンセント(AC100V)から、ソーラーパネルから同時に⼊⼒することが可能となっており、ユーザーは複雑な操作を⾏うことなく使⽤することができる。
EcoFlowパワーシステムシステムだとこれに該当する。
システム構成
EcoFlow パワーハブ (走行充電器、MPPTソーラー充電器、インバーター、DC-DCコンバーターを内蔵)
EcoFlow パワーシステム専⽤ 2kWh LPF バッテリー 2 個
EcoFlow パワーシステム専⽤タッチパネル
EcoFlow パワーシステム専⽤スマート分電盤
システムの稼働状況をひと⽬でチェックすることができるタッチパネル式モニターが⽤意されているので、⼊出⼒状況に加えメインスイッチのオン・オフをコントロールすることができる。
画像はVANTECのPress Releaseより借用
専⽤のアプリをスマートフォンにインストールすることで、同様の情報の確認・コントロールが可能になり利便性が向上。
サブバッテリーはセカンドシート下に設置でこれまでと同じ。
2kwのバッテリーはかなり大きいので、エアコン対応などで増設する場合はかなり大変かもしれない。
リチウムバッテリーシステムの価格
気になる価格だが、バンテックは今年になってから車輛本体価格を値上げした。
それをベースに鉛バッテリー仕様との価格差は 77万円ということである。
ちなみにEcoFlowの2kwの専用バッテリーは242,000円/個とかなり高価。
鉛バッテリー仕様の価格を約29万円程度と考えれば、リチウム化は全体で 77+29 = 106万円 程度ということになる。(鉛バッテリー仕様はパーツセンター価格で、鉛バッテリー3個 、すぐれもの充電器 、バッテリープロテクター、インバーターを含む)
EcoFlow パワーシステムが搭載される⾞種と価格は以下のとおり。
<ZiL シリーズ> ※価格は税込価格(2023 年 1 ⽉現在)
ZiL (2WD:11,690,000 円、4WD:11,870,000 円)
ZiL520 (2WD:11,780,000 円、4WD:11,960,000 円)
ZiL Noble(2WD:12,020,000 円、4WD:12,200,000 円)
<CORDE シリーズ>
CORDE Leaves(2WD:9,920,000 円、4WD:10,100,000 円)
CORDE Bunks(2WD:9,920,000 円、4WD:10,100,000 円)
この程度のキャブコンを買うユーザーだったら最初からリチウム化した車を買うのかも知れない。
リチウム化することによってキャンピングカーの電力事情はかなり向上する。
極端な言い方をすると上記のリチウム化によって電力事情はほぼ倍になるくらいと言ってもいい。
このシステムはバッテリーだけでなく全ての機器を一つにまとめているので配線やセットアップが簡単でスペースも節約できる。
家でいう分電盤までつけてホームオートメーションを目指したものになっていて、これまでのポータブル電源を分解して大きくしたようなものとなっている。
デメリットとしては、価格的にはどうして高いのと、このシステムの売りである一台にすべてを集約しているので、故障した場合、全ての配線を外してメーカー送りにする必要がある。
キャンピングカーは高価なので一般的に長期に渡って保有する。
システムが古臭くなったときに新しいいいものに交換したいと思っても、全てを交換する必要があるので簡単に交換できないのもちょっと心配。
しかし、日本のキャンピングカーもこれからは外国車のようにこういった方向に進むだろうと思われる。
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