先日ヨドバシの通販で携帯ラジオを購入した。
わが家にもラジオは何台か有るが、家の周りに高いマンションやビルが建ったせいか、昔に比べてラジオの入りが悪く雑音交じりで聞こえる。
ラジオを聴く頻度はそんなに多くはないが、部屋でゴソゴソ何かの作業をしたり、庭の草取りをしながらラジオを聴くのは、耳だけ傾ければ良いので仕事の効率は落ちない。
今回買ったラジオはソニーのICF-801という機種。
AM、FMとFM補完放送が聞けて、電池だけでなく家庭用の100Vも使える。
ネットで調べてそこそこ評判が良く、最も安い店で5,000円くらいと価格が安いのが魅力だ。
家の回りで使っても、キャンカーで使っても持ち回りに不便さはない。
感度も悪くないし音もそこそこで、価格が手頃だから扱いも気にならない。
選局はアナログで同調ダイアルを回して行うが、昔から慣れている僕らは今風のシンセサイザーよりも使いやすい。
最初に目ぼしをつけたのは同じソニーのICF-EX5MK2という機種。
見るからにマニアックで男心を誘うフォルムだ。
しかし売れ筋ランキングや満足度、クチコミなどを見ると僕の目的と少し外れるのが気がかりとなり、結局ネットの意見を参考にして安い方を購入した。
僕が初めてラジオを買ったのは中一の時だった。
学校でラジオ放送を聞くのが流行って、オールナイトニッポンをよく聞いた。
田舎だったが、自宅から2kmくらい離れたところに電気屋があった。
そこのショーウィドウにパナソニックのラジオが飾ってあって、自分だけのラジオが欲しくて何度もそれを見に行った。
50年くらい昔のもので実物は無いし、写真も無いのでネットから借用してきた。
価格は15,500円と子供の僕にはとても買える金額ではなかった。
僕の小遣いは月に1,500円くらいだったと思うが、店の主人に訳を話して、小遣いの範囲での月賦でいいかと訪ねるとOKの返事。
今はローンと言うが、昔は月賦と言っていた。
確か、10回の月賦は小遣いがまったく無くなるので12回くらいにしてもらった記憶がある。
今と違って信販会社を経由する訳でもなく、この子はどこそこの息子だからと田舎の顔見知り商売だ。
電気屋のおやじと約束して自宅に新品のラジオを持ち帰った。
父にその事を話せば叱られるかと思ったが、意外にも、自分の小遣いで払うと店のおやじと約束したのなら、きちんと守るように言われた。
僕は、毎月小遣いをもらったらすぐに電気屋に支払いに行った。
12回目の支払いが終わり、これて漸くラジオが自分の物になった気がしたのと、何だかやり切った充実感のようなものが沸いてきた。
久しぶりにラジオを買って、忘れかけていた遠い昔の思い出がよみがえった一日だった。
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