“川崎病の患者増加”注意点は

2014-05-30 | 話題
“川崎病の患者増加”注意点は

2014年1月15日(水) 20時10分

「川崎病」という病気をご存知でしょうか?

おもに乳幼児がかかる原因不明の病で、高熱や発疹が続き、心臓に重い後遺症が残る場合もあります。

その川崎病の患者数が年々増え続けています。

4歳以下の罹患率は過去最高となっていて、専門家が注意を呼びかけています。

福岡県筑前町に住む小学3年生の高瀬颯斗(はやと)くん。

川崎病のため3か月に1回、久留米大学病院で診察を受けています。

川崎病は全身の血管に炎症が起きる病気でおもに乳幼児がかかります。

高熱やリンパ節の腫れといった風邪のような症状に加えて、舌がいちごのように腫れる、全身に発疹が出る、目が充血するといった症状が出ます。

1967年に川崎富作医師が症例を発表して以来、研究が進められていますが原因は未だに分かっていません。

●久留米大学医学部小児科・須田憲治准教授

「皆さん、せきや鼻水が出て風邪みたいな形で始まる人もたくさんいます。これをやったら予防できるというのがないので、症状が出てきたら、
それを疑って診断につなげるということになります」

颯斗くんが川崎病にかかったのは5年前、5歳のときでした。

●母親・高瀬恵美さん

「まずは高熱が続いて、ぐったりしているような、熱がとにかく続いている状態。ものが食べられないとか。おたふくと、アデノウイルスが検出されていたので、
アデノがひどくなったと思っていて、まさか川崎病だとは思いませんでした」

突然の高熱から5日目、颯斗くんの舌は腫れ上がり、全身に発疹が出ました。

さらに、心臓の動脈=冠動脈に複数の大きなこぶができていることが分かりました。

川崎病は患者のおよそ3パーセントに『冠動脈瘤』の後遺症が残るといわれ、心筋梗塞などで死亡する場合もあります。

●久留米大学医学部小児科・須田准教授

「普通の血管は太いところから細くなっていくが、その途中がふくれ上がって、よどんだ形になる。血が固まりやすい状態が起こって、瘤の中で血の塊が詰まって
心筋梗塞になる可能性があります」

そんな川崎病の患者がこのところ、じわじわと増え続けています。

20年前には全国で6000人程度だった患者数が、おととしにはおよそ1万4000人に倍増しました。

4歳以下の罹患率をみると10万人あたり264.8、つまり1000人中およそ3人が川崎病にかかる確率で、1970年に全国調査が始まって以来、過去最高となっています。

●久留米大学医学部小児科・須田准教授

「昔に比べるとポピュラーな病気になっている。日本は川崎病の発生数が世界一なので、日本の小児科の先生は、川崎病を常に頭の隅に置きながら
診療している状態だと思います」

増加の原因は分かっていませんが毎年、冬に患者が増える傾向があります。

また、これまでの研究で発熱から10日以内に解熱した患者は心臓にこぶが残りにくいことが明らかになってきました。

颯斗くんの場合、発熱後すぐに受診しましたが、高熱が2週間以上続き、後遺症が残りました。

一見、元気そうですが、心筋梗塞を予防する薬を一生、飲み続けなければなりません。

●母親・恵美さん

「一生の付き合いとは聞いているけれど、それがどういう形で起きてくるか分からないし、将来的に太ったりすると詰まるリスクも高まるし、
大人になるにつれて、もっと気をつけないといけない病気なのかなと思います」

乳幼児を中心に年々、患者が増え続ける川崎病。

速やかに受診し治療することが後遺症を防ぐためにも重要だと専門家は話しています。

●久留米大学医学部小児科・須田准教授

「熱が続く場合には、やはり川崎病も考えた上で、慣れた小児科を受診するとか、必要とあれば、超音波検査が重要になるので、超音波に慣れた病院で検
査してもらう必要があります」

■スタジオ

もう一度おさらいします。

川崎病の主な症状は、①5日以上の高熱に加え、②目の充血や、③唇や舌の腫れ④それに発疹などということです。

原因が分からないため、予防法はありませんが、初期症状が風邪と似ているので、小さなお子さんに気になる症状があればすぐに小児科などを受診してください。


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