最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

2/3ホメオパシー

2010-09-24 07:36:26 | 日記


●水からの伝言(ニセ科学)

 もちろんとんでもないエセ科学というのはある。
「水からの伝言」を例にあげるまでもない。
あれほどまでにバカげたエセ科学はない。

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09年7月に書いた原稿を再掲載します。

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●ニセ科学(pseudo science)
In Japan very strangely most of the young people believe that each man’s personal
character is decided by the blood type. It is only one of pseudo science, which widely
spread throughout Japan.

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家具屋の店員に、重い家具を搬入してもらった。
そのとき、私が「こんな家具、地震で倒れたら、たいへんだなア」と、ふと漏らすと、そ
の店員は、こう言った。
「重いから、倒れません」と。
私は、その言葉を聞いて、あっけに取られた。
血液型による性格判定についても、しかり。
つまり科学性、ゼロ!

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「Imidas、時事トレンド」の中に、こんな記事が載っていた。同志社大学教授の左
巻健男氏の書いたものだが、「人はなぜ、ニセ科学を信ずるのか?」というのが、それ。

 左巻氏は、ニセ科学として、いくつかの例をあげている。そのひとつが、マイナスイオ
ン。

(1) マイナスイオンとは、化学で学ぶ「陰イオン」ではなく、これに近いのが、大気科
学の「負イオン」である。「滝にマイナスイオンが発生している」と言うばあいには、負イ
オンだが、これが健康によいという根拠はない。

プラスイオンは「吸うと心身の状態が悪くなる」のに対して、マイナスイオンは空気を浄
化し、吸うと気持ちのイライラが解消し、ドロドロ血はサラサラに、アトピーや高血圧症
にも効き、健康にもいい」というのである。

これは「納豆ダイエット」でねつ造が発覚したテレビ番組「発掘、あるある大辞典」(フジ
テレビ系)が火付け役で、1999年から2002年にかけて、特集番組で驚くべき効能
がうたわれた。

そこから有名企業までが、マイナスイオン類似の効果をうたう商品を製品化し、エアコン、
冷蔵庫、パソコン、マッサージ機、ドライヤーや衣類、タオルなど、広範囲の商品が市場
に出されるに至った(以上、P162)、と。

 ニセ科学は、血液型による性格判定だけではなかったというわけである。電気店へ行く
と、たしかにその種のうたい文句を並べた商品は多い。私はマイナスイオンにとくにこだ
わっていたわけではないが、今度、新しく購入した冷蔵庫にも、それがあった。

 しかし左巻氏に言わせると、それもニセ科学だったとは! しかも火付け役が、あの「発
掘、あるある大辞典」だったとは! 

 左巻氏は、こうつづける。「マイナスイオン測定器でこれらを測定すると、1ccあたり、
数10万個との数値を示すが、空気の分子数とくらべると、微々たる数値にすぎないこと
に注意を要する」(同書)と。

 だからといって、つまりImidasにそう書いてあったからといって、左巻氏の意見
を全面的に信ずるのもどうか、ということにもなる。しかしここは、やはり科学者である
左巻氏の意見を尊重したい。相手が、「発掘、あるある大辞典」では、話にならない。
 左巻氏も書いているが、本当の問題は、こうしたニセ科学にあるのではなく、「人はなぜ、
ニセ科学を信ずるのか?」という部分。

 もうひとつ、こんな例をあげている。

(2) 容器に入った水に向けて、「ありがとう」と「ばかやろう」の「言葉」(文字)を書
いた紙を張り、その水を凍らせる。

すると「ありがとう」の水は、対称形の美しい六角形の結晶に成長し、「ばかやろう」の水
は、崩れた汚い形の結晶になるか、ならない。

ゆえに「水が言葉を理解する」と主張する『水からの伝言』(江本勝著)という本が話題に
なった。

水という物質が、言葉によって影響を受けるということはない(同書)、と。
 こんなアホなことは、だれにでもわかる。何も、左巻氏の説明を借りるまでもない。し
かし、だ。こんなアホな説を根拠に、教育界でも、「きれいな言葉を使いましょう」運動が
広まったという。

 理由は、「人間の体の6~7割は水だから」と。が、批判が高まると、「それに加担した
教育団体は、ホームページからその授業案を削除したが、いまもどこかで、こうした(道
徳)の授業が行われている」(同書)と。

 しかし、『水からの伝言』とは何か? 江本勝という人物は、どんな人物なのか? 少し
前、麻薬を所持していて逮捕された教育評論家がいた。彼は以前、「子どもにはナイフを持
たせろ」「親が子どもを信頼している証になる」と説いていた。

 その教育評論家は、都会で子どもたちによるナイフ殺傷事件がつづくと、いつの間にか、
自説をひっこめてしまった。私は、左巻氏の意見を読みながら、その教育評論家のことを
思い浮かべていた。

 で、さっそくヤフーの検索エンジンを使って調べてみると、それは、そこにあった。
いわく、「私たちは、水の結晶写真技術に基づいて、愛・感謝の気持ちが水を美しく変化さ
せるということを、実証してきました。水をきれいにすることにより、私たちの心身もき
れいになり、健康を取り戻し、本来持っている才能を開花することができるのです。水が
変われば世界が変わります。いっしょに波動と水の可能性を探究しましょう」(「水からの
伝言」HPより)と。

 どうやら、本気らしい。

 しかし……? 「?」マークを、1ccあたりに存在する水の分子の数ほど、つけたい。
その数は、約3x10の22乗!(ヤフー・知恵袋参照)

 数字で表してみると、こうなる。

300,0000,0000,0000,0000,0000個!

 しかし、左巻氏ではないが、どうして人は、こんな珍説を信ずるのだろう。あの占星術
にしても、そうだ。科学性は、さらに低い! ゼロどころか、ゼロにもならない!
 これも教育の欠陥といえば、それまでだが、その先には宗教があり、カルトもある。け
っして、軽く考えてはいけない。

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●ホメオパシーJ

 ホメオパシーJのHPでは、つぎのように説明している。

『……今から200年前にドイツの医師ハーネマンがその生涯をかけて確立させた療法で、
その起源は古代ギリシャのヒポクラテスまでさかのぼることができます。

ホメオパシーは同種療法あるいは類似療法と訳されている通り、「症状を起こすものは、そ
の症状を取り去るものになる」という「同種の法則」が根本原則になっています。

ハーネマンはこの「同種の法則」に、症状を起こすものを非常に薄めて使うことにより、体
に悪影響を与えることなく、症状だけを取っていくものとなるという「超微量の法則」を打
ち建て、安全で体にやさしく常習性を持たないホメオパシー療法を完成させました。

ホメオパシーでは症状を抑圧するのではなく、症状を出し切れるように後押しします。そ
うして初めて心身ともに健康になると考えます。 私達の心や細胞が抱える不自然なパター
ンを解放し、体の芯から健康を取り戻す自然療法、それがホメオパシーです』と。

 よくわからない……というより、「植物や動物、鉱物などを希釈した水を染みこませた砂
糖玉を飲む療法」(中日新聞)というのとは、少しちがうのではないか?
もう少し詳しく調べてみると、同団体のY氏が、朝日新聞社の記者のインタビューに
答えてつぎのように述べているのがわかった。

『……ここまで薄めると毒の物質は、事実上もう入っていないが、「薄める時によく振るこ
とで、毒のパターンが水に記憶される」と協会会長のYさんは解説する。

「自然治癒力が病気と闘っている時に現れるのが病気の症状。西洋医学は症状を緩和する
が治癒はさせない」。ホメオパシーで治せる病気は精神病から皮膚病まで多種多様で、がん
治療も可能かと聞くと、Yさんは「そうです」と力強く答えた』(朝日新聞)と。

 ……と思いつつ、「ホメオパシーJ」のHPを読んでいくと、「?」がいくつか頭の
中を横切った。

 どこかカルト化している?
そんな印象ももった。
「がん治療も可能と力強く答えた」というのは、ま・ず・い!

●レメディー

 「植物や鉱物などを高度に希釈した液体を小さな砂糖の玉」を、「レメディー」と
呼ぶらしい(同HP)。
その玉を「舌下に入れ、溶けるのを待ちます」と。
もう少し詳しく説明すると、つぎのようらしい。

『……レメディーは、舌下に入れて溶けるのを待ちます。基本的にレメディーを摂る20分
前後は、口の中に何も入れないよう指示されますが、レメディーを摂る20分前後に飲食を
すると効果がなくなるということはありません。時間的に余裕のない時は、飲食前後の20
分以内でも構いませんので、レメディーをお摂りください。

但し、コーヒーや香りの強いもの(ミントが含まれている歯磨き粉等)は、レメディーに影響
を与えることがありますので、レメディーを摂る前後20分ほどは、避けるようにしてくだ
さい。また、レメディーを摂り続ける期間中は、できるだけコーヒーを飲まないようにし
た方が賢明です。レメディーの作用を消してしまう場合もあると言われています。
メンソール、ユーカリ、樟脳などの香りが強い場所は、レメディーの保管に向いていませ
ん。

レメディーを摂る本人以外はレメディーに触れないようにしてください。レメディーに触
れると、多少触れた指からもエネルギーが入ってしまいます。しかし、緊急時や赤ちゃん・
動物等に与える場合には、かまわず自分の手に取ってすばやく口に入れてあげてください。
時間にゆとりがある場合には、スプーンなどを使ってレメディーを相手の口の中に入れて
あげるか、レメディーを水に入れて溶かし、その水を飲ませるなどの方法を取ってくださ
い』(同、HP)と。

 この中でとくに気になる部分は、『レメディーを摂る本人以外はレメディーに触れないよ
うにしてください。レメディーに触れると、多少触れた指からもエネルギーが入ってしま
います』というところ。

 レメディーに触れると、多少触れた指からも、「エネルギー」が入ってしまう、と。

 エネルギー?

 さらに「薄める時によく振ることで、毒のパターンが水に記憶される」という意見も
たいへん気になる。
毒のパターンが水に記憶される?
これなどは、まさにあの「水からの伝言」そのもの。

 またレメディーというのは、キャンディーのこと?
だったらそういうキャンディーなら、いくらでも市販されている。
いろいろなフルーツの味で作った、「森永キャンディー」というのもある。
私は子どものころ、大好物だった。
(だから虫歯だらけになってしまったが……。)
しかし「エネルギー」までは、考えなかった!

●私の印象

 私は実は、この原稿を書き始める前は、ホメオパシーに好意的というか、擁護的な
印象を抱いていた。
「200年前からあった」という、年数にも敬意を払った。
ひょっとしたら、人間が本来的にもつ免疫機構に、何らかの作用を及ぼすのではないかと
も考えた。
それに「科学性」という言葉には、両刃がある。
「科学性があるから……」といっても、すべてを信じてはいけない。
「科学性がないから……」といっても、すべてを否定してはいけない。

 しかし結論を先に言えば、やはりどうも胡散(うさん)臭い。
ホメオパシーJのHPを読めば読むほど、疑惑が強くなった。

……という程度にしか、今は書けないが、ともかくも胡散臭い。
科学性のあるなしを論ずる以前の問題のようでもある。
さらに言えば、信仰のレベルを超えて、カルト化している?
ホメオパシーについては、そんな印象ももった。

 今回は、外堀だけを埋め、この先は、もう少し様子をみてから書いてみたい。
何とも歯切れの悪い原稿で、ごめん!

 ホメオパシーは、本当に効果があるのかないのか。
その正体は何なのか。

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Hiroshi Hayashi+++++++Aug. 2010++++++はやし浩司※

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