最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

●緑の木々と恐慌前夜

2011-08-07 11:47:56 | 日記
●8月7日(日曜日)「金こそ、すべて」(恐慌に備えて……)

++++++++++++++++++++++++++

ヤフーニュースのトップには、こうある。

『G7緊急電話会議開催か=関係筋

 関係筋が7日明らかにしたところによると、
先進7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁による
緊急電話会議が始まったもようだ』と。

この(あわてぶり)が、現在の経済危機を表象している。

++++++++++++++++++++++++++

●不思議なほどに平和な世界

 まるで何ごともないかのように、窓の外ではセミが鳴いている。
真っ青な空。
深々とした緑の色。
そのコントラストがまばゆいほどに、美しい。
が、この不思議なほどに平和な世界は、いったい何なのか?
どうとらえたらよいのか?
そう、今、世界は大激動の真っ直中にある。
 
●限界

 基本的には、お金(マネー)の奪いあい。
が、アメリカにしても、EUにしても、そしてこの日本にしても、お金には困らない。
必要となったら、印刷機を回せばよい。
回しても回しても、世界の人たちは、そのお金をほしがる。
……というのが、今までの図式だった。
が、それが限界を超えた。
度を越した。

●経済破綻

 ギリシアやアイルランドは、とっくの昔に破綻状態。
それがスペインやイタリアに波及しそうな気配になってきた。
が、スペインやイタリアが破綻したら、どうなるか?
経済規模がちがだけに、EU全体に与える破壊力は、桁違いに大きい。
が、それだけではない。
その上を行くのがアメリカ。

 天文学的数字の額のドルを印刷しておきながら、さらに増刷につづく増刷。
ここ1、2年、さらにその額が二次曲線的に急上昇している。
「上限案」もそのために生まれたが、その上限もすでに軽く突破。
もちろんこの日本も、あぶない。
どうあぶないかは、すでに、みなさん、ご存知のとおり。

●水とパン

 人は、パンと水のみで生きるものではない。
それはわかるが、パンと水がなければ、生きていくことはできない。
が、世界人口はふえつづけている。
すでに70億人!
ほんの少し前まで、60億人と思っていたが、もう70億人。

が、世界の穀物生産にも限界がある。
すでに世界の穀物価格は、過去3年間だけをみても、
すでに3倍近くにまではねあがっている。

たとえば、大豆価格……08年比で、2・6倍
小麦価格……08年比で、2・3倍
とうもろこし価格……08年比で、3・1倍。
(農林水産省調べ・MMF・2010)

 世界中の人が、その「パン」を求めて、熾烈なまでの闘争を繰り返している。
それが今回の大恐慌の元凶と考えてよい。

●100分の1

 今朝の新聞は、「週明けから、市場は波乱含み」と書いている。
株価の大暴落、円の急騰などをさしたもの。
言い換えると、世界中が、カオス(chaos=大混乱)状態になる。

(1)みなさんは、銀行預金を、1000万円以内に収めたか?
(2)みなさんは、余剰資金をできるだけ現物資産(貴金属)に交換したか?
(3)みなさんは、株式投資、債券投資から手を引いたか?

 もしそうなら、それでよし。
そうでないなら、大損害に備えるべし。
「一般投資家の95%は、すでに損をしている」という。

私の知人は、あのリーマンショックのとき、1億円の資産(株資産)を、1000万円にしてしまった。
「S」という名前の会社だった。
で、相談があったので、「10分の1でもよいから、損切りをしなさい」と忠告した。
が、それに従わなかった。
そのあとも株価は下落しつづけ、結局は、それが100万円になってしまった。
つまり100分の1!

 その知人は、その数か月後、50年つづけた洋品店を閉めた。
そればかりか、精神状態までおかしくなってしまった。

(たった今、その「S」という会社の株価を調べようとしてみたが、その会社はすでに倒産していた。2011年8月。)

●二番底

 「自業自得」という言葉がある。
しかし素人が投資に手を出して成功する確率は、5%もない。
今ではプロは、1000分の1秒単位で、取り引きをする。
そんなプロを相手にして、勝てるわけがない。

 だから大損をしても、自業自得ということになる。
あの絶対安心株と言われた「東京電力」にしても、いくら震災が原因とはいえ、2100円から、一時は200円程度まで値をさげている。
現在は410円。
それでも5分の1!

 「退職金で東京電力株」というのが、関東地方では半ば常識だった。
私が書いたこのエッセーを読んで、「自業自得とは何だ! あの林(=私)め!」と怒っている人も多いはず。
が、ここで終わったわけではない。
「二番底」は、明日(8日)から始まる。

●金こそ、すべて

 私は、自由主義貿易体制を否定する者ではない。
しかしそれと「資本主義体制」とは、切り離して考えた方がよい。
「どう切り離すか」と問われそうだが、資本主義体制は、基本的には「欲望」のカタマリ。
ドス黒い欲望が、その下で渦を巻いている。
わかりやすく言えば、いくら利潤の追求をもくろんでも、欲望の奴隷になってはいけない。
どこかで一線を引く。
でないと、「Money is Everything(金こそすべて)」となってしまう。

 資本家の話しではない。
そこらの商店主ですら、守銭奴になり、「金こそすべて」と考えている人は、いくらでもいる。

●ここは覚悟!

 ともかくも嵐はやってきた。
が、突然、やってきたわけではない。
すでに何か月も前から、(あるいは昨年あたりから)、予想されていたこと。

 が、日本人というのは、おめでたい。
集団的楽観主義が、国是にもなっている。
「何とかなる」「だれかが何とかしてくれる」と。
「もの言わぬ従順な民意識」が、骨のズイまでしみこんでいる。

だから嵐がやってきても、アタフタとするだけ。
行く道を見失い、オタオタするだけ。
が、もちろん、これではいけない。
自分で考え、自分で行動する。
この嵐の中で生き抜くには、これしかない。

 仕事がなくなったら、リヤカーでも引いて、行商すればよい。
事実、私はそうしたぞ。
浜松へ来たころ、地元の画家の絵をリヤカーに積んで、住宅街で売って歩いたぞ。

 仕事がなくなったら、電柱に、張り紙でもして内職をすればよい。
事実、私はそうしたぞ。
結婚したころ、ワイフと2人で、「翻訳します」という小さな張り紙を張って歩いたぞ。

●相変わらず……

 相変わらず窓の外には、のどかな景色が広がっている。
先ほど餌をまいたあたりには、スズメたちが集まっている。
キジバトもやってきた。

 その向こうでは、小さな畑の野菜の葉がゆっくりと揺れている。
肥料を多めに施したせいか、どの野菜の葉も、今年は巨大化している。
ナスの葉にしても、まるでウチワのよう。
それがユサユサと揺れている。

 人間界のカオスなど、どこ吹く風。
それが不自然なまでに現実離れしている。
しかしこれが現実。
まぎれもない現実。
何も変わっていない。
私たちは、それを信じればよい。
それを信じて、明日に向かって歩けばよい。
この先、何があっても、動じない。
この真っ青な空、深々とした緑の木々のように……。
2011/08/07記


Hiroshi Hayashi++++++Aug. 2011++++++はやし浩司・林浩司


コメントを投稿