最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

(2)

2010-06-18 08:58:03 | 日記


 分離不安症。親の姿が見えなくなると、混乱して泣き叫んだり暴れたりする。大声をあ
げて泣き叫ぶタイプ(プラス型)と、思考そのものが混乱状態になり、オドオドするタイ
プ(マイナス型)に分けて考える。

私はこのほかに、ひとりで行動ができなくなってしまうタイプ(孤立恐怖)にも分けて考
えているが、それはともかくも、このタイプの子どもは多い。4~6歳児についていうな
ら、15~20人に1人くらいの割合で経験する。親がそばにいるうちは、静かに落ち着
いているが、親の姿が見えなくなったとたん、ギャーッとものすごい声をはりあげて、そ
のあとを追いかけたりする。

 原因は……、というより、分離不安の子どもをみていくと、必ずといってよいほど、そ
のきっかけとなった事件が、過去にあるのがわかる。はげしい家庭内騒動、離婚騒動など。
母親が病気で入院したことや、置き去りや迷子を経験して、分離不安になった子どももい
た。

さらには育児拒否、虐待、下の子どもが生まれたことが引き金となった例もある。子ども
の側からみて、「捨てられるのではないか」という被害妄想が、分離不安の原因と考えると
わかりやすい。

無意識下で起こる現象であるため、叱ったりしても意味がない。表面的な症状だけを見て、
「集団生活になれていないため」とか、「わがまま」とか考える人もいる。無理をすればか
えって症状をこじらせてしまう。いや、実際には無理に引き離せば、しばらくは混乱状態
になるものの、やがて静かに収まることが多い。

しかしそれで症状が消えるのではない。「もぐる」のである。一度キズついた心は、そんな
に簡単になおらない。この分離不安についても、そのつど繰り返し繰り返し症状が現われ
る。

 こうした症状が出てきたら、鉄則はただ一つ。無理をしない。その場ではやさしくてい
ねいに説得を繰り返す。まさに根気との勝負ということになるが、これが難しい。現場で、
そういう親子を観察すると、たいてい親のほうが短気で、顔をしかめて子どもを叱ったり
しているのがわかる。「いいかげんにしなさい!」とか、「私はもう行きますからね」とか。
こういう親子のリズムの乱れが、症状を悪化させる。子どもはますます被害妄想をもつよ
うになる。

 分離不安は4~5歳をピークとして、症状は急速に収まっていく。しかしここにも書い
たように、一度キズついた心は、簡単にはなおらない。

ある母親はこう言った。「今でも、夫の帰宅が予定より遅くなっただけで、言いようのない
不安感に襲われます」と。姿や形を変えて、おとなになってからも症状が現われることが
ある。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
分離不安 子供の分離不安 後追い人見知り 人見知り)


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●退職後の夫婦生活

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「みんな今ごろ、どうしているんだろう?」と、
そんなことをよく考える。
健康問題、経済問題、そして家族問題などなど。
60歳を過ぎてから、こうした問題が、質的に
変化したのを、私は直接、肌で感じている。

それまでは、かなり楽天的だった。
「どうにかなる」という思いが強かった。
しかし今は、ちがう。
どのひとつをとっても、深刻さがましている。
あるいは考えれば考えるほど、袋小路に入って
しまう。

夫婦関係についても、そうだ。
たとえば私たち夫婦は、よく喧嘩する。
喧嘩といっても、私の側からの一方的なもの。
が、たいへん幸いなことに、私のワイフは、精神的に、
きわめて安定している。
だからふつうだったら、喧嘩にならないはず。
ワイフは、いつも私を軽くあしらう。
私を無視する。
だから喧嘩する(?)。

が、喧嘩が悪いというのではない。
たいてい1~2日で、仲直りする。
私のほうがあやまれば、それですむ。
つまりは、いつも私のひとり芝居?

が、その喧嘩も、このところ(さみしさ)を帯びてきた。
若いときのような「お祭り」では、すまなくなってきた。
あれほど気丈夫だったワイフも、60歳。
気弱になった。
「私には、あなたしかいない……」と、そんな弱音を
吐くこともある。

が、この年齢で、マンネリほど、恐ろしいものはない。
「そこにあなたがいて、ここに私がいる」というような
状態では、たがいに息が詰まってしまう。
そこで私たちは、この危機(?)を乗り越えるため、
2010年に入って、こんなことをするようになった。
「一泊旅行」である。

講演に招かれるたびに、それを利用して、2人で旅行をする。
何かネットでよい情報が飛び込んできたら、すかさず、それを
利用する。
たがいの倦怠感を吹き飛ばすには、旅行がいちばん。

……ということで、今夜は、細江町にある国民宿舎にやってきた。
キャンペーン中ということで、一泊9000円弱で泊まれた。
新装、増改築したばかりで、星はもちろん5つの★★★★★。
(星の数は、(料金の満足度)x(サービスの満足度)で計算。)

【注:国民宿舎奥浜名湖、電話、053-522-1115。
〒431-1305 静岡県浜松市北区細江町気賀1023-1
JR浜松駅からは、車で40分ほど。
東名西インターからは、15分ほど。
この国民宿舎の売り物は、何と言っても、窓からの景色。
小高い丘の山頂にあって、見晴らしがすばらしい。】

何といっても、風呂が清潔なのがよい。
食事も、料金が料金だから、ぜいたくは言えない。
満足+大満足。

またこういう旅館でワイフを見ると、別人(愛人かな?)のように
新鮮に見えるから不思議。
遠くへ行くのもよいが、こうして近くにある温泉をめぐるのも、
また楽しい。

60歳を過ぎて、夫婦関係に悩んでいる人は、ぜひ一度、
旅行を試してみてほしい。
行くまでは何かと迷うが、こうして来てしまうと、いつも
「よかったね」となる。

そう、今夜も食事が終わった後、ワイフに「来てよかったね」と
声をかけると、ワイフもうれしそうに笑った。
これでしばらくは(?)、我が家も平穏な日々がつづきそう。
……と言いながら、すでに来週の行動計画を立て始めている。

そうそう、6月は、あちこちへ講演で呼ばれる。
その前後にどこかの旅館に、一泊する。
忙しくなりそう!

(はやし浩司 国民宿舎 奥浜名湖 夫婦の倦怠期 老後の夫婦 夫婦問題)


Hiroshi Hayashi+++++++May. 2010++++++はやし浩司

【感情論】(感情と感動、そして教育とは)

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人は悲しいから、泣くのか。
泣くから、悲しいのか。

「悲しいから、泣く」という説を、
中枢神経起源説という。
「泣くから、悲しい」という説を、
末梢神経起源説という。
(以上、齋藤勇著「心理学の基本が
すべてわかる本」より)。

ほかにも、
(1)ジェームス・ランゲの末梢神経説
(2)キャノン・バードの中枢神経説
(3)アーノルドの情緒評価説
(4)プルチックの心理進化説
(5)シャクターの認知―生理説
があるという(同書、P53)。

 どれも一長一短というか、納得できる部分もあれば、
そうでない部分もある。
人がもつ「感情」というのは、それぞれの
ばあいにおいて、複雑なメカニズムを通して
生まれるものらしい。

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●共鳴性

 私たちは、「心の暖かい人」というとき、どういう人を、心の暖かい人というのか。
また「心が暖かい」というのは、心のどういう状態をいうのか。
一方、「心の冷たい人」というとき、どういう人を、心の冷たい人というのか。
また「心が冷たい」
というのは、心のどういう状態をいうのか。

 EQ論(情緒指数=人格の完成論)では、他者との共鳴性の高い人を、人格の完成度の
高い人という。
わかりやすく言えば、「心のポケット」が多い人を、共鳴性の高い人という。
その分だけ、他人の悲しみや苦しみを、よりよく理解できる。
相手の立場で、相手の気持ちになって、ものを考えることができる。
ただ、そういう人を、短絡的に、「心の暖かい人」と言ってよいかどうかはわからない。
共鳴性が高い人は、概して、「心の暖かい人」とみる。
しかし共鳴性が低いからといって、「心の冷たい人」ということにはならない。

 たとえば私は、実兄、実母の介護を経験してはじめて、介護の苦労というものがわかっ
た。
それまでの私には、わからなかった。
「私」という人間は同じ人間なのに、介護の経験をする前と後とでは、介護をする人に対
する共鳴性は、大きく変わった。
今だと、介護で苦労している人の気持ちがよく理解できる。
相手の立場で、ものを考えることができる。
心のポケットができたためと考えてよい。
が、つまりだからといって、私が「心の暖かい人間」になったとは、言えない。

 心が暖かい、冷たいという基本的な部分は、ポケットの有無によっては、変わらない。
ポケットの有無にかかわらず、それ以前に、その人の性質として備わっている。
それが共鳴性ということになる。

●脳のCPU(中央演算装置)

 一方、私の知人にこんな人(男性、65歳くらい)がいる。
他人の不幸が、何よりも楽しいらしい。
用もないのに他人の家の不幸をのぞいては、それを酒の肴(さかな)にして、楽しんでい
る。
心の壊れた人だが、当人は、そうは思っていない。
おかしなことに、自分では、他人の面倒をよくみる、心の暖かい人物と思い込んでいる。
脳のCPU(中央演算装置)が狂っているから、自分を客観的に評価することができない。
自分を基準にして、自分を見る。

 心の冷たい人というには、そういう人をいう。
……と断言するのも、むずかしい(?)。
で、そこで登場するのが、「感情論」。

 私たちがもつ「感情」というのは、いったい、脳のどの部分で、どのようにして生まれ
るのか。
それがわかれば、心の暖かい人と、そうでない人を、大脳生理学的に分類することができ
る。
感情が豊かで、何かにつけ共鳴性の高い人を、「心の暖かい人」という。
たとえば映画『男はつらいよ』の中に出てくる、寅さん的な人を、想像すればよい。
感情が平坦で、共鳴性の乏しい人を、「心の冷たい人」という。
たとえばコミック『ゴルゴ13』に出てくる、ゴルゴ13的な人を、想像すればよい。

●泣くから悲しい

 冒頭に書いたことを、もう一度、考えてみる。

人は悲しいから、泣くのか。
泣くから、悲しいのか。

「悲しいから、泣く」という説を、中枢神経起源説という。
「泣くから、悲しい」という説を、末梢神経起源説という。
が、同書によれば、現在は、「このふたつの中間のような生理・認知二因説をとっている」
「感情は生理的興奮と認知のふたつによって起こるという説」(同書、P54)ということ
らしい(シャクター)。

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