板東しょうごの「ふるさと三木に帰れる町に!」

一度三木から離れた若者が、ふるさとに帰ろうとしても、仕事がないから帰れない。若者がふるさと三木に帰ってこれる町にしたい!

二宮厚美神戸大学名誉教授の講演を聞いて - その2(財政の在り方)

2014-05-04 14:37:49 | 研修会など

前回は、社会保障を国民の権利として、国の責任で持って保障しなければならないというはなしを書きました。

二宮先生の話はそのあと、分権化の話をされたのですが、その前に社会保障の財源はどう考えるのかという話になると思います。


国家公務員一般労働組合が二宮先生にインタビューをされておりその内容がユーチューブBLOGOSの記事になっています。

財源の前に財政の話を少しします。

 

 行政の財政を考える上で、「量出制入」(支出額を決定して収入を考える)はこれまで基本でした。

一方で、一般企業や家計の考え方は「量入制出」(収入額を決定して支出を考える)です。

しかし、財政再建を議論すると行政機関でも「量入制出」を基本に考える傾向があるようです。

 

 では、財政赤字の原因は「社会保障費の増加」だ言われます。

高齢化社会等による自然増があることは確かでしょう。

しかし、構造改革が原因で貧困が広がる中で社会保障費が増加していることを指摘しています。

 

 また、それ以上に税収が減っていることが問題だと言っています。

(※下のグラフは財務省のHPから参照です。資料は板東が調べた内容で、二宮先生がこの資料を参照した訳ではありません。)

http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei/04.htm

 『※平成3年(1991年)の4つの税収が50.9兆円なのに対して、平成22年(2010年)は33.3兆円です。平成2年(1990年)10月にバブル経済が破綻し20年スパンでみると所得税、法人税は右肩下がりだと言えるでしょう。一方で、消費税は税率が3%から5%と上がることで20年スパンでは右肩上がりだと言えます。』

 

 税収が少ない原因を①課税ベースになる所得が伸びていない②新自由主義的税制改革で税制そのものが空洞化してしまったことを指摘しています。

 

※新自由主義的税制改革=法人税・所得税を減税し、消費税を増やして基幹税化すること。

 

これからの超高齢化社会に対応するために増税はやむなしとしています。 しかし、その財源を消費税に依拠することには問題ありとしています。

 消費税が基幹税になると水平型再分配となり、所得の再分配が行われなくなるからです。

社会保障を国民の権利として国の責任で保障させるという立場に立つと垂直型再分配の機能を持った税制となります。

基幹税として法人税・所得税を国税として位置付けるべきだと考えます。

 

 この議論になると新自由主義者からは法人税や所得税を上げると企業や富裕層が海外に出ていくと言われます。

この点について二宮先生は分権化の問題と一緒に議論しています。この点は次回にしたいと思います。