闘え!文庫魂

空手を愛する熱い仲間たち
金沢文庫木元道場生におくるメッセージ

第6回フルコンタクト空手道選手権大会その2

2021年06月24日 | 仲間たちへ
 前回に引き続き第6回全日本フルコンタクト空手道選手権大会のご報告を書きます。

決勝日、勝ち残った手島海咲選手と8時半にチェックイン、9時に入場します。前夜は初日のライブチケットを購入しアーカイブ放送によって視聴できると言う初日の試合を見て、対戦相手の対策を研究する予定でしたが視聴環境が悪くほとんど見ることができませんでした。少し横になっては携帯を確認するの繰り返しで、結局諦めて過去の試合映像を再度見ながらで有効なアドバイスないか探しているうちに夜が明けて来ました。眠る時間は余り取れなかったのですが緊張感のせいか眠気はほとんど感じませんでした。
その日もアップは選手の意向に沿った形で行いました。女子の準決勝は男子の準々決勝が終わってからですのでかなり時間があります。どのタイミングでどの程度のウォーミングアップを行うのかは選手に任せ、私はその希望にすぐ対応できるように準備をして待機します。
そして準決勝に向かいます。対戦相手は新極真会江戸川道場の小嶋夏鈴選手です。小島選手はフットワークによる回り込み、突きの打ち分け、下段と膝蹴りが左右バランスよく出る非常にセンスを感じる選手です。強い打ち合いの中で近距離からでも出る左上蹴りも注意が必要です。手島選手は以前も対戦していますが、その時よりも格段に攻撃の強さと確実性が上がっていました。足技の数はほぼ互角でしたがショートパンチを含むパンチの手数とバリエーションの豊富さで上回り、本戦判定勝ちします。
 続いて行われた水谷選手の準決勝。相手は桜塾の清水選手。清水選手も強い選手ですが、水谷選手が強い打撃で上回り本戦勝利します。大方の予想通り決勝の相手は久保田道場の水谷恋選手に決まります。
 4月にトーナメントが発表になってから対戦するであろう選手の対策に入りました。もちろん戦うのは選手自身ですので、本人がその意識を一番持つのは勿論です。でもそれは、指導の立場にいる者が対戦相手をイメージせずに、総花的な指導で終わってしまって良いということにはなりません。こちらの選手も過去の試合の動画で得意な動きやウィークポイントを研究されます。それを織り込んだ上で選手が対戦相手との戦いの中でより良い動きができるよう指導する責任があると考えます。菊川選手が出場しないと分かった時点で優勝するには水谷選手が最も大きな壁になるだろう事は予想されました。昨年の無差別の全日本で軽量級でありながら重量級の強豪を下してベスト4に入っています。文庫の道場も4月には道場の改装とウェイトルームの拡充、トレーニングマシンの導入が完了し、大会に向けてより良い形でのウェイトトレーニングをスタートする事ができました。それでも2ヶ月足らずで水谷選手と正面から打ち合って凌駕できるパワーや攻撃力を獲得するのは難しいと感じました。そうなれば回り込む手島選手を研究して攻撃を当ててくるであろう水谷選手に対し、さらに高いレベルの回り込みと、回り込みと攻撃を一体化する技術を磨き、強い攻撃を受けてもダメージを受けにくい、崩されにくい身体を作る。最後のきつい状態でも動けるメンタルとフィジカルを獲得するということに主眼を置いてトレーニングを含めた稽古を行いました。
 試合の1週間ほど前、神奈川東横浜支部の東神奈川道場に事務処理のため訪れた時、大会のパンフレットが到着しており目を通しました。水谷選手のインタビュー記事にあった稽古時間に関する件は少なからず衝撃を受けました。手島選手も全日本以降稽古の時間を増やしてきましたがそれでも水谷選手の稽古時間は驚異的なものでした。「もっと稽古時間を増やすべきだったか?」と考え不安が頭を跨げます。しばらく考えましたが指導者の不安は選手に伝染します。でき得る時間の全てをかけて全力で稽古した手島選手を信じる、彼女が優勝できるように全力で指導してきた自分の指導を信じる事に決めました。その日道場を訪れた選手の前であえてこの話題に触れます。自らに言い聞かせる様に皆に思いを伝えます。
そして、いよいよ決勝戦です。
(続きます。)


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