葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

星霜 9年を経て

2005年12月04日 10時29分21秒 | 日記 ・ 雑記録
葡萄舎の竣工は 1996年12月28日だから、今年末でまる9年になる。
葡萄舎の玄関は、車1台がやっと通るだけの道路に面している。
玄関を出れば、お向かいが眼に飛び込んでくる。
花壇には一年中咲く花が絶えず、殺風景な葡萄舎は、お向かいの花と緑にどれほど救われたことか。
9年間、ず~っと見続けてきたお向かいが、近々に取り壊すことになった。

お向かいのご家族は遠くに居て、年配の奥さんが一人で住んでいらした。
お付き合いらしいお付き合いはほとんどなく、顔を合わせば挨拶をする程度。
今春、その奥さんが、不憫な亡くなり方をされた。
私は第1発見者ではなかったけれど、消防と警察へ電話したのが私だから、
初期発見者、ということになる。

奥さんが亡くなっても、花壇の草木は、季節になると花をつけた。
丹精込めた草木だから、その咲きっぷりは並みじゃない。
無人の建物を見るたびに、面倒を見る人のない草木を見るたびに、あれやこれやを思った。

9年間、なんら変化のなかった裏通りの景色が変わる。
朝から冷たく時雨れる今日、初めてお向かいの建物を写した。
予定では、明日から取り壊しが始まる。 合掌。