ますぶちStyle/宝石箱の片隅

ジュエリーや宝石、真珠を中心に、ジュエリー・ビジネス、歴史まで幅広く書いていきます。是非ご一読下さい。

増渕邦治全仕事 ART DIRECTION vol-07・南洋真珠協会

2023年07月06日 | 日記

増渕邦治全仕事

ART DIRECTION vol-07・南洋真珠協会

 

 


 

『一通りの仕事はしたけれど』

 

ミキモトを退社して独立したのが1992年の冬でした。

ちょうどバブルが弾けて、ジュエリー業界にも未曾有の不況がくる前年でした。

それまで日本の小売市場が2兆8000億円で

誰もが5兆円産業になる、と信じて疑わなかったのです。

また、1993年はミキモト真珠発明100周年にあたり

大きな事業計画が進んでいました。

そんな時に独立したのですから、誰の目から見ても無謀としか映らなかった。

ところが“案ずるよりは産むが易し”で、仕事は順調に進みました。

まもなく、黒蝶真珠輸入協議会やJJDA、南洋真珠協会

そして複数のメーカーからお座敷がかかるようになったのです。

この画像は南洋真珠協会の業界誌や会員向けのポスター用に作成した物です。

ご存知のように南洋真珠(シロチョウパール)協会のボスは

オーストラリアのパスパレーで

日本の南洋真珠を取り扱う業者は

いってみればパスパレーの下部組織のようなものです。

日本のアコヤ真珠が下降線を辿る中

南洋真珠は生産量では中国淡水には及びませんが

世界の真珠を牛耳っているといえるでしょう。

残念ながら、南洋真珠協会の仕事は

担当者と基本的な意見が食い違って、1年ほどで降りました。

パスパレーに直接食い込んでいたら

もしかしたら状況は変わっていたかもわかりませんが・・・。

でも一通りやりたいことはやれたので、悲観的にはなりませんでした。

独立すると、社内でいたのとは違った局面がでてきます。

それを乗り越えなければ、独立してフリーになった意味がありません。

面白い15年を過ごすことになります。