前田英樹著『絵画の二十世紀』
ますぶちStyle/宝石箱の片隅
「JAMの本棚-26」
19世紀になって絵画や彫刻の美術界は、
それまでのアカデミックな環境から一変していく。
さまざまな様式(スタイル)が生まれ統合され、
19世紀の中頃に
印象派が生まれることによって近代美術が確立される。
しかし20世紀に入ると、
表現手法は写実から乖離して、
フォービズム、キュビズムやシュルリアリズムなど、
それまでにない新しい概念(表現手法)が次々に登場する。
この本はその中でも
セザンヌからアンリ・マチス
そしてピカソ、ジャコメッティをたどりながら、
20世紀の絵画が如何に変貌を遂げたか、について
判りやすく解説している。
私たちは絵画と言うと、
とかくルネサンスのミケランジェロやラファエロ、ダ・ヴィンチ
印象派のモネ、ドガなどに眼を奪われがちだ。
しかも中学高校などの美術の時間では
20世紀にまで触れることはない
(少なくとも私は大学まで20世紀の現代美術に触れる機会はなかった)。
しかしいまはもう
21世紀に入ってしまったのだから、
もっと20世紀の美術について学ぶ必要があると思う。
20世紀の美術に関してはピカソだけでなく、
ダリ、カンジンスキーやジャコメッティ、キリコ
などを知らないと理解できないことが多い。
そしてジュエリーについても、
戦後のモダンジュエリーの系譜について
そろそろ誰かが提示しなければならない時期に
来ているのは明白である。
少なくとも
自分たちが扱っているジュエリーは、
戦後どのような経緯を経て今日に至っているか、
この事を各自が検証出来なければならない。