「2083―ー欧州独立宣言」日本語版

グローバル極右界の「共産党宣言」、現代世界最大の奇書

2.7 チャーチルを待つのかゴドーを待つのか(p339~)

2012-11-14 21:28:17 | 西洋史
 前へ

 
フョードマン同志


 2007年執筆
 出典

 最近の欧州政治をみていると、サミュエル・ベケットが書いた「無為の王」たる傑作戯曲『ゴドーを待ちながら』を思い出してしまう。ウラジーミルとエストラゴンの二人がただゴドーという男を無為な話をしながら永遠に待っているだけの物語だ。
 2005年のデンマーク預言者戯画騒擾の時、このフョードマンは半昏睡状態だった欧州人民がイスラムの脅威の前に覚醒したと歓喜したものだ。その衝撃は9・11や英西でのテロ事件より大きかったかもしれない。お馬鹿すぎる戯画で簡単に火病するムスリムは決して西欧の民主主義とは折り合わない。欧州民心は、「イスラムは平和の宗教」という洗脳に対し、本格的に嫌悪感を示し始めた。
 ドイツでは56%が「文明の衝突」という概念を信じ、7割が「イスラムは不寛容」、9割が「イスラムは女性差別」と看做しており、56%がイスラム国家内での教会自由化なきモスク新設に反対している。4割はイスラム的慣習を制限することに肯定的だ。オランダやスウェーデンでも、3分の2近くの国民がイスラムは現代社会と習合不能と回答した。PC主義の呪詛は無効化されつつある。
 しかし、ユーラビアという概念も知らぬ民心はまだまだ無知だ。大量移民受け入れを推進してきたEUは砕粉されねばならない。EU人材こそが大量移民で欧州の解体を進めてきたからだ。
 誰かユーラビア化を止めてくれる元首はいないものか?ナチスへの宥和を止めさせた英国のチャーチルの如き。残念なことに誰もいない。ブレアはイラク戦争以外全く駄目だ。ある意味チェンバレンより悪い指導者だ。フランスのドビルパンはナポレオン情結症(コンプレックス)のユーラビア道化師だ。サルコジはまだましな方だが、欧州内部の問題で手一杯だ。(あ、フランスこそユーラビアの根源だから除外するか)。スペインはアルカイダに屈して左翼のサパテロを首相に選んだ。イタリアは「好醜の情君」ベルルスコーニを排除して「ユーラビアの忠犬」ロマーノ・プロディを首相にした。大国で最も期待できるのはドイツのアンゲラ・メルケルだけだが、彼女もまたEU憲法を支持していて、欧州の脱ユーラビア化は望めない。唯一の希望はデンマークのラスムセン首相だけかも知れないが、デンマークは小国だ。ああ、当代のチャーチル待望論はゴドーを待つのと同じことなのだろうか?
 今チャーチルが現れても、マスゴミは彼をアル中化してしまうのではないか?しかし、チャーチルはイスラムの真名を理解していた。1899年刊行の戦記『河畔の戦争』における預言者ムハンマドの記述を引こう。

 預言者の呪詛は何と恐ろしいものか!その火病性は恐水病の犬の如く、信徒に驚愕なる無気力を齎している。預言者の進むところ、慣習も農耕も商業も財産も荒光し、歓喜なる生は喪失する。シャリーアの定める「娘は俺の絶対附属物」論は、奴隷制廃止をイスラム最終討滅の日まで遅延させる。個人としては優秀なムスリムも宗教教義の前にその生気を奪われる。燎原の中央アフリカで顕現したように、イスラム程先軍的な改宗を行う宗教はない。キリスト教が科学の庇護の基に無かりせば、欧州文明は古代ローマと同じく崩壊していただろう。

 チャーチルはバトル・オブ・ブリテンでこう演説した。「大英国島を死守せよ、犠牲に構うな、浜辺でも滑走路でも路上でも丘でも。決して降伏するな」歓楽に溺れる今日の欧州人はどう反応するだろうか。今ならチャーチルはきっとこの演説をこう改めるだろう。「大欧州を死守せよ、犠牲に構うな、氷菓の販売車でも、有線電視台の上でも、風呂の中でも、飾爪店でも。決して降伏するな」と。
 欧州は「絶対なる真名」という概念を失い、「万物は対等」という考えに支配されてしまった。武力闘争を通して得るべきものは何もないという虚無感が欧州の趨勢となっている。欧州への信頼感は第一次世界大戦の塹壕からロシア革命やナチ思想が生まれた時揺らぎ、アウシュビッツで喪失したのかもしれない。この厭世観を英国の「塹壕の詩人」ウィルフレッド・オーウェン(1893~1918)に見ていこう。
 オーウェンはソンムの激戦で弾丸恐怖症に陥った。塹壕内での毒ガス戦への恐怖も強かった。オーウェンは[[何とか恐怖を乗り切ったが]]、終戦1週間前の1918年11月4日戦死した。「死者たちのための挽歌」を引こう。(引用元

  家畜の如く死せし者のために鳴るのはどんな鐘か?
  たけり狂った拳銃の音と
  ガタガタとなり続けるライフルの音が
  彼らにとっての唯一の祈りの声
  銃の音のほかには どんなあざけりの声も
  祈りも鐘の音も嘆きの声も聞こえない
  泣き叫ぶ銃弾の振るえと轟音とが
  悲しみの国から彼らに呼びかける

  彼らを急がせるためにどんな蝋燭を掲げたらよいのか?
  別れの挨拶が伝わってくるのは
  少年たちが振る手からではなく彼らの目の中からだ
  彼らの柩を覆うのは少女たちの青ざめ額だ
  忍耐強い心のやさしさが彼らを覆う花だ
  夕闇がゆっくりと訪れブラインドを下ろしたように暗くなる

 オーウェンの厭戦精神は理解できなくもないが、「戦争は悪の魔王」というのは間違いだ。シャリーアは戦争以上の真・魔王だ。100年前、誰がパキスタン人やアルジェリア人に乗っ取られる欧州を想像できただろうか?勢力を増幅させるイスラムが未曽有の規模で虚無主義に喘ぐ欧州文明を討滅しようとしている。先祖様は1000年間、男女の境界線よりも険しくイスラムとキリスト教の境界線を引いてきたわけだが、この線が無くなれば、今の西欧文明は衰滅するだろう。
 この脅威に多くがあまりに無自覚だ。ソラナやジスカールデスタンなどユーラビア主義のEU人材たちはスイスの秘密銀行口座とサウジの援助を基に5億人民の税と民主主義を貪り、いざ真正の危機が迫ったら人民を見捨てて真っ先に欧州を逃げ出し、ユーラビア構想への関与を否光するだろう。
 エドモンド・バークは、「社会が契約とするなら、9割の契約当事者たちはもう死んだか生まれていない」と述べた。つまり、祖国のために戦うなら、当今だけでなく過去や未来の同胞のためにも戦う気概を示せということだ。これは今日の欧州にとり大事だ。フィンランドのハンヌ・タックーラ欧州議員は「イスラエルを嫌う者は即ち欧州を嫌う者だ。我らは宗教上の身份を共有するイスラエルを支持し、文都の三柱たるローマ、エルサレム、アテネの遺産を死守せねば」と述べた。ムスリムは公然とローマやエルサレムの制圧を語り、アテネの文化遺産を強奪して、「俺達がギリシアの遺産を守り、西洋に渡した」とまで主張している。今こそ光復の時だ。
 このフョードマンは、「欧州オワタ」と考える敗北主義者よりは楽観的だ。今の欧州の衰退ぶりとイスラムの膨張の前に欧州が屈服する可能性は否定できない。しかし、イスラム側が欧喰大戦に敗北し、今世紀中に世界的覇権力を失う事態も想定できる。その時初めて、欧州は持病化した脱植民地原罪症候群から解放されるのかもしれない。
 イスラムは今西欧に第三次ジハードを仕掛けている。欧州の中枢を狙い撃つ最大規模のジハードだ。確信はできないが、これが文明の生死をかけた最後のジハードになるだろう。その結末は僕が生きている内に出るだろう。西洋の勝利を祈りたい。
 チャーチルいわく「これは終末にあらず。終わりの始まりにもあらず。始まりの終わりだ」。チャーチルの精神は将来必ず求められる。

 次へ

2.6 欧州人権裁判所は文化マルクス主義者の傀儡機関だ(p338~)

2012-11-14 21:17:48 | 左翼思想批判
 前へ

 ストラスブールの欧州人権裁判所は加盟国の人権状況を監視するために1950年設立された機関だ。しかし、この機関は今や非西欧人、特にムスリムの利益ばかりを代弁する文化マルクス主義者の傀儡機関と化してしまった。構成員を文化保守主義者に変更するか、命令権限を制限せぬ限り、この「認識外怪獣」の改革は決して見込めない状況だ。なんとかせねば、西欧の文化的身份が根柢まで穢されることだろう。
 2009年のイタリアでの事例をみよう。裁判所が十字架を「侵標」と判定したので、文化マルクス主義者たちは公立学校の教室から十字架を全廃させようとした。すると、イタリア国民の大多数が判定に反発し、政治家たちはより多くの十字架を公共の場に掲げた。十字架を欧州文明の歴史的身份と認識していたからだ。
 これとよく似た事件簿を見ても、裁判所が今やPC主義者、文化マルクス主義者、多文化主義者の伏魔殿と化したことが分かるだろう。裁判所は「人道」の名の下で多文化主義の教条を打ち立て、西欧文明を自殺に追い込むイデオロギー上の「叩鎚」に過ぎない。その真名は「嫌西洋流の機関」なのだ。裁判所は、こうした文化マルクス主義思想の方こそを断固として封絶する保守主義の裁判所へと改造されねばならない。

 次へ