「2083―ー欧州独立宣言」日本語版

グローバル極右界の「共産党宣言」、現代世界最大の奇書

第1部を読み解くための日本語資料集

2012-11-02 22:08:38 | 訳者の見解、意見

 欧州独立宣言第1部「知るべきは何か」の内容と関連性の深い題材を読み解くのに、参考となるだろう書籍を以下に記す。

 多くは宣言文が非難するイスラム史観の価値観の影響下にある本である。
 読者はこれらの本と読み比べて、どこまでが真実かを見極めて欲しい。
 ただし、「欧州独立宣言に載っている主張なのだから、全ての反イスラム的、反左翼的主張は無根拠だ」とは思わないで欲しい

 アルカイダの活動や、タリバンによるマララ・ユスフザイ銃撃事件、ナイジェリアのボコ・ハラムによる女子教育禁止措置、トンブクトゥ等での「反イスラム的」遺産爆破など、ムスリム以外の者を「夷教徒」としか捉えていないムスリムは実際に相当数存在する。この実在する脅威の前で嘲笑的対応を取るのは極めて危険だ。特にアルメニア人ジェノサイドの項はイスラム史に残る蛮行として記憶してほしい。

 イスラム全般
 翻案コーラン・・・日本ムスリム協会の翻案。アッラーは全部太字である。
 井筒俊彦訳『コーラン』 (岩波文庫)・・・イスラム学会で標準的なコーラン訳
 牧野信也訳『ハディース』(中公文庫)
 小杉泰『イスラームとは何か』 (講談社現代新書)・・・都市の宗教としてイスラムを紹介する
 大塚和夫他『岩波イスラーム辞典』 (岩波書店)・・・主要学者が勢揃いした総記型の事典
 中田考『イスラームのロジック』 (講談社選書メチエ)・・・「アルカイダの学者」ともいわれる超イスラム寄り学者の筆頭

 イスラム史関係
 小杉泰『興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード』 (講談社)・・・類書多数
 林加世子『興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和』 (講談社)
 新井政美『トルコ近現代史』 (みすず書房)・・・ヴィーンで大敗して以降のトルコ通史
 中島偉晴『アルメニア人ジェノサイド』 (明石書店)
 堀口松城『レバノンの歴史』 (明石書店)・・・近現代史中心
 ロナルド・シーガル『イスラームの黒人奴隷』 (明石書店)
 
 十字軍・西洋史関係
 新人物往来社編集『十字軍全史』・・・視覚重視で独自色強し
 八塚春児『十字軍という聖戦』 (NHK出版)
 レジーヌ・ベルヌ―『テンプル騎士団の謎』 (知の再発見叢書)
 佐藤次高『イスラームの英雄サラディン』 (講談社選書メチエ)
 伊藤俊樹『モンゴルvs西欧vsイスラム』 (講談社選書メチエ)

 その他
 イヴォ・アンドリッチの著作集 (恒文社他)・・・代表作は『ドリナの橋』。ボスニアの文豪
 柴宣弘『ユーゴスラビア現代史』 (岩波新書)
 ロバート・J・ドーニャ『ボスニア・ヘルツェゴビナ史』 (恒文社)
 ウリ・ラーナン『イスラエル現代史』 (明石書店)・・・結構反イスラム)
 村田奈々子『物語 近現代ギリシアの歴史』 (中公新書)