型と形式とは人のために存在します。
丹田呼吸も人間が生きていく時代と環境と体質がかわれば、それに合わせて変化する必要があります。
丹田呼吸を現代に合わせて開発した呼吸法がダンワールドのヘンゴン(行功)です。
自分の体にある潜在能力を最大限に高める呼吸法なのです。
ヘンゴンは、吐く呼吸に意識を置いた丹田呼吸です。
既存の呼吸法が難しくて、長期間トレーニングしなければならないのに対し、ダンワールドの呼吸法、ヘンゴンは誰でも簡単に行うことができるのです。
20~30分程度の時間があれば、瞑想と呼吸の効果を体験することができます。
正確な姿勢と角度だけでも体に変化が起きる
ダンワールドの呼吸法・ヘンゴンは、体と心に根本的な変化を引き起こすことのできる、最も単純で効果的な方法です。
何の道具や手段も使わずに、ただ自分の呼吸調節だけで気を生成して強化させ、人体内部の変化を助けてくれます。
ヘンゴンは、既存の丹田呼吸と原理は同じですが、方法に違いがあります。
既存の呼吸法は、下腹の丹田に意識を集中させ、意識と呼吸と一致させながらエネルギーを集めます。
ところが、胸が詰まり、筋肉と神経が固まっている初心者にとっては、気持ちを下腹の丹田に集中させることは思ったほど簡単ではありません。
さらに体が緊張した状態で、下腹で無理をして呼吸をすると、気が下腹に集まらず、胸の上へと滞る場合があります。
人によって人体が置かれている環境や条件が違うため、一貫した呼吸法を教えることは難しい面があるのです。
しかしヘンゴンは、正確な体の「姿勢」と「角度」をとることで呼吸には関係なく体に気の道を開いてくれます。
気が外へ流れ出ないように股関節を閉めることで、丹田に腹圧力をつけるのです。
このとき呼吸は、吐くことに重点が置かれます。
吐く呼吸を通じて、体の中に溜まった濁った気がすべて出ていけば、おのずときれいな気が溜まっていくのを感じるでしょう。
股関節の角度が丹田の気を保護する
ヘンゴンの重要なポイントは、股関節と足の角度にあります。
人の腰椎の下には骨盤があります。
骨盤の左右には電球のような形をした穴があり、この穴に大腿骨がはまっています。
この部位が股関節です。
腰椎は人体にとって柱のようなもので、この腰椎を支えている骨盤がねじれたり、広がってしまって力を入れることができないと、全体的な体のバランスがくずれることになります。
また、骨盤は丹田に集まったエネルギーを蓄える器の役割を果たしています。
ところがこの骨盤がずれたり広がったりしていると、エネルギーが集まったとしても、どんどん漏れ出してしまうのです。
骨盤に問題が起きる主な原因は、股関節にあります。
股関節がずれると、骨盤も一緒にずれてしまい、骨盤がずれると脊椎もずれます。
人体のバランスにおいて、股関節はとても重要な役割を果たしているのです。
股関節はまた、丹田のシステムにおいて、エネルギーのパイプという重要な役割を担っています。
下半身をあまり動かさない現代人の多くは、股関節が力なく緩んだ状態で筋肉が固まってしまいます。
股関節を柔軟にして引き締めることは、丹田にエネルギーを集める上で重要です。
つまり、エネルギーを集めるための動きをするとき、足の角度を正して開いた股関節を締めることが、ヘンゴンでは重要なのです。
「ハァー」と息を長く吐く
ヘンゴンのもうひとつの重要な特徴は、息を長く吐くことです。
本来、呼吸をするときは丹田に中心を置いて、吸う息で私たちの体に必要なエネルギーを集めていました。
しかし、現代になり、吐く息のほうがより重要になりました。
緊張とストレスで体中が固まり、体と心は常に消化されない食べ物、情報とストレス、そして緊張の中にあり、汚染された大気と飲み水、偏食と運動不足などで血管のあちこちに老廃物が溜まっています。
このような状況の中では、吸うより吐く呼吸を通じて体の中の滞った気を頻繁に排出し、新しいエネルギーが入ってくるようにしなければなりません。
呼吸をするときは気道(鼻腔、口腔、咽頭、気管、気管支、肺など)を開いて、心臓の火気を丹田へ下げ、血管に溜まった老廃物を掻き出すという気持ちで息を長く「ハァー」と吐くことが重要です。
意識的に息を吐くと自然と肩が下がり、胸が楽になって緊張が解けます。
吐く息を通じて緊張が解け、筋肉に集まっていた血液が再び臓器を循環し始めて五臓六腑が楽になります。
ヘンゴンを行うと体の感覚が驚くほど目覚めて変化するのを体験することができるでしょう。
ヘンゴンの方法
ヘンゴン(行功)は、一定のポーズをとりながら行うダンワールド独自の呼吸法です。
深い呼吸はエネルギーを動かす効果があります。
呼吸が深くなり、体の中心を感じると、心理的・精神的にも安らぎや充実感が感じられます。
体の下丹田にエネルギーが集まって満たされている状態を精充といいます。
深い呼吸をすることで精充の状態になると、体の中心が丹田に下りて、上半身の緊張がほぐれ、下半身にしっかりと力ができ、全身のエネルギーと血液の循環がよくなります。
弛緩して体をリラックスさせた後、トレーニングの期間と体の状態に合わせて、所定の1~3番のポーズを行います。
ヘンゴンのポーズは、初級課程から1級、初段まで、8段階あります。
今回は、ダンワールドの体験クラスでも行っている「初級課程」をご紹介します。
個人の体の状態に合わせて無理のないように行いましょう。
<初級基礎課程>
ヘンゴン1番
中指を丹田におき、尾てい骨を軽く巻く。
足は肩幅。ひざを立てた状態で楽に腸運動をする。
ヘンゴン2番
足を組んで腸運動をする。
ヘンゴン3番
右手は胸に、左手は床に置き、胸呼吸する。
左右を逆にして行う。
Point:
呼吸の基本は丹田呼吸ですが、無理はしないようにしましょう。
任脈が詰まっているとめまいや胸苦しい感じがすることもあるので、
トレーナーのチェックを受けることをおすすめします。
☆☆☆ VOICE ☆☆☆
ダンワールドのヘンゴン呼吸法を体験した方の声をご紹介します。
毎日、30分以上続けていたら、腹筋がすごく鍛えられて、おなかの筋肉がわれてきました(30代女性)
夜、寝る前にヘンゴンをすると、ぐっするとよく眠れます(60代女性)
首や肩がほぐれました。体も柔らかくなりました(40代男性)
最初は姿勢がうまくできずにすぐに足を下ろしていました。続けていたら、だんだんと時間がながくできるようになりました。同時に代謝がよくなって、体があたたかくなりました(30代女性)