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ユニタリな1次元フーリエ変換とこれに関連する演算・関数の定義 |
12/12 のブログの内容について少し補足します.上記の式のように定義すると
が,成立します((P ? a : b) は P が真のときに a,偽のときに b である関数: C言語の関数).帯域幅 W の連続信号 xA(t) を周期 1/2W で標本化した離散信号をxD(t) = (xA・M1/2W comb)(t) で表現します.標本化定理は
(F1 xA)(ν) = F1(xA)(ν)・MW rect)(ν) ならば xA(t) = (xD * M1/2W sinc)(t)
です.以下では簡単のため「(t)」や「(ν)」を省略します.「x = y」は「∀t, x(t) = y(t)」を意味します.同様に「F12 = M-1」は「∀x, F12x = M-1x」です.F1-1 = F13 = M-1F1 すなわちフーリエ逆変換はフーリエ変換して時間軸を反転したものに等しいので,波形を標本化したものとスペクトルを標本化したものは類似の性質をもっています.
xA(t) の -N/2W ≦ t < N/2W の部分が周期的に繰り返されると考えた連続信号は (xA・MN/W rect) * MN/W comb で,このフーリエ変換は
(F1 xA * MW/N sinc)・MW/N comb
に比例したスペクトル --- デルタ関数の係数がフーリエ係数 --- になります.MW/N sinc は帯域制限された波形で,時間軸のどこに移動してもスペクトルの絶対値は変わりませんが,遠い過去や未来に移動すると位相が高速に回転します.換言すれば,現在付近に時間制限された波形のスペクトルの位相変化は緩やかです.標本化における波形とスペクトルの類似性から時間制限された波形のスペクトルに対して周波数領域での標本化定理が成立することが予想され,実際に上記のスペクトルの式でも MW/N comb によって標本化された形で現れています(F1 xA * MW/N sinc を標本化される前のスペクトルと考えて周期的に繰り返して逆フーリエ変換すると,標本化された信号波形が得られます).
[1] フーリエ変換 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%A8%E5%A4%89%E6%8F%9B
[2] 離散フーリエ変換 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%A2%E6%95%A3%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%A8%E5%A4%89%E6%8F%9B
[3] 離散フーリエ変換(DFT)
http://laputa.cs.shinshu-u.ac.jp/~yizawa/InfSys1/basic/chap6/index.htm
[4] 7. 離散フーリエ変換 (やる夫で学ぶディジタル信号処理)
http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/yaruodsp/dft.html
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