「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

2007年10月15日 | 絵とやきもの
 毎年この季節の画題にする柿ですが、いまだにこれでよしとする作品に出来上がりません。
 かくて今年も様々な「柿」が登場します。これも毎年の稔りへの私からの感謝のしるしです。




 俗に「桃栗3年、柿8年、柚子は9年で生りかかる」といいますが、我が家の柿は、もうとっくに40年を過ぎた古木の富有と次郎で、甘柿だけです。
 幹には軒偲や苔を宿し、そろそろ寿命も尽きようとしています。実を付けるのも数が減少してきていますが、今年は生り年で、数が多い代わりに小粒です。
 虫が食った葉や、紅葉する姿が美しい葉は、今月中には全部落ちてしまいます。 カラスが真っ赤に熟れた実の、皮1枚を残して、見事な食べっぷりです。






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4 コメント

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柿の秋 ()
2007-10-15 21:47:21
お庭の柿の実は一際美味しそうですね。命をいただく… ご研鑽の筆づかいと、構図もみごとに決まっています。 火の色をしたみごとな柿の実、郷愁を誘いました。
 虫食いや紅葉も目にしみます。 ていねいに描かれた絵の中に、boa!さんのこころばえを映したようで、 どれも好きな絵です。 
 秘色にあうのも間近でしょうか。

  いちまいの皮の包める熟柿かな   朱鳥 
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朱鳥の句 (boa !)
2007-10-15 22:29:43
野見山朱鳥は、地元の俳人なのに、この句を知りませんでした。”一枚の皮”なんという的確な把握の仕様でしょう。熟柿のありようを言葉でこうも見事に表現できるものです。

世界に通用する「KAKI」ですが、絵のほうは、とても無理。励ましをありがたくいただきました。

秘色に逢いに出かけるのは今週末です。今からとやかくやと思い描いています。秋吉台のススキも期待しているのですが。
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書き3年 (R.H)
2007-10-16 06:41:18
 この3枚の絵は、時系列的に上から順に描かれたものと推察します。1枚目、照り輝いて稔っているようですが、まだちょっと硬くてカラスも頃合を視かねています。2枚目、これは戴きです、完熟です。更に3枚目、かわいちまいも残さず烏の上前を撥ねてboa ! さんの口中へ! 斯くして4枚目はありません。胃の中の柿は、いかに腕の立つ画家にも柿写すことはできません。当ブログも書き始めて早や3年。筆も絵も熟してたわわに稔っています。
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照り葉より赤く (boa !)
2007-10-16 14:11:51
柿はじめて3年、少しは柿写せるようになりましたでしょうか。
柿右衛門ならずとも、夕日に映えて鮮やかな柿には見とれてしまいます。カラスが狙うのももっともです。

お察しどおりの順番でした。まだ続きがありますが、いい加減にしないと、熟れ落ちてしまいますので。

熟柿はやいま手を遂に触れ得ざる
潰ゆるまで柿は机上に置かれけり
           どちらも川端茅舎の句です。

ご両親様障りはございませんか。季節の変わり目です。どうぞお大事に。

ありがとうございました。
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