転がり坂

登りつめたわけでもないのに、そろそろ下山したくなってきた。

燃えない秋

2014-11-11 00:37:58 | 日記

「食欲の秋も燃えないゴミの山」
牧童

最近、コンビニやスーパーの弁当で夕飯を済ますことが多くなってきた。それを食いながら缶ビールや缶チュウハイを飲んでいる。

たちどころに燃えないゴミが山となり、その中で暮らしている。
生ゴミのほうが少ない。

この年になって、分別(ふんべつ)のない食生活をしながら、ゴミは分別(ぶんべつ)している。

これから先の人生、この暮しから抜け出せそうにない。


君が泣く場所

2014-10-31 04:22:35 | 日記

「秋雨や労働意欲湧かぬまま」
牧童

雨がまだ降り続いていた。

雨の中、虫が鳴いている。
晴天の時ほどの大合唱ではないが、虫が鳴いていた。

「葉の下は雨に濡れぬか秋の虫」
牧童

雨の中でも鳴いている虫は、濡れない場所にいるのかな。それとも雨に濡れながらも、寂しさに耐え切れずに鳴き続けているのかな。そうなら僕も応援するよ。
自分一人だけ濡れない場所を確保して、自慢気にナンパしているんだったら嫌だな。

僕は狭い軒先で泣き続けているくらいなら、雨でびしょ濡れになりながら笑いたい。
君と二人で。

食いねぇ、食いねぇ、肉食いねぇ

2014-10-25 01:39:45 | 日記
「欲あれど老いてほそぼそ秋の食」
牧童

先日、ふらりと入った大衆酒場でひとりで飲んでいた。
店では、しゃぶしゃぶ食べ放題キャンペーンをやっていて、さらに追加料金を払えば飲み放題にもなる。一人でもいいそうで、僕なら充分にもとはとれる金額だ。
でも…
一人じゃ寂しいから、カウンターで単品メニューで飲んでいた。

やがてテーブル席も満席となり、カウンターの僕の右隣りに大学生風の男三人、左隣りに若いカップルが座り、食べ放題飲み放題のコースをオーダーした。

学生三人のうち一人は飲めないらしい。飲めない人がいても、飲み放題にするためには三人分の金を追加しなくてはならない。飲めるらしい男の熱い説得により、飲み放題に決定した。

男はこうでなくてはいかん。

まずは二人が生の小ジョッキー、一人はウーロ茶で乾杯。次にビールだった一人が2杯目からウーロン茶に変更。ウーロンハイじゃなくてウーロン茶だぜ。酒が強いとほざいていたやつの飲み方も変だった。カクテルをなめながら、しゃぶしゃぶを食っていた。三人の食べるスピードも遅いし、量も少ない。

まあいいけど、しゃぶしゃぶ食べ放題、飲み放題にすればよかったかなと後悔しながら、僕は3杯目の大ジョッキーを一気に飲み干す。

もう一方のカップルときたら馬鹿女が、しゃぶしゃぶがセットされる前にあれもこれもおいしそうだと単品料理を追加注文。これじゃしゃぶしゃぶ食べ放題の最初の一皿も完食しないだろう。

あ~あ
もったいない!

僕なら一人でこの5人より食って飲んだだろうに。

老いとともに食が細くなり、酒も弱くなってきた。最近こんな心境なのに、意識の奥底ではまだまだ若さも馬鹿さも残っているようだ。

鏡の中のニヒリスト

2014-10-24 03:04:03 | 日記

「似合わぬと付けてははずすサングラス」牧童

「チョイ悪オヤジ」だと言われたことがある。賞賛だったのか、けなされたのかはよくわからないのだが、この中途半端な称号をいただいた時の気分は満更でもない。
「越後屋、お主もチョイ悪よのう、ウッシッシッシ……」と、あれをしでかそうか、これもしようかと一人妄想を広げながら、気分良く酔うことができた。
ついその気になってしまい、鏡の前でポーズをつくってみた。
サングラスが似合わない。

僕らが子供の頃、サングラスは悪人のイメージが強かった。今やサングラスはおしゃれグッズであるし、紫外線対策の必需品でもあるのだが、サングラスをつけると緊張して、悪のポーズをとりたくなる。

僕は光が眩しいので度付きサングラスをかけているのだが、目が疲れないので、日中だけではなく、暗闇でもつけている。白髪だから悪人というより、どう見ても白内障の老人にしか見えない。僕は善人にはなれないけど、かっこいい悪人にもなれない。チョイ悪というより、チョイ善オヤジなのだろう。

立ち止まれば涙流れて

2014-10-13 02:14:40 | 日記

「疲れ果て止まればどっと汗だ汗」牧童

僕は真夏の海が好きだから炎天下は嫌いではないのだが、さすがに歩き回るとなると辛い。

歩いている時はあまり汗を感じないのだが、疲れて立ち止まると、どっと汗が流れだす。

人生もそうかな。
立ち止まると、どっと涙があふれてくる。だから、立ち止まっても涙がこぼれないように、年齢とともに体の水分を少しずつ失っていくのだろう。

目前の禁断症状

2014-10-11 02:27:49 | 日記

「ふと見ればPCと朝日の中におり」牧童

ネットは見知らぬ人たちとの会話が楽しめる。24時間、いつでも楽しめる。ネット上のコメントには送信時間が記載されている。その時間を見ると、とんでもない時間に送信されているものもめずらしくはない。

この人は今、起きたのかな?
これから寝るところなのかな?

こんな時間なのに仕事、ちゃんとしているのかな?

ネットに首を突っ込んでしまうと、PCや携帯と向きあっている時間がかなり多くなってしまう。

寝食を忘れている。
リアル人生も忘れてしまう。

しばらくネットから離れていると中毒症状が出てくる。困ったもんだ。そう思いながら、また入力している。

なぜ?
どうして!

でも、まあいいか。
禁断症状が出て気が狂う前に、後数行入力してしまおう。

いい人になれそうだ。

2014-10-05 17:57:47 | 日記
「この川も晩夏の海へ流れゆく」
牧童

今はもう秋。
誰もいない海。

海底奥底の流れが変わり、海の霊気が秋を告げる。そんな海の秋を感じとれる自分でいたいのに、無感動のまま秋を迎えている。

「陽が沈み虫にバトンを渡す蝉」
牧童

日の出が遅くなり、日の入りが早くなる。少しずつ少しずつ、季節が着実に変っていく。夜になれば秋の虫たちが鳴いている。

今年の夏は短かかった。
そんな気がする。

季節が変れば、僕の周りの人も変っていくのだろう。

「いい人になれば楽だと虫の声」牧童

ある人から、「最近、変わりましたね。いい人って感じです」と言われてしまった。

僕は今まで、今でも自分が言いたいことを言いたい放題、言ったり、書いたりしてきた。
今でもこの性格は変わってはいないはずなのに、いつの間にか、言いたいことが、いい人的発言になってきたようだ。

いい人であるほうが、ネットの世界でも心地よいのは確かなようだ。

女心と秋の空

2014-09-29 20:26:46 | 日記
「弱々し心も愛しぬるき酒」牧童

僕が子供の頃、冬に冷たいものを口にする機会は少なかった。小学5年生の頃、親の反対を押し切ってアイスのクリスマスケーキを買ってもらい、感動したことがある。冬にアイスを食べるのは画期的な出来事だったのだ。

現代人の心と身体は熱を帯びてきたのだろうか。冬でも冷たい飲み物を好む。燗を楽しむ人は少なくなった。僕だって年間通して冷たい酒が多い。

季節の変化を舌と身体と心で感じていきたいものだ。

秋風が吹けば酒はぬる燗、人肌燗が恋しくなる。弱々しくなった心をぬるい酒が優しく包み込んでくれる。だから弱い自分を責めずに許し、あきらめ、優しい眼で自分を眺め、虫の声を聴く。こんな暮らしに僕は憧れている。

さて、恋心にも季節変化があるのだろうか。
過去を振り返ると、秋に出会った女とは肉体関係に至るきっかけが見つけにくく、淡い想いを残して消えてしまうことが多かったような気がする。

秋は別れが多い季節ですか?

季節に関係なく、別れはいつでも突然やってくるけどね。

夏の終りに

2014-09-21 19:29:33 | 日記

蝉落ちてもがき鳴き死ぬ風の道
牧童

秋の気配が少しずつ漂いはじめている。

酔った素肌に夜風が心地よかった。突然、光の中に蝉が落ちてきた。腹を上にし、もがき、暴れ狂い、あちこち体をぶつけながら、けたたましい鳴き声をあげ続けていた。

断末魔の叫びなのだろう。
逃げ出すように立ち去る僕の後ろから、蝉の声が追いかけてきた。

静かに眠るように死にたい。僕はそう思った。

農薬に我が命を捧げる

2014-09-21 19:25:15 | 日記
柚の花やあの冬想い一人酔う 牧童

僕は果物が好きだ。一番よく食べるのは柑橘類。グレ-プフル-ツやカルフォルニアオレンジは一年中、よく食べる。グレ-プフル-ツが続くとオレンジが食べたくなり、オレンジが続くとグレープフルーツが恋しくなる。
先日、近くのス-パ-で一袋5個入りのオレンジを買った。朝、食べようと皮をむくと、なんと中央に真っ黒で、しかも大きな幼虫(ウジムシ)の死骸があった。虫が大嫌いな僕は全身が凍てついてしまった。
こういう場合、僕はすぐさま廃棄し、見なかったこと、なかったことにして、平常心を取り戻すことにしている。しかし今回は違った。長い別居生活の間に主婦感覚が身につき、このまま捨てるのは馬鹿馬鹿しいと思ったのだ。
ゴミ箱から幼虫付きオレンジを拾いあげ、しげしげ見つめては歎き、ビニール袋に入れてはため息をつき、テ-ブルの上に置き、会社に向かった。
一日、仕事が手につかなかった。
果物の値段は日々変動している。品質も異なる。もし同等金額の返金で済ませるようであれば、怒ることにした。
金で済む問題ではない!
子はこの虫を見て気絶し、妻は発狂、僕は大好物のオレンジを二度と食べれなくなったのだ。さあ、どうしてくれるんだ、この始末。
これで晩酌代くらいはもらえるかもしれない。
退社後、幼虫付きオレンジをしげしげと眺める。見慣れてくると、また見たくなる。
ス-パ-の果物売場責任者を呼びだし、証拠物件を差し出す。周囲に買い物客がいるにもかかわらず、その場で袋を開けようとしたから、僕はドスを聞かせた声で「兄ちゃん、ちょいと待ちな。ここで開けたら、回りのお客さんが驚きますよ」と忠告。
「ドヒャ~」
事務所から男の悲鳴が聞こえた。何度も詫びられ、待たされ、同等のオレンジ3個をもらい、僕は優しく微笑んだ。
「お客さん、また虫がいるかもしれませんので、念のため3個お持ち帰りください」という果物売場責任者の言葉を思い浮かべながら、恐る恐る食べた。
オレンジはやはり美味い。

野菜や果物に虫などいないほうがいい。虫付きの有機栽培より、安全な農薬を開発してほしい。虫は付かないが、人間は美しい肌になれるという成分の農薬の開発だって不可能ではないだろう。

自然は大切だ。しかし我々が求めているのは、ありのままの自然ではなく、人間にとって都合がいい自然なのだ。
それでいい。

君と会いたい

2014-08-04 04:55:50 | 日記
乱れてもまた乱れても夏は過ぎ 牧童

女子高校生が同級生を殺害し、首を切断した。報道では犯罪者の名前は発表されていないが、ネットの中では未成年者の実名も顔写真も発表されているし、いろいろな話も書き込まれている。犯行当時、彼女は殺害現場の実況を写真とともにネットに流していたという。
ネット魔界にはいろいろな犯罪者が右往左往しているようだ。
罪を犯すと、それを隠そうとする気持ちと同時に誰かに告白したくもなる。その点、ネットは隠蔽願望と告白願望を同時に満たしてくれる。

例えば、ある青年のブログでは母親を犯してしまったという自分の思いを語ってる。僕はそれを読みコメントを出す。人それぞれだから、いろいろな見解がでてくる。僕は彼を弁護する立場の見解を書き込んでみたが、大多数は母親に夢中になっている青年に、その罪を悔い改めるよう諭していた。みんなで一生懸命書いてみたところで、彼の気持ちは変わらないだろう。そもそもこの近親相姦も実話か創作なのかもわからない。それでも、みんな熱くなり、時には寝食を忘れて、考え、入力する。なんのために書いているんだろうね。

僕が書いたものを何人が読んでいるのかわからないし、読んでいる人たちの実像も僕は知らないけど、僕がこうしてブログを書いているのは、創作や嘘を交えながら、本当の自分を隠してみたり、日常生活で出会う人々との会話ではできない本音を告白したりもしている。
純粋に書くことを楽しんでいるというより、やはりリアルな出会いを求めて僕は書いているのだ。作家ではないから、生涯出会うことがない不特定多数に読んでもらうより、貴女に読んで欲しいから書いている。そして貴女に会いたいから。




ブログ・パラサイト

2014-07-29 08:57:48 | 日記
メル友に暑いですねと今日も書き 牧童

群れをなさず、他人と同調せず、人を傷つけても気にもせず、適当なブログを見つけては言いたいことをズバズバと書き込んできた。

僕はブログ・パラサイトの時代が長かった。この言葉は僕の造語だ。面白そうなブログを見つけては、そのブログに寄生して言いたいことを書き込みながら、相手のエネルギーを吸収していく。
パラサイト(寄生虫)が生存するための原則は寄生している生命体を殺さない程度に相手の養分を吸収していくこと。ところが悪い癖で頭に乗り過ぎて相手を怒らせてしまったり、出ていけと虫下しを飲まれたりもしたし、相手が消えてしまったこともあった。

自分のブログを創るよう勧められても、書くネタがないし、僕のブログを読むような物好きはいないし、面倒だからずっと実施しないでいた。

でもブログ・パラサイトだけでは書きたらないことがだんだんと増えてきたので、あるサイトでようやく自分のブログを立ち上げた。
自分のブログを開設してからもう十年以上になる。
開設当時は僕のファンも多く、コメントも多数寄せられてきた。コメ一つひとつにリコメを書き込む。ブログを書き、コメ対応にまた熱くなり、多くの時間を費やしてきた。

僕の五十代はSNS、携帯メールの影響が極めて大きかった。

そして、今。
以前ほどの熱さはもう消えてしまったけど、今でもこうしてブログを続けてはいる。

老後の楽しみのひとつとして残しておこう。
老人施設に入居する際、何かひとつだけ持っていくとしたら、あなたなら何を持ち込みますか、という質問に対し、僕は携帯電話だと答えた。

白髪の思い出

2014-07-29 08:42:03 | 日記
「毛染やめ共に白髪に熱射乗せ」
牧童

僕は若い頃から白髪が多かった。早くロマンスグレーになりたいと思っていた。

二十数年前、黒々とした陰毛の中に一本の白髪を発見し、四つ葉のクローバーの時のように感激した。抜き取り、置時計の後ろにセロテープで貼付けておいたら、妻に発覚して時計ごと捨てられてしまった。

こんな僕だから白髪を染めるなんて考えてはいなかった。
僕は年齢より若く見え、昭和27年生まれだと言うと、嘘!若く見える!と驚きの声が上がっていた。ところがある飲み会で年齢を言ったらいつものような反応がなかった。後で送られてきた写真を見ると髪が白く写っていて、どう見てもジジィでしかない。総白髪ならまだしも斑白髪は貧相だった。

嘘は嫌いだが、身体にひとつ嘘を与えることにした。
ついに染めてしまったのだ。
初めて染めた時の周囲の反応は無言。鬘だとわかりながら、それを指摘しない大人の心理かな?

還暦を過ぎ、髪を染めるのが面倒になった。自分では綺麗に染まらないし、生え際の白髪が醜い。

髪を染めるはもうやめた。
ロマンスグレーにはなれないけれど。


虫がいない自然の中で

2014-07-03 05:58:56 | 日記

「梅雨入りや虫と暮らせぬ我も濡れ」牧童

毛虫が大量発生し、壁面にびっしりとへばりついていると言う。殺虫剤も雨のため効果が薄れてしまうらしい。さあ、みんなで見に行きましよう、だって……。冗談じゃない!僕は遠慮しておく。毛虫と聞いただけで慢性蕁麻疹がさらに悪化してしまう。

毛虫よりも
僕は海が見たい。
森林浴がしたい。
アウトドアもいいな。

自然を愛し
自然の中で暮らしたいと思う。
しかし……

僕は生まれてから今まで田舎暮らしをしたことがなく、人生のほとんどをコンクリートの中で過ごしてきた。

最近、蝶を見かけなくなったと、自然破壊を非難し、自然回帰を願う文を僕も書いたりはする。しかし僕は虫が大嫌いなのだ。
でも、どういうわけかカマキリだけは相性がよく、掌に乗せて戯れることができる。カマキリ以外は触ることができない。

飛んでいる蝶はかわいいと思う。
子供の頃、蝶々取りをした。みんなは何匹も捕まえるのだが、僕は網を振り回すだけだった。哀れに思われたのか、友だちが一匹くれた。その時、手に付いた鱗粉に、幼心に汚れちまったと僕は哀しくなって泣きそうになった。まして蛾などは恐怖映画の中だけで棲息して欲しい。

蝉や鈴虫などの虫の音は実に風情がある。ところが捕獲された蝉ときたら騒音でしかない。お願いだから、どこか遠くで優雅に鳴いていてくれと大声で叫びたくなる。

赤子、子供、うるさい女も嫌いだ。
僕のそばに来ないでくれ。

僕は自然派を目指しながら、虫のいない自然の中で静かに暮らしたいと思っている。

静かな女の横で静かに暮らしたいと思っている。


六個の月日

2014-07-01 05:44:35 | 日記

「皺に梅雨不易流行ままならず」牧童

あっというまに六月が終った。今年も半年が過ぎてしまった。

何ひとつうまく進展しないままに、時間だけが無駄に消費していく。

このまま何も変わらないのなら、それはそれでいいのだが、思惑とは異なる方向へと何かが変わっていく。