私と彼の秘密 今思うこと

彼とのLINEは、いつか消した方がいい。
それは、残された人のために…



前戯

2022-07-12 14:51:00 | 日記

心の準備ができてないのに、

電話を取った。

もしもし?
久しぶり。

とても照れ臭かった。

何も、恥ずかしがらなくていいのに、彼には、理解できないみたいだった。

電話で繋がったのは、いつ以来だろう。2週間ぶり? もう、わからない。

彼の声を聞くことなんて、いつでも、当たり前にできると思っていた頃とは違って、

すごく緊張するの。大切な時間だから。

何を話していいのか、わからないぐらい。



仕事をしながらなのね。

声の向こう側から、作業している気配を感じた。

会話は、

他愛も無い、

子供達の習い事の話から、

趣味の話になった。

彼には、素敵な趣味があって、

今はもう、それをしていない。

なんで?

私は、もう一度、始めてもらいたいな。って思ったけど、

彼には、それなりの理由があって、

もうできないみたい。

私の知らない彼の歩んできた道を

一言では、言えないだろうし、

理解するのも、難しい。

私は、ただ、話してくれるのを聞くだけだけど、

同じ気持ちになって、彼に寄り添うことならできると思った。

そしたら、その趣味を

一緒に始めようか?

と、彼は言った。

そんなこと、本当にできたらいいな。



夜の散歩が、もうすぐ終わりに近づいて来た。

ごめんね。もう家に着いちゃうから。

そっか、残念。
これからが、いいところなのにな〜。

ここまでは、緊張をほぐすための会話だったのに…。




彼は、いちいち、私の胸をときめかす様なことを言う。

そう、これが彼のいいところ。

その時、私は、彼のことを本物の紳士だと感じたの。


全ての行いの前戯に、とても時間をかけてくれる人。

きっと、抱かれる時だって、そう。


そして、私は、いつの間にか、
とてもリラックスできていることに気がついた。



電話をかけてくれて、ありがとう。

私は、そう言って、何事もなかったかのように、スマホをしまった。