昨夜は、隣に奥さんがいてるのがわかっていたから、
寂しい夜だった。
でも、自分が思うより、辛くなかった。
決して、穏やかではないが、
心が乱れることは、さほど無かった。
女は、めんどくさい生き物。
すぐに、ヤキモチを焼く。
嫉妬する。
そして落ち込む。
自分の気持ちなのに、
自分でどうにもできなくなる。
そして、どうしていいのか分からなくなって、
すねて、相手に当たる。
ああ、めんどくさい!
なのに私は、少し変わった気がする。
もう一人の自分が言うの。
彼は、だからといって、何も変わらないよ。
自分はどう?
自分だって、変わらないでしょう。
って。
いつも、彼のように、客観的に自分を見れるようになれたらいいな。
彼が言うように、依存から、少しでもいいから、自立できるようになりたいな。
とか、自分なりに言い聞かせてきたからなのか、
冷静な自分が、もう一人同居していた。
あなたは、いつからそこにいたの?
自分も理解してもらう代わりに、
相手のことも理解しなければいけない。
そうでしょう?
そう、彼女は言った。
朝、私からLINEを送った。
まだ、涼しい時間帯だけど、
もう仕事なのもわかっていた。
返信がないのも、既読にならないのも、全て予想通りの結果。
そして、思ったより早く、返信が来たのに、逆に驚かされるのだった。
彼は、いつも通り、
おはよう。と挨拶をした。
そして続けた。
携帯を不携帯だったから、返事が遅くなって、ごめんね。
謝らなくていいのに。
全然、謝らなくていいのに。
なんで、彼とつながるだけでこんなに安心感があるの?
私は、そう思いながら、何事も無かったかのように、文字を返した。
すでに、ジリジリと暑くなってきていた。