バスシェルターの明かりの下で

夢を忘れたちっぽけなバス会社のちっぽけな元バス運転士の最初で最後のチャレンジ・・。

持つべき目線・・(N5先輩リポート)

2006年08月31日 | バス再生
画像はN5先輩(ウフッ)・・




たった今、N5先輩からメールが届いた。


以下、その内容・・

和歌山電鉄の「乗務する常務」渡辺寛人さん。…『社長が言いだしたんでしょうかね。みんながそう呼ぶようになって』と苦笑。

和歌山市と紀の川市を結ぶ貴志川線の営業を南海電鉄から引き継いだ和歌山電鉄(本社和歌山市)の常務に。四月の開業後は、運転士として乗務する。

それまではグループの両備バスの営業長。
事務系職場が長く、電車もバスも運転したことはないが、社員が少ない。
会社の指示で約八ヵ月かけて電車の運転免許を取得。
4ヵ月たっても「やっぱり運転はすごく緊張する。常務が事故を起こしたらしゃれにならないですし」14.3キロのローカル線は乗客が減ったものの通勤、通学に欠かせない【地域の足】存続を求める声が高まり、沿線自治体の後押しで復活した。
どの家もマイカーがあるし、人口減も。取り巻く状況は厳しかったが「トップが明るく自信を持っていないと下はついてこない」と、いつも前向きな姿勢を忘れない。

記憶に残る光景がある。

開業してすぐ、本社がある伊太祈曽駅前だった。
「腰が90度曲がったおばあさんが『貴志川線が残ってよかった。年寄りで何もできないから』と、駅舎の前の草を刈ってくれた。本当に地域の人が支えてくれてるんだなと感激した」

てな話が載ってました。

っちゅう内容でした。某地方紙からの抜粋・・やと思います。




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地域の足はこんな努力の上に成り立っているのですね。
たぶん、N5先輩は地域の小さな声にトップ自らが耳を傾けることの大切さを感じてメールしてきはったんやと思います。

「記憶に残る光景」なんて・・エエ話やないですか。
きっとバスの再生もこんなところに目を向けてこそその意味があるものなのでしょう!!

N5先輩、メールありがとうございました。
お互いに頑張りましょう

働かせてやっている?働いてもらっている!

2006年08月27日 | バス再生
今日は(もう昨日やけど)F線最終便やった。
同じバスセンターを10分前に発車したK交通がまだサービスエリアに停まってた。

たまたま、右横のワクが空いてたしスーッと横に停車してスイングドアを開けると
運転席にはよく会話をするAさんの顔が・・

「お疲れ様です、ひさしぶりですやん!ちゃんと仕事してはりますぅ?(笑)」
「してるがな!自分こそ、やめたかと思てたでぇ(笑)」

お約束のおちゃらけた会話・・
せやけど、ボクはその後に続いてでた言葉に返す言葉がなかってん・・・

「明日はまたF線、明後日からO線やぁ!3日運行やし、帰ってきたらもうバスに乗ることはないわぁ・・・」


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K交通はちょうど三年前に国交省の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定を受けた。

事業の目標としては・・
旅客自動車運送事業及び船舶運航事業について地域・業態別に6社の新設分割会社を設立、分社化をし、さらに経営資源を有効に活用できる体制を築き、グループの経営強化を図るというものだった。

また、生産性の向上及び財務内容の健全性の向上を示す数値目標は・・・
今から4年前の実績に比し、事業再構築計画最終年度である平成18年度には、一人当たり付加価値額を11.7%向上させる。また、平成18年度の有利子負債はキャッシュフローの約9.7倍、経常収支率は114%とするという過酷なものだった。

その最終期限がこの9月いっぱいなのだ・・。

今年に入って、K交通の労組には激震が走った!
大幅な路線カット。路線の譲渡。主要バス子会社の廃業。それに伴う人員整理・・。
2回のストを構えて闘った・・。

当初、解雇通告であったところ、話し合いのテーブルに着かせ、該当する全従業員の受け皿を準備することで2回目のストは回避された。
雇用は守られた格好だが、従業員の今後が大きく変わることは必至だ・・。


「3年前に地域別、業務内容別に分社化をした時点でこうなることはきっと想定内やったはずや!あの分社化は準備に過ぎひんかったんや!」


再構築開始の段階での従業員数は1300人弱・・
あまりにも大きい数字である。


「従業員より、親族を大切にするんや、ウチの会社は・・。ほとんどの従業員が受け皿の職種を受け入れがたいと感じてるよ・・。オレは行かないよ。おっと、もう発車しなアカン。行くわ。元気でがんばれよ、Blueくん」

サービスエリアを後にしながら3回点滅しはったハザードが悲しげに見えた・・。


使用者の責任は・・
回避するために打つべき手はすべて打ったか?
現状を考えても他に手はあるだろう!
労組のチェックシステムは機能していたか?

やはりこれが限界なのか・・
労働者に成すすべはないのだろうか・・

「ウチで働いてもらってありがとう・・」
そう思っている経営者はやはり少数派なのかもしれない・・。








夏の定番(^-^) 納涼バス!!

2006年08月26日 | 運転士な日常

例によって本日も休日出勤・・・


夏休み最後の土日っちゅうことで夏の夜まつり・納涼バスも超満員!!
某企業の取引先家族へのサービスの一環として今日の納涼バスはおおにぎわいやった。

空港を受けて会場まで・・2時間ほど待機のあと
会場からご希望のバス停を経由してお送りする・・っちゅう感じの貸切勤務でした。

車内は予備灯と窓周りに提灯をぶら下げての演出で運行します。
これはずっと以前からのスタイルです。

この納涼バスも最近ではめっきりお客様が減ってしまって、運行形態が随分変わってしまいましたが、土日になると結構いはります。
運転にも気合いがはいりましたわ。



打ち上げ花火も終わって、そろそろお客様がバスに戻ってこられる頃、駐車場までの横断歩道でお客様の安全を気遣いながらおひとりおひとりにお声をかけてはる当社の社員がいてました。

「なんやしら、エエ感じのヤツやんけ!誰かいな?」と思いながらよくみると、つい先々月まで人事本部長であったHさんやありませんか!
今はホテル等の関連事業本部を切り盛りしてはります。

今日も大きな声とジェスチャーでいい気分でバスまで戻ってこられるお客様を迎えてはりました。その場には、自動車部の部長から若手社員まで総出でバス整理やお客様の誘導にあたっていましたが、この方だけはその存在が全く別物でした。

どこが別物なんかっちゅううとぉ・・・

お迎えの際の笑顔が最高やねん!!
大人や子供、女性や男性、若者やお年寄り、分け隔てなく心を込めて挨拶をしてはるその姿はボクの心を熱くしました。


当社が再建の道を歩み始める際に改革の旗手として取締役に大抜擢されたバイタリティあふれるお方で、評価制度の構築の際、御一緒させていただいたときにもホンマにすごい方やなぁと思っていましたが、今日はそれを再認識してしまいました。


こんな上司がいてはる。
先頭きってお客様にココロを伝える上司がいてはる。
この方の目には元気に復活した当社の姿がはっきりと見えているのかもしれない・・そう感じました。

その後の乗務がさらに気合いがはいったのはいうまでもありません!!

「本日のご乗車、誠にありがとうございました。バスを降りられましてからも御自宅まで、どうぞお気をつけてお帰り下さい。」

バスの後片付けも大変やったし、帰宅は深夜12時を回っていましたが、いい気分で帰宅することができた休日出勤でした。

明日も気合入れてがんばるぞぉ!!
やべ、もう寝やな・・・



定期大会、2 日目

2006年08月24日 | バス再生
審議の前に大物議員のあいさつから…

う~ん、さすがに大物、話、長げぇ・・。

昨晩の「夜の部」も大いに盛り上がってはいたが、この手の「集まり」来るといつも感じることがあるねんかぁ・・それはぁ・・

ある種の「疎外感」やねん。
ウチの労組って何か浮いてる・・

リーダーの資質の問題は絶対にある。
しかし、そのリーダーは組合員の映しや。
っちゅうことは組織全体が腐ってるといえるのかもしれへん・・・はぁ~ぁ。

どこの組織もそう変わらへん!どこも似たようなもんや!

どうやら、そうじゃなかったみたいやわぁ・・
最近、切実に感じるぅ・・

そらそやわな、隊長は別としても、ボクなんぞが一目置かれるくらいの組織ねんからなぁ・・。

議案書や活動報告を読むたびにため息しかでーへんわぁ・・ホンマ。
傍聴席に座っているC支部の支部長はどんな思いでこの議案書に目を通してんのやろか?

目ぇ通してへんかもしれへん・・やれやれ。

都市間移動は高速バスでGO ~!

2006年08月15日 | バス再生
例によって今日も客としてバスで移動中!

何を隠そう、当社が誇るドライバー!N5先輩が操る高速乗合0197に乗ってますぅ。

ゆとりあるシートに、広い足元!
きれいな液晶ディスプレーからは面白そうな映画!
「ある」というだけで安心感が得られるお手洗い。
継ぎ目のない広い車窓からはマイカーでは味わえない景色!
早朝なだけにサービスドリンクのホットコーヒーはかなりうれしい。

そこに、N5先輩の実にスムーズな運転とプロらしい渋い案内があいまって快適な主幹的移動空間が創られているっちゅう感じがします!

先日の○○バスの貸切車両での移動や安いだけのツアーバスとは、まさに雲泥の相違でございます。


これこそが
“THE HIGHWAY BUS”


皆さんも、残りの夏休み、高速バスで楽しい思い出作ってみませんかぁ?o(^∇^o)(o^∇^)o



N5先輩、お疲れさまで~す(^^ゞ

こんなんでエエのん?

2006年08月11日 | バス再生
只今、バスにて移動中!

訳あって、お客として乗ってますぅ。

この時間は3台口、ボクは3号車!11列の貸切車に25名ほどの乗車の状態ですわ。
ウチも貸切車両での続行便はよく設定してますが、サービスドリンクの積み込みやビデオ映画の放映などできるだけ正規便と同等のサービスを提供するようにしています。

もちろん、それでも正規車両に比べると移動環境は快適とはいいがたいのが事実ですわ。


今日の運行会社は某大手鉄道系バス会社を親に持つ観光バス専門の○○バス!

抱えている台数も半端じゃないため経費の削減が進んでいる模様!ビデオもなければ、サービスドリンクもない…。

やりますねぇ○○バスさん!
ツアーバスと競合している路線やっちゅうことを知ってて、この商品内容ですかぁ…。

バスロケの未装備や運行経路の不具合、運行の柔軟性なんかを加味すれば明らかツアーバスより劣悪な移動環境でっせ…

それでいて運賃はツアーバスの約2倍。
市場原理からみればあり得ない状態ですわ。

乗務員さんの対応はすこぶるさわやか!実に好感の持てる方です。
それだけに残念や!

だって、この移動環境ならはるかにツアーバスの方がいい!
半分の値段ならこのコンプレインも処理できそうやし、浮いたお金でおいしいもの食べれそうやから…

みんなそう思てるんとちゃうかぁ、きっと。

大手主導の商品設定、何時も正解とは限らへんでぇ!
そのお客様にはそのお客様の、その路線にはその路線の、その立地はその立地のアイデアや戦略が必要や!

右に習えだけやアキマセン!
もっと、モノ言いましょうや!
それがバスの再生には欠かせへんと思いますよ!





あぁ25分遅れかぁ…
しんどぉ(´Д`)

祈り・・

2006年08月07日 | 運転士な日常
昨日のK線復路は、胸が苦しかった・・

空港から女性が2人、それぞれ小さめのトランクを抱えて乗ってこられた。
ひとりは60代くらい、もうひとりは80代くらい・・だ。


運行中、何回かその方々の携帯の着信音が車内に響いていた。
しかし、その時点ではそれがかなりの急を要することであることは知るよしもなかった。


途中のサービスエリアでそのお客様がボクの方にいらして尋ねられた・・。
「すいません運転手さん、大学附属病院に行きたいのですが、BCが一番近いですか?」

附属病院への乗り換えは時間の関係もあるがBCがベターだ。
その旨、御案内し、「お時間をお調べいたしましょうか?」とボクは続けたが・・
そのあと、ショッキングな言葉がその方の口から発せられた。

「いいえ、タクシーで行こうと思います。実は孫が危篤なんです・・今も娘から電話があって『早く来て、早くっ』ていうんですよ。そんな言ってもまだ途中だっていうのにねぇ・・」と。
口調とは裏腹に沈痛な面持ちだった。

察するに、おそらくまだ小さな命に違いない・・
そんな小さな命が今消えようとしている・・

お2人は、まさにそんな時間の流れの中にいらっしゃるのだ。
胸が締め付けられる思いだった。

「お客様、大学病院までタクシーご利用でしたらBCの一つ前の○○っていうバス停の方が近いです。今からタクシーに連絡を取ってそのバス停で待機してもらいますが・・それでよろしいですか?」
「すみません、よろしくお願いします・・」

速攻、営業所に電話をした。

「コムさん、~というわけなので、よろしくお願いします。」
「了解、わかった!」
「あと、バス停からタクシーだと何分位かかりますか?」
「そうやなぁ、15分かからないくらいやな。10分じゃ厳しいと思う。」
タクシー経験のあるコムさんは即答してくれた。
すべての事情を聞いたコムさんが当社のタクシーに連絡を取り、バス停で待機してもらう段取りを組んでくれた。


ココから○○バス停まで約45分。そこからタクシーで10分から15分・・
その状況をお客様にお伝えした。

お2人にとって、ものすごく長い45分だったと思う。
外はもう日が暮れて暗い・・
フロントウインドに映り込むお2人のお姿は、ジッと時間の流れと闘っておられるかの様であった。

その時点で、遅れが6分・・
アクセルを踏むボクの右足には自然と力が加えられていた・・



これくらいだった。
その時のボクにできることは・・。


定刻より遅れること1分。
バス停に滑り込むとバスシェルターの明かりの下にタクシーの運転士さんが待機していた。
ボクが手を挙げると、軽く一礼をされた。


「間に合うことをお祈りいたします」

「ありがとうございました・・」


お孫さんの手を握り、お声をかけることができたことを心から祈った。




あなたの街の“どこでもドア”

2006年08月06日 | 運転士な日常
先日のK線でのできごと・・そうボクがアンちゃんに無理やり頼み込んで勤番を変更してもうたあの日ぃですわ。

ボクはいつものように内輪差に注意しつつ、左にステアリングを切り7番のりばににバスを着ける。
のりばには数名のお客様・・。

最後に乗り込んでこられたのは親子3人・・お母さんと姉弟だ。
見た感じ、2年生のお姉ちゃんと1年生の弟って感じかなぁ・・・
すぐに、ウチの三女と長男とにダブった。

「すみません、小学生2人だけで乗るんですが・・○○は終点ですよねぇ?」
「はい、そうですよ。」
「バス停まで迎えが来ていますので○○でおろしていただけませんか?」
「はい、わかりました。失礼ですが、お迎えに来られるのはぁ・・」
「祖母です。あとぉ・・切符は今渡しておいた方がいいのでしょうか?」
「お客様の御都合のよろしいほうでかまいませんよ。そうですねぇ、今貰っておきましょうか?そのほうが安心ですよねぇ・・」
「はい、じゃぁ、もらうねぇ。は~い、ありがとうございます。」

「あのぉ・・万一のためなのですが、差し支えなければお迎えに来られる方のお名前と携帯をお持ちでしたら番号を教えていただくわけにはいきませんか?」
「えっ?」
「いえ、差し支えなければでいいのですが・・。到着時間の勘違いやバス停の間違いなんかでお見えにならないことが稀にあるものですから・・。」
「あぁ、わかりました。そこまでしていただけるのですか?」
「小さいお子様ですから、私としても責任がありますもので・・」
「川本ちづ子(仮名)・・090~・・です。」
「えぇと・・川本ちづ子(仮名)さま、090-・・ですね。わかりました。ありがとうございます。」

乗降口側、前から3列目に2人でちょこんと腰掛けて笑顔で見送るお母さんに手を振る姉弟。

「はい、お待たせいたしました、それでは発車いたします。」

閉めた乗降扉越しに見えるお母さんの表情は笑顔の中にも幾ばくかの不安も見え隠れしていた・・。

そして、約2時間半後・・終点の○○に到着。
最終案内を終え、ドアを開ける。
最後にその姉弟を送り出すときに・・

「は~い、長い間よくがんばったねぇ。ありがとうございました。おばあちゃんは来てるかな?ちょっと見回してごらん?どう、いるぅ?」
「いない・・」
「どこにもいない?」
「・・・うん。」
「よし、わかったよ。おじさんが今からおばあちゃんに電話してあげるから、そこに座っててくれるかなぁ?」
「うん、わかったぁ」

バックミラー越しに発車待ちのリムジンバスが待機している。
ボクは少しバスを前に移動させ、改めてハザードを点けた。

「トゥルルルルルルルッ・トゥルルルルルルッ・・」
「はっ、はい!」
「あっ、もしもし、私○○バスのBlueと申しますが・・」
「はい、はい、川本(仮名)ですが・・」
「川本さまですか?今、終点の○○に到着してお孫さんをお預かりしているのですが・・どちらにいらっしゃいますか?」
「えぇ・・と、ここはぁ・・、えぇ・・と・・○○があるところです。」
「あぁ、近いですねぇ。わかりました。今、いらっしゃる場所から当社のバスが見えますか?○色で横に○○ってステッカーが貼ってあるのですが・・」
「あぁ・・えぇと・・。あぁ、見えます、見えます。今からそっちに行きますので・・」
「わかりました。お待ちしますので・・。慌てずにおいで下さい・・」

程なくして、前方より、かなり慌てながら年配の女性が走ってくるのが見えた・・。

「ねぇ、ねぇ、あれ、おばあちゃんかなぁ?」
「どこどこ?」
「ほら、あっちから走って来てるやん」
「あぁ、チー子ばあちゃん(仮名)やぁ」
「間違いない?」
「うん、ばあーちゃーん」
「わかったよ。もちょっと待ってねぇ。」

ボクはそういうと先にバスを降りて・・

「失礼ですが、お名前をお教えいただけますか?」
「すいません・・川本(仮名)です・・ハァハァハァ・・」
「すみません、失礼しましたぁ。御心配でしたでしょう?慌てさせてしまったみたいですね・・」
「いいえ・・ハァハァ・・。よかったぁ・・なかなかバスが見当たらないもので・・ハァハァ・・」
「おばーちゃん!!」

「それでは、よろしくお願いします。ありがとうございました。よかったねぇ、おばあちゃんに会えて。ありがとね。じゃぁまたねぇ、バイバイ!」
「本当にお世話になりました。ありがとうございました。これを・・」

そういいながらおばあちゃんはちいさな袋をボクに手渡した・・

「いえ、こんなんしてもうたら・・」
「大したものではないので・・ありがとうございました。」
「いいのですか?ありがとうございます。遠慮なく頂きます。」

中身はグリーンの本皮のパスケースでした。
わざわざお買い求めになられたのでしょうかぁ、申し訳ありません・・

そして袋の表側にはこう書いてありました・・

“無事故で届けて下さり
       ありがとうございました。 
                 川本ちづ子(仮名)”





ボクらの仕事は安全と安心が基本。
すごく大変なことやけど、これはボクらにとって“当たり前の使命”なんや。
その“当たり前の使命”に対して、それを当たり前のように労っていただけるありがたいお言葉・・。

この3行の文章でこの日はとてもハッピーな日ぃになった。

感謝の言葉を言わなアカンのはボクのほうですわ。
こんな気持ちにさせてもうて・・ありがとうございました。



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夏休みに限ったことではないねんけど、学校が長い休暇に入ると決まって多くなるのが子供たちだけの乗車・・

飛行機にはジュニアパイロットなるお子様一人旅がある・・
あれは、とっても勉強になるらしい・・。
楽しいし、子供がひとまわり成長するって・・。

バスの場合、そこまではいかへんかなぁ・・
飛行機ほど至れり尽くせりとはいかへんよぁ・・

せやけど、バスはねぇ・・

“お母さんが笑顔で見送ってくれたあの街”と“大好きなおばあちゃんのいるあの街”を扉一枚でつないでくれるねんでぇ。

そう、たった、一枚の扉でねっ!


まさにそれは、“どこでもドア”やねんでぇ


気軽にノックしてください。
いつでもノックしてください。

さみしくなったら開いてください。
会いたくなったら開いてください。

あなたの思いをつなぎます。
あなたのココロをつなぎます。
それがボクらの使命です。

バスはいつでも、あなたの街の“どこでもドア”です。



その翌日、Q線勤務で到着したボクの携帯に事務所のひらりん(女性総務係長)から電話がありました。
その姉弟のお母さんからお礼の電話があったとのことでした。

ホンマにありがたい話です・・・。


バス運転士・・
エエ仕事ですぅ。


アルコールチェック、本格導入!

2006年08月02日 | 運転士な日常
これが先月から導入されたアルコール検査器ですぅ。
自分の社員コードを入力した後、
突き出た穴に専用のストローを差し込んで5秒間しっかり吹きます。
その際、本人かどうかを確認するため吹いているお顔をカメラがしっかり映しているのですぅ。

そう、画像の左端にちょこっと黒いCCDカメラが写ってまっしゃろ?
これですわ。

その画像と検査結果はデータとして専用のソフトで管理される・・
さらにはオンラインで本社の端末でも見ることができる・・

この徹底した検査体制が8月1日から本格的に指導したのだぁ・・がぁ・・


ボクは昨日、メチャうまの針子のせいでビールをよーけ飲んでもうたぁ・・
ボクは昨日、メチャうまの針子のせいで、焼酎までロックでかなりいったぁ・・
ボクは昨日、ショットバーのめぐみさんのせいで、キツイカクテルをかなりいってもうたぁ・・
ボクは昨日、その後もウイスキーの水割りをあおってもうた・・

その翌日は12時のQ線。
昼からの出勤やし、大丈夫やとタカをくくっていた。

しかぁし、朝目が覚めると頭は痛いし、目ぇの奥は痛いし、胸焼けはするし・・
典型的な二日酔いの症状に見舞われてしまった

少し、におうのが自分でもわかる・・・
12時までには大丈夫やろ・・12時間もあるわけやし・・
自分に言い聞かせながらも厳しいかもしれへん・・と思てましたぁ

いきなり、本格導入初日から、しかも、組合の役員が「ファンファーレ」を営業所中に響き渡せるわけにはいかない・・・。

朝も早よから同じ班の“アンちゃん”に電話をした。

「ごめんけど、勤番かわってくれへん?」
「いつですかぁ?」
「今日、今から・・」
「えぇ、マジですか?、ボク予定が入ってるんですけど・・」
「そこをなんとか・・」
「わかりました、ほな、がんばりますわ」
「あぁ、ありがとう、アンちゃん!!」

アンちゃんのおかげで15時のK線と代わってもうたぁ。
もう3時間の猶予をもうたことになりますぅ。

勤番変更の件を同期の運管・ガン太朗に連絡したあと・・
ソルマックを飲んで、汗をかくため、庭の芝刈りをし、熱いお風呂に入って、水分のよーけとって、仮眠をとって・・いろいろやりましたよ。

そして、出勤。点検を済ませ、点呼を受ける前にこのマシーンの前にたたずみ、
腹を決めてストローを差し込み、思いっきり5秒間吹きましたぁ!!


        


検査器の画面には“0”(ゼロ)の赤い文字が浮かびあがりファンファーレも鳴りませんでした・・・
その後、しっかり所長点呼を受けて、無事出庫と相成ったしだいであります・・。


アンちゃん、ホンマにありがとう。

みなさん、飲みすぎには注意しましょう

オマエがゆーな


すいません・・・