バスシェルターの明かりの下で

夢を忘れたちっぽけなバス会社のちっぽけな元バス運転士の最初で最後のチャレンジ・・。

あなたがいた風景

2007年09月27日 | 勇気と癒し

夏休み、妹と二人で泊まりに行ったことがあった。
ボクの家は車がなかったので、ドキドキしながらバスに揺られて行ったんだ。

降車予定のバス停は何とも難しい名前だった。
忘れたら大変だと紙に書いてポッケに入れた。

のどかな風景を抜けてバスが市街地へと入っていく。
案内テープの音声に耳を澄ますボク。

ここだぁ!
妹と顔を見合わせて降車ボタンを押す。
「はい、次停車します」と運転士さん。

握り締めた二人分のお金を慣れない手つきで運賃箱に入れ
「ありがとうございました」と頭を下げた。

妹はそれどころじゃない。
「ありがとうございました」もそこそこにバスのステップを駆け下りてく。

だって、そこには優しく微笑むあなたがいたから・・。

今でもはっきり覚えてる。
バス停の横にたたずむあなたはあの夏の思い出そのものだった。

「よーきたなぁ。よーきた、よーきた。」
そう言いながら、少し曲がった腰を精一杯、伸ばして手をつないで歩いてくれた。
たばこやの角を曲がり、細い道に入ったらもうすぐだ。
気配に気づいた番犬コロが鎖をジャカジャカいわせながら吠えはじめる。

「さぁ、着いたよぉ。あがって、あがって、晩御飯ができてるよぉ」

今でもはっきり覚えてる。
あの日の夕焼けのように優しかったあなたを。


平成19年9月26日 22時13分
99歳と11ヶ月の人生でした。

さよなら、ばぁちゃん。
どうか安らかに眠ってください。

ありがとう。


photo by うたうたい







ダイヤ改正前…

2007年09月21日 | 運転席を離れて・・

若手二人と一緒に10月のダイヤ改正を前に時刻表の差し替えを行ってきました。

ボクらの受け持ちバス停は社内で“鳥居型”と呼ばれるもので市内の目抜き通りに設置してありますぅ。
当然、その情報量はかなりのボリュームとなりますぅ。
せやし、バス停も大型のものになるっちゅうわけですわ。

では、その段取りを・・・

掲示枠の鍵を開けてぇ、旧時刻表をはずしますぅ。
アクリル板の内側をきれいに拭いてぇ・・
あらかじめ準備しておいた新時刻表を両面テープで貼りますぅ。

鍵をかけ直したら、旧時刻表を掲示板の上からアクリル板内にある新時刻表を隠すようにして貼りますぅ。
協力しながら作業して、要する時間は約10分。

この状態で9月30日までお客様に提供するわけです。

もうお気づきでしょうが、9月30日の最終便が通過した後に誰かが旧時刻表を外さなアカンわけでぇ・・。

次の日曜日の夜はビールをちょっと我慢することにしますぅ。

トホ・・。


本日のスタッフはぁ、
キヨりんとぬっさんです。
二人とも優秀なスタッフですよぉ。

では、30日の22時過ぎにまたがんばりましょ


やっぱ、バスが好きやから・・

2007年09月20日 | 運転席を離れて・・
ほとんどがボクより年下で社内的には上司となる存在・・
結果がすべての労働環境・・・
現場の意見を反映させてナンボの立ち位置・・
乗務員時代に思い描いた“バス再生”のカタチとは程遠い毎日・・
せやけど、どうにも通らなアカン道なんやと思て、毎日、何とかかんとか頑張ってますぅ。

さて、先日、某施策の小委員会の事務局を仰せつかって、F市に出張してきましたぁ。
共同運行会社の高速バスで一路F市を目指し、ついでに現在、国交省の実証実験として取り組んでいる“高速バスの乗り継ぎ実験も体験してきました。

率直に申しまして・・

これはホンマにいい!!
メチャメチャ便利ですよぉ
もっとも、3日間有効の乗り放題パス(SUNQパスといいますぅ)を利用したこととも相まってそう感じたのかも知れませんが・・

基本的にバスに乗るのは好きですので、このパスで東西南北ありとあらゆるところへ、実に“食事だけが目的”みたいな移動ができるっちゅうのは、何ともリッチな気分になりますぅ。
目的地に到着した後のその地域の路線バスも乗り放題ですので、こんなにエエもんはないっちゅう感じですわぁ。

やっぱ百聞は一見にしかず!
椅子に座ってあーやこーやゆーてる間ぁあったら実際に乗ってみることです!
実にいろんなことがわかりますぅ。

この乗り継ぎ実験や乗り放題パスにも問題がないわけやありません。
せやけど、この便利さを体感すると小さな利権がナンボのもんやねんっちゅう気ぃにもなりますぅ。

今、取り組んでいる課題にも、こぢんまりとならんと強い意志を持って全力で取り組んでいかなアカンなと思うことができましたぁ。

せやし、今は、そのためのスキルを多くの人から学び取ることに全力を傾けることにしますぅ。


やっぱ、バスが好きやから・・・

バス整理 3

2007年09月13日 | 運転席を離れて・・

停車しては発車していく何台ものバスたち・・。

さっき見かけた運転士の方がすぐにまたバス停に入ってくる。
大雨で延着して、休憩もそこそこに次のダイヤをこなしていってはるのがよーわかります。

一応に、笑顔で軽く手を挙げてくれはりますが、その大変さは並大抵ではありません。

安全にお客様を目的地までお送りする・・・
ホンマに崇高な仕事のひとつやとボクは思いますぅ。


ホンマにホンマにお疲れさまですm(__)m


ちなみに、画像の中央に停車しているバスは、隊長が乗務してはるノンステップバスですよぉ。
隊長も淡々と仕事をこなしてはりました。
あと少しです。気をつけて。

制服検討委員会

2007年09月13日 | バス再生
夏の暑さが最高潮だったある日、会社のフロアの片隅で何やら人だかりができてました。

何やろ?と思い、ようよう見てみると、運転士指導係の管理職社員が見慣れぬ制服を身ぃにまとってるやないですか!

「えっ、何あれ?ウソやろ?」
「アカンて!アカン、アカン!!」

上司のポッポロさんと目ぇを見合わせておもわず声が出てもうた。

正直ゆーて、ウチの乗務員の制服はカッコ悪い!
何の工夫もない、素の開襟シャツやねんで。
いまどき、中学生も着てへんでぇ!!

高速バス運転士の制服を作ろか?っちゅう話があったのは小耳にはさんでてんけど、あれはないやろぉ。

せやし、ポッポロさんと二人でその場ぁに乗り込んでいって


「誰やねん、こんなダサいデザイン考えたんわぁ!たいがいにしときや!




と心の中で叫びながら、



「お疲れ様ですぅ。制服変えるてゆーてはりましたねぇ。このデザインで決定なんですか?」


と尋ねましたよぉ。ハハハッ!


「いやまだ、決定じゃないよ。いいアイデアあったら聞かせてよ。そうだ!運転士さんたちをいれて制服検討委員会を立ち上げようよ」

我らがバス部門トップ某取締役の鶴の一声で未来が開けた気分になりましたぁ

そんなこんなでまもなく検討委員会が立ち上がる予定です。


「blueくん、あの制服、まさか決まったじゃないよねぇ・・。あれは着れない・・」そうゆーてはったんは、N5先輩。
この事実を聞かはって、さぞかし胸をなでおろさはったことでしょう。

N5さん、ぜひ検討委員に立候補してください。
せやけど、宇宙戦艦ヤマト風の制服はやめてね

あと・・
このプロジェクトにさりげなく協力してくれている強~い味方がいてることを紹介しておきましょう。

何を隠そう、皆さん、ご存知、「Bちゃんfrom yokohama」ですぅ。

なぜ、彼女がつよ~い味方なのかは・・・・
ちと言えません。

Bちゃんから「ゆーてもかまへんよぉ」て、お許しが出たらばらしますぅ。


来年の新緑の頃 All new! HighwayBus Driver's Uniformを自信を持って公開できると思いますぅ。
制服オタクの方のみならず、お楽しみにぃ!!


ふふふ。


夏の終わりに・・

2007年09月12日 | 運転席を離れて・・
この2~3日はメチャ過ごしやすい。
残暑は厳しくなるっちゅうてたのにねぇ・・。
まぁ、エエねんけど。

異動になって初めての夏が終わった・・。
率直にゆーてめまぐるしく過ぎ去っていった感のある4ヶ月やった。

ボクが今ここにいてる理由・・
ボクに求められているモノ・・
ボクがなさねばならない役割・・
こんな言葉がいつも頭ん中グルグル・・

「もう慣れはりました?」
「気負わんと気楽に行きぃ」
「自分の好きにやったらいいんですよ」

今のボクを取り巻く仲間たちは、皆、一応に明るく温かい。
そんな言葉に助けられることも多かった。
同時に癒されてホッとしている自分が情けなくも感じた。

そうや、そんな悠長なことをゆーてる間ぁはボクにはあらへんねん。

いつでも緊張感を持って、いつも前を向いて、何倍もがんばらなアカンねん。
最終的に自分を助けられるんは自分だけやねん。


とにかく前進あるのみや!


とまぁ、気合をいれたところで、明日は、某百貨店の増床1周年記念のための臨時シャトルバスのバス整理に行ってきますぅ。
日常業務の合間をぬって、イベントがあるごとにバス整理に行かなアキマセン。
いろんな意味で大変は大変ねんけど、乗務されている運転士の方々のご苦労に比べればぜんぜんやと思いますぅ。
乗務員っちゅう仕事はホンマ神経すり減らす大変な仕事やとあらためて感じるこの頃ですわぁ。

そう感じながらも異動後、5回ほど高速バスのステアリングを握ってるボクですぅ。
稼げるときにガンガン稼がなアキマセン!
いざとなったらどこなと行きまっせぇ!

東へ西へ、北へ南へ、走ります!
そこにお客様がいる限りぃ!!
それがボクらの使命ですぅ。

猶予はないけど、あせってもしゃーない。
今は振り返らんと進みますぅ。

初めてハンドルを握ったあの日の気持ちを忘れぬために。