昨日のK線復路は、胸が苦しかった・・
空港から女性が2人、それぞれ小さめのトランクを抱えて乗ってこられた。
ひとりは60代くらい、もうひとりは80代くらい・・だ。
運行中、何回かその方々の携帯の着信音が車内に響いていた。
しかし、その時点ではそれがかなりの急を要することであることは知るよしもなかった。
途中のサービスエリアでそのお客様がボクの方にいらして尋ねられた・・。
「すいません運転手さん、大学附属病院に行きたいのですが、BCが一番近いですか?」
附属病院への乗り換えは時間の関係もあるがBCがベターだ。
その旨、御案内し、「お時間をお調べいたしましょうか?」とボクは続けたが・・
そのあと、ショッキングな言葉がその方の口から発せられた。
「いいえ、タクシーで行こうと思います。実は孫が危篤なんです・・今も娘から電話があって『早く来て、早くっ』ていうんですよ。そんな言ってもまだ途中だっていうのにねぇ・・」と。
口調とは裏腹に沈痛な面持ちだった。
察するに、おそらくまだ小さな命に違いない・・
そんな小さな命が今消えようとしている・・
お2人は、まさにそんな時間の流れの中にいらっしゃるのだ。
胸が締め付けられる思いだった。
「お客様、大学病院までタクシーご利用でしたらBCの一つ前の○○っていうバス停の方が近いです。今からタクシーに連絡を取ってそのバス停で待機してもらいますが・・それでよろしいですか?」
「すみません、よろしくお願いします・・」
速攻、営業所に電話をした。
「コムさん、~というわけなので、よろしくお願いします。」
「了解、わかった!」
「あと、バス停からタクシーだと何分位かかりますか?」
「そうやなぁ、15分かからないくらいやな。10分じゃ厳しいと思う。」
タクシー経験のあるコムさんは即答してくれた。
すべての事情を聞いたコムさんが当社のタクシーに連絡を取り、バス停で待機してもらう段取りを組んでくれた。
ココから○○バス停まで約45分。そこからタクシーで10分から15分・・
その状況をお客様にお伝えした。
お2人にとって、ものすごく長い45分だったと思う。
外はもう日が暮れて暗い・・
フロントウインドに映り込むお2人のお姿は、ジッと時間の流れと闘っておられるかの様であった。
その時点で、遅れが6分・・
アクセルを踏むボクの右足には自然と力が加えられていた・・
これくらいだった。
その時のボクにできることは・・。
定刻より遅れること1分。
バス停に滑り込むとバスシェルターの明かりの下にタクシーの運転士さんが待機していた。
ボクが手を挙げると、軽く一礼をされた。
「間に合うことをお祈りいたします」
「ありがとうございました・・」
お孫さんの手を握り、お声をかけることができたことを心から祈った。
空港から女性が2人、それぞれ小さめのトランクを抱えて乗ってこられた。
ひとりは60代くらい、もうひとりは80代くらい・・だ。
運行中、何回かその方々の携帯の着信音が車内に響いていた。
しかし、その時点ではそれがかなりの急を要することであることは知るよしもなかった。
途中のサービスエリアでそのお客様がボクの方にいらして尋ねられた・・。
「すいません運転手さん、大学附属病院に行きたいのですが、BCが一番近いですか?」
附属病院への乗り換えは時間の関係もあるがBCがベターだ。
その旨、御案内し、「お時間をお調べいたしましょうか?」とボクは続けたが・・
そのあと、ショッキングな言葉がその方の口から発せられた。
「いいえ、タクシーで行こうと思います。実は孫が危篤なんです・・今も娘から電話があって『早く来て、早くっ』ていうんですよ。そんな言ってもまだ途中だっていうのにねぇ・・」と。
口調とは裏腹に沈痛な面持ちだった。
察するに、おそらくまだ小さな命に違いない・・
そんな小さな命が今消えようとしている・・
お2人は、まさにそんな時間の流れの中にいらっしゃるのだ。
胸が締め付けられる思いだった。
「お客様、大学病院までタクシーご利用でしたらBCの一つ前の○○っていうバス停の方が近いです。今からタクシーに連絡を取ってそのバス停で待機してもらいますが・・それでよろしいですか?」
「すみません、よろしくお願いします・・」
速攻、営業所に電話をした。
「コムさん、~というわけなので、よろしくお願いします。」
「了解、わかった!」
「あと、バス停からタクシーだと何分位かかりますか?」
「そうやなぁ、15分かからないくらいやな。10分じゃ厳しいと思う。」
タクシー経験のあるコムさんは即答してくれた。
すべての事情を聞いたコムさんが当社のタクシーに連絡を取り、バス停で待機してもらう段取りを組んでくれた。
ココから○○バス停まで約45分。そこからタクシーで10分から15分・・
その状況をお客様にお伝えした。
お2人にとって、ものすごく長い45分だったと思う。
外はもう日が暮れて暗い・・
フロントウインドに映り込むお2人のお姿は、ジッと時間の流れと闘っておられるかの様であった。
その時点で、遅れが6分・・
アクセルを踏むボクの右足には自然と力が加えられていた・・
これくらいだった。
その時のボクにできることは・・。
定刻より遅れること1分。
バス停に滑り込むとバスシェルターの明かりの下にタクシーの運転士さんが待機していた。
ボクが手を挙げると、軽く一礼をされた。
「間に合うことをお祈りいたします」
「ありがとうございました・・」
お孫さんの手を握り、お声をかけることができたことを心から祈った。