バスシェルターの明かりの下で

夢を忘れたちっぽけなバス会社のちっぽけな元バス運転士の最初で最後のチャレンジ・・。

路線廃止が残すもの・・・

2007年10月01日 | バス再生
今ひとつ、容態が芳しくない・・
回復を望んでうったカンフル剤も効き目があるかどうかは未だ不透明。

そして、病巣摘出を実施しなければならないと判断が下る。
ダメと判断された部分は取り除かねば全体を蝕んでしまう。
今回、そんな摘出手術を行った。

術式名は “廃止”

この荒療治には必ずリスクが伴う。
そのリスクには正面から向き合って説明をしなければならない。

今回は、3名の学生さんがそのリスクを背負ってしまった。
路線廃止に伴って、足を失ってしまうのだ。

「何で、この時期なの?」
「あんたの会社のせいでこの半年の予定はめちゃくちゃになった!」
「何とか、残せないの?あと少しで良いから・・」
「やっとの思いで学校に通わせているのよ」
「苦しいのはあなたの会社だけじゃないわ」
「授業の時間に間に合わない、どうしてくれるの?」
「ボクはどうやって通えばいいのでしょう?」
「夜遅くなると迎えにいけない!」
「お客の要望に応えるのがあなたたちの使命じゃないの?」
「・・・・・・・」
「・・・・」
「・・」

発せられた言葉にはため息が交じり、やがて、沈黙が訪れ、それはあきらめへと姿を変えていく・・・。

今までご利用いただいたお客様には、到底理解されるはずも無い勝手な事情を並べ立て、ボクはひたすらお詫びをする。
受話器を持って、何度も何度も頭を下げながら繰り返す・・

「申し訳ありません。本当に申し訳ありません・・」と。


今日、また、3人のお得意様を失ってしまった。