日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

長い間行きたかったその山は、無数の山々のど真ん中だった。    大嵐山/湯ノ倉山

2014-10-16 23:39:07 | 山行

入山日 2014年10月12日(日) 単独       (湯ノ倉山山頂から大嵐山の山頂部が垣間見れた。)
昨年だったか、一昨年だったかみー猫さんが11月の終わり頃行かれた紅葉の大嵐山に行きたいとずっと思っていた。自分が読んでいるだけで、ちっともその山域に足を運ばなかったガイド本”南会津・鬼怒の山50”の中でも、特に歩いてみたい山だった。今年は紅葉の訪れが1週ほど早いようなので、もう山中はいい頃合なのではと思った。
11日は仕事、13日も休日出勤なので、山は12日にがんばるしかない”なな”は、この日もまた会津西街道に、自爆事故から復帰してきたアウトバックを走らせることになった。

湯の花温泉にくるのは、本当に久しぶり、20年ぶりくらいか。林道を走って途中倒木や、車にカサカサぶつかってくる葉や小枝を気にしながら走って、それでもすぐ林道の終点に着いた。買ったばかりの車などでは、距離もたいしたことのない林道だし、入らない方がよいかもしれない。林道終点の登山口には車は無し、一番スタートのようだ。
最初から緩やかに登り、そのうち沢の右岸、左岸を何度か渡りながら沢の周辺を詰めていくようにコースがある。6月には山開きもあるこの山、その時は100人単位の登山者が歩いているのだろう。踏跡は思ったとおり明瞭にある。時にちょっとだけヤブ山っぽいテイストも・・・。
(登り初めてからかなり長く、沢の周囲を歩く。靴はぬらさずにすむ。)


コース: 林道終点(登山口)6:25 ・・・ 大嵐山山頂 8:46-9:16 ・・・  湯ノ倉山コースへの分岐 9:47 ・・・  湯ノ倉山山頂 10:14  ・・・ 登山口 11:05    
 
みー猫さんがこの山に来た時は、足が前に出ないくらい綺麗な紅葉の撮影が忙しかったようで、今回正直それを期待していた。沢の周囲を歩く局面では少し早すぎたかなという印象。それでも山の斜面は黄色の葉が美しい。
(引き続き沢に沿ってのルートを登っていく。周囲は気持ちの良い原生林、山深い印象がある。)



道標に従って左折して方向転換。ここで沢と別れて稜線直下の斜面に取り付くようだ。尾根型のない斜面をトラバースしたり、緩やかに登ったりして進んでいく。 (P ↓)



歩き始めて1時間30分ちょっとで山頂に続く稜線にでた。山頂と反対方向に尾根が続いていて、そこの先、真米山に続いている。ちょっと木々の間を覗いてみたけれどかなり深いヤブの世界。真米山に向かうには相当の心の準備がいるようだ。
稜線にでると、光の当たり具合の関係で、今までと打って変わって明るい色彩が目立つようになる。
(稜線の木々はきれいに黄葉していた。)


稜線上は背の高い木の密度が低く、初め特に北や東方面の眺望が開けてくる。
一番初め、七ヶ岳方面が目についた。(P ↓)来る時、田島の道の駅あたりから長い間、濃い霧の中を走ったが、最高のお天気じゃないの。北東の男鹿山塊方面は雲海。北にははるか遠くに飯豊連峰と思われる山脈も見えた。



稜線の潅木が赤く色づいている。今度は雲海の向こうに男鹿山塊と那須の山並みがよく見えてきた。




今年夏に始めて歩いた荒海山はどちらの方向と、地図を広げてみたら、どうやら、手前の稜線の右より。一番高い黒い山がそれのようだ。

今年


稜線にでてからは紅葉と眺望を楽しみながら、緩やかな尾根歩き。ところどころ左右が激しく切れている場所があるも、ロープで防護してある。稜線にでてから約30分で大嵐山山頂に到着。だれもいない静かな山頂だった。
これが問題の北のとんがり山の方角の景色。(P ↓) 前回の記事で疑問を投げかけたら、烏ケ森さん、みー猫さんから笠倉山と教えていただけた。
真米山への稜線とその向こうに真名板倉山。その左かた遠方に・・・とんがりお山は、この画像じゃ見えない。実際ナマの風景の中では、そのとんがり山は肉眼ではよく見えた。


栃木方面は一面の雲海。こんなきれいな雲海は久しぶりに見た。高原山の山塊がぽっかり雲に浮かぶ。



山頂は南北に長いピーク。南方面に少し行ってみると大展望。日光連山が見えて、枯木山に延々と続く尾根の連なりも見えた。ここも恐る恐る覗いて見たけれど、それらしい踏み跡もなし。かなりのヤブ、枯木山までは超ロングで最初から歩く対象とは考えて見てはいない。
(枯木山への稜線もやはり濃いヤブ尾根だった。その尾根の向こうに日光連山。)



山頂でゆっくりしたが誰も上がってこない。はるか下のほうから沢の音が微かに聞こえてくる時がある。時間が止まったような空間。山名板の後方には会津駒や三岩岳らしき稜線が連なって見えた。(P ↓)




左から男体山、白根山、その前の稜線は田代山、帝釈山が見えているのだろう。




枯木山は手前の稜線のどれかのコブだろう。後ろに日光連山。赤薙から白根(右)まで見渡す限りの大パノラマ。



山頂で30分ほど景色を楽しんで、下山を開始。パノラマを楽しみながらの稜線を歩き、樹林帯に入って痩せた稜線を木々の下をくぐりながら歩いたりする。

(直角に切れ落ちているような場所もあった。 落ちたら大ケガどころではすまないかも。)



主稜線を離れ、コースに沿って下る。帰りは湯ノ倉山経由で歩きたかった。往路ではそのルートへの分岐に歩いていて気がつかなかった。下りの局面では気がつくのだろうか、どこかで左(西)方面に折れる分岐があるはずと注意しながら歩く。下から登ってくる人の声がした、人の声がするので複数人の登山者が来たのだろう。その人達と出会う直前に”湯ノ倉山コースへ”の道標を発見。やはり、登り時には気がつかなかった分岐。そこから少し斜面をトラバースして尾根に少しだけ登り返して湯ノ倉山へ続く尾根に乗った。
(乗った湯ノ倉山への尾根は、明るく黄葉した森の中の尾根道が続いていた。 )


まだ、黄葉の最盛期には10日か,2週ばかり早いのだろう。これから、もっと色づくような気がしたが、それでも淡い色の紅葉の森は十分満足できた。
(道端のちょっとした幼木も彩り豊か。)



気持ちのよい尾根のコースはしっかりした踏跡が通っている。山開きの時は、ここも歩かれるのだろう。来年のその時は、自分は参加しているのだろうか。あの眺望を6月に観たら、晴れていれば残雪と新緑で、それはそれで素晴らし景色を見られるのだろう。
湯ノ倉山山頂へは、ほんの少しの緩やかな登り返しで到着。ここもだれもいなくて静か、とても明るいピークで木々の頭越しにさっきまでいた大嵐山山頂部付近が見えていた。




湯ノ倉山山頂からは、これからもっと色づく余力のある森を下る。急な下り局面もあるけど、道は整備されている。
(時にこんな真っ赤も出てくるけれど、少数派。10月末にはこんな色の木がもっと増えるだろう。)


湯ノ倉山からの下りのコース、会津の山の山深さを感じさせてくれる。味わいのある森の中を下っていく。今度来る時は、こちらのほうから登ってみようか。




湯ノ倉山頂から、そんなに時間もかからずに沢のコースと合流。沢のコースは朝と違って、陽射しを受け明るい雰囲気になっていた。(P ↓) 沢コース合流点から駐車地(林道末端)まではわずかな行程、緩やかに下って駐車地に到着した。そのスペースにはなな”のスバル以外に車が3台増えていた。そこそこ人が入っていたことになるが、山中で姿を見かけたりすれ違った人はゼロ、静かな山だった。
最盛期の紅葉を期待して出向いて、そこまでの紅葉は見られなかったのはちょっと残念。そのかわり、会津の山の奥深さと稜線区間での特大の展望を見られたのは期待以上。この山、位置的に栃木、福島、新潟方面の無数に連なる山のど真ん中にあるイメージで、周囲を見渡す限りの美しい稜線のひだが連なっていた。
また、大嵐山の稜線から北に見えたトンガリ山のことを記事に公開質問をしたところ、いつもお世話になっているかたがたに早々に解決していただけたのも、いい思い出になるだろう。
さて、来週以降はどこに行こうかな、少し会社がヒマになってくれないと困るぞ・・・。 ■■




(帰りがけに林道入口付近にある湯の花舞台を見学した。)


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