日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

笹ヤブをかき分け黒檜岳、社山の稜線を辿った

2012-08-27 00:57:25 | 山行

入山日 2012年8月25日  晴、曇、雨  (見出し写真: 社山頂上付近からの黒檜岳への稜線、この日この道を辿ってきた)

 18日錫ヶ岳の激戦を経て、また週末。今週末は忙しい、26日(日)は会社がらみの認定試験を受験予定、24日夜は会社の食事会、25日も翌日の為の勉強をしなければ、ということであまり遠出もできず、なおかつ長いコースも控えたい。今回はかねてから気にはなっていたが今まで足を踏み出せなかった黒檜岳、社山間の稜線を歩いてみることにした。

コース 千手ヶ浜BS 6:13   黒檜岳取りつき分岐  6:33   黒檜岳山頂  8:38~8:50  社山  11:05~11:38   阿世潟峠  12:24~12:28   阿世潟  12:41   歌ヶ浜   13:40   二荒山神社前BS  14:11

 朝4時過ぎに自宅を出る、赤沼:5:30発の低公害バスに乗り千手ヶ浜を目指す。このバス今市在住者なのに乗るのは今回が初めて、いかにこの山域に来ていないかがわかってしまう。starionさんやぶなじろうさんなどのレポでよく出てくるこのバス、小田代ヶ原を経由し千手ヶ原まで30分で運んでくれる。途中の風景はまさに深い森林と高原の様相、道脇に時おり踏跡状のものもあり興味を引かされる。テープの案内もあり、ひと時の観光ムードを味あわせてもらった。日光っていいなア
 (写真下)千手ヶ浜BSから歩いて3分ほど、中禅寺湖につきあたる。男体山脇に上ってきた太陽と湖上の霧・・・

 千手ヶ浜からは黒檜分岐まで湖畔を南に20分歩く、途中山腹から染み出してきたような水を集めたせせらぎをいくつも渡る。人の姿もなくすがすがしい朝の景色が展開される。分岐から黒檜岳へ登り始める、最初は密な樹林の斜面をジグザグに登る。途中シャクナゲも出てくるが踏跡はあるので心配はいらない、踏跡は準一般ルート級。落ち葉、倒木で時々不明瞭になるがマークも出てくる為、迷うほどではない。(写真下)途中から樹間の尾根に乗っかる形で高度を上げていく、傾斜はさほどきつくないが眺望はほとんど無し。踏跡も不明瞭な箇所が数回、1,2分で解決できる道迷いを2度ほど。うろうろして明瞭なコースに復帰する。傾斜が緩やかになり分岐から約2時間程で山頂に到着した。

 黒檜岳山頂でひとりで初登頂の記念写真をとっていると、のさのさと鹿が現れ近づいてきた。10Mほどのところで下草を食べ始める。私が近づくと一応逃げるのだが、無視して山名板などを撮影していると、また近寄ってきて周辺を散策している。この鹿今年6月のハイトスさんのレポ中の写真の鹿と同じ気がする、場所も同じだし、人を怖がらないのも同じ。何ともトボケタ感じの風貌でおかしかった。 (写真下) 10Mくらい先でこちらの様子をうかがう鹿クン・・・

 (写真下)鹿に別れを告げ山頂をあとにし社山へ向かう、しばらくの間樹林の中を緩やかに下る。マークが頻繁に出てくるので、それに導かれる形になる。踏跡だけだと正規ルートを辿るのは結構難しい気がする。

 樹林の中の歩きを20分ほどこなし、林が途切れ見晴らしのよい笹の尾根になる。ここからは、社山まで一貫して笹の尾根、眺望抜群で気持ちのよい稜線だ。笹はだいぶ乾いたのだろうが露を含みズボンと靴がぬれるが、当然先週の山ほどは濡れない。この稜線おおむね踏跡を笹がほぼ隠す形、踏跡のある部分の笹原がわずかにくぼんでいるあのヤブ山でよくある踏跡だ。笹をよけると、踏跡の有るはずの部分はそのラインだけ裸地になっている感じだ。笹はおおむねひざ程度、部分的に胸たけまでの箇所も少々ある程度だ。(写真下)半月山(左)方面への笹の尾根・・・

 (写真下) 歩いている稜線の進行方向右(南西方面)、今いる稜線、大平山、足尾の山々の稜線がひだのように連なる右後方には富士山が・・・この写真では見えないかナ。肉眼やアップ写真でははっきり確認できた。

 (写真下) 稜線を40分ほど進み社山が見えてくる(中央、濃い三角計の山)
 

 (写真下)途中、黒檜、社山間の半分ちょっと手前くらいで広い平原にでる。暇があれば幕営して一日寝そべってゆっくり過ごしたいような場所だ。


 気持ちのよい平原を過ぎると尾根がにわかに細くなりだす。危険箇所はないが、ガレ地のすぐ上を通過したりして稜線をこなしていく。ここまで登山ムード満喫の歩きができる、誰も来ないしすれ違いもしない。こんな素晴らしい景色なのに一人占めなのだ。歩いているので基本暑いが稜線の気温は22、3度程度、風も適度にあるし汗だくにはならない。ここに来て体のほうは山に順化しているらしくきついと思う瞬間は今回もほとんどない。ある程度ゆっくりならいくらでも歩けそうな感じ。天気もここ数回の山行では一番の晴れ、進行方向左の視界が開けてくると白根、太郎、男体などが巨体を現しだす。
(写真下)社山へ続く稜線と、稜線のすぐ下斜面の崩落地・・・

 (写真下) 南方面、足尾を見下ろす・・・

 崩落地脇を過ぎると、コース進路がうねりだす、時に北東へ時に南東に、目先の小ピークやその脇を巻くような形でアップダウンを繰り返すしながら進む。踏跡は依然同じ状態、注意して辿る、時おりマークやテープが出てくるのも相変わらず。(写真下)社山への稜線上の小ピークと後ろに男体山、あの小ピークは右の斜面を巻いた。巻く踏跡があったので行ったのだが途中不鮮明になる、滑ったりしながらやっと鞍部に抜ける。稜線上を素直に行くべきだった。

 (写真下)右の少しはげたピークは行かず左方向に折れて別ピークを登る。左の樹林の山が目指す社山・・・

 (写真下)社山頂上直下より振り返って見る歩いてきた稜線。右側に続く尾根は、今年6月に歩いた大日崎からの尾根・・・

 黒檜岳から2時間15分で2ヶ月ぶりの社山山頂周辺に到着、展望地には意外にも誰もいない。まだ、雲も少なくほぼ全方向の眺望を楽しめる。2時間前にいた黒檜は遥か遠くに見え、そこからの歩いてきた稜線がうねうね連なっているのが確認できる。そしてその右後方には先週激戦?をした錫ヶ岳の姿も確認できた。
 社山には家が近いのもあり手軽に登れることもあり、よく来る。今年も3月(途中雪で撤退)、4月、6月、今回と4度めだ。初めて登ってからは15年は経つような気がする。その間黒檜岳への稜線歩きは常に意識していた。行程が比較的長いと思っていたのと、持ち前の根性なしの性格から今日まで持ち越されていた。今日は黒檜からのコースだが社山まで歩けた。その逆方向も面白いかも知れない。私自身今年から山へのアプローチの仕方が変わり頭の中の意識も入れ変わったような感じ、今までロングコースで敬遠していた今日の稜線を短期コースとして選択したのもなんだかおかしい気がする。今日はルーファンでの楽しみはほとんど味わえなかったが、心地よい稜線歩きを楽しめ、黒檜への初登頂もできた。今日はそれで十分、社山山頂で30分以上食事休憩をしてあとは一般ルートを阿世潟峠、阿世潟、経由で下山する。
 中禅寺湖畔を歩く頃、空は黒い雲に覆われる。歌ヶ浜に着くころぽつぽつ、鳥居のあたりで強い雨にたたられる。バス停をひとつ飛ばしてしまったらしく、二荒山神社前BSまで歌ヶ浜から30分も歩くことになってしまった。

(写真下)左、錫ヶ岳から先週あるいた稜線をはさんで白根山・・・

 (写真下)社山下山路からの中禅寺湖、秋の気配も出てきている。・・・下山時であった登山者は約14人ほど、社山も最近は人気の山なのだ。

 (写真下)阿世潟峠への下り・・・


コメント (9)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ひと気のない錫ケ岳は遥か彼... | トップ | 今回の土日は山は「おあずけ... »
最新の画像もっと見る

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
黒檜から社山 (たそがれオヤジ)
2012-08-28 08:43:56
ななころびさんがこのルートを歩いたことがなかったということには意外な感じがします。
帰りはバスで赤沼に戻られたようですね。自分はそれが面倒で、菖蒲ヶ浜からグルリと回って戻ってきたことがあります。さすがきつかったですが。
このルートは静かで、ヤブも少なくて、私、好きな稜線です。
この記事を拝見し、奥日光の涼しさを味わいに、この稜線を歩いてみよかなと思い始めています。ヤブだけはご勘弁の状態は続いていますが。
行くとすれば、足尾の方からでしょう。歩いたことのない尾根がたくさんありますから。一つずつ、消していこうかなとも目論んでいるのですよ。

ななころびさん、ずっと気になることがあるのです。今度から「工程」を「行程」にしませんか。機械仕掛けで歩いているような感じになってしまうんですよ。失礼も顧みず、余計な一言を添えてしまいました。悪気はありません。気になさらないでください。
返信する
あの鹿 (ハイトス)
2012-08-28 12:18:26
ぶなじろうさんいわくあの鹿は30%の確率で見るとのことですよ。
黒檜の有名人ならぬ有名鹿らしいですね。
今回の稜線歩きはガスも無くすっきりしていて気持ち良さそうです。
自分達の時は梅雨時期でもあったのでいまいちでしたが。
たまには藪の無い稜線歩きも良いものですね。
特にこの尾根は人が少ないので静かな歩きが楽しめます。
返信する
たそがれオヤジさん (ななころび)
2012-08-28 14:52:56
こんにちは、たそがれさんは菖蒲ヶ浜からグルリまでやられたんですか、ほぼ湖を(しかも半分は山の中を歩いて)一周ですね。それも面白いかもしれませんが、だいぶ疲れそうです。
今回の稜線、静かできれいで、めくるめく眺望を楽しめるとても良いルートでした。行程途中で足尾のほうに降りるいくつかの気になる尾根がありました、自分もいつか挑戦してみたいと思っております。
誤字「工程」の件、ご指摘ありがとうございました。気付かず使用しておりましたが、細かい所まで読んでいただけているのが逆にうれしくもありました。千手ケ浜の件は、、昔荒川区の千住の近くに住んでおり千住ケ浜と思い込んでいた次第です。お恥ずかしい・・・これからもいろいろご指導お願いします。
返信する
ハイトスさん (ななころび)
2012-08-28 21:41:33
こんにちは、コメントありがとうございます。今回の稜線ですが、想像以上に曲折がありめまぐるしく展開の変わる面白い尾根でした。歩いてよかったです。
実は、前回錫ヶ岳の時のコメントで言い忘れたのですが、錫ヶ岳登頂するにあたり白檜直登ルートも含め一番参考にしたのはハイトスさんの里山山行記でした。今回の黒檜、社山間も同様に今年6月のハイトスさんのレポを参考にさせてもらいました。(どこが里山か、という気もしますが《笑い》。)
もうすぐ山が色づく季節ですが、今年の秋を充分堪能したいと思います。白砂山の沢登りに出かけられたとか、白砂は一般ルートでの登頂自体もしていないので想像もできませんが、レポを楽しみにしております。
返信する
お気に入り (たそがれオヤジ)
2012-08-29 13:09:12
勝手ながら、私めのブログの「お気に入り」加えさせていただきました。
今後ともよろしくお励み願います。迷走、彷徨、暴走、危機一髪をお忘れなく。
返信する
たそがれオヤジさん (ななころび)
2012-08-29 21:31:42
当ブログを”お気に入り”に入れていただけるなんて、7月にこれを始めてみる気になって、このようなコネクションを築いていただけるなど想像もしていませんでした。
こちらのほうが先にたそがれさんの「山ある記」を”お気に入り”に入れるべきでした。遅くなりましたが、加えさせていただきました。紹介文に不適切なことがありましたらのちほどお知らせください。あの名だたる先人の皆さん、オッサンさん、ぶなじろうさん、ハイトスさん、野球親爺さん、みー猫さんの入る”お気に入り”に加えていただけるだけで感激でございます、本当に・・・。これからもできる限り、無理せずに普通の山行も交えて挑戦を続けていきたいと思います。
返信する
お気に入り (たそがれオヤジ)
2012-08-29 22:01:15
恐縮至極でございます。
身体が痒くなりました。これからも、渋く歩いてまいりましょう。
せめて、カモフラージュと言っては失礼ですが、ハイトスさんコーナーも入れておいてくださいよ。白砂山のコメントの際にでも了解をとっていただければ。勝手に加えても、ハイトスさんならお怒りになることはないでしょう。記事同様に穏和な方ですから。

何かのご縁でしょうか。どこかの、人気のない山でばったりとご一緒するような感じがしますね。ななころびさんのシルエットは拝見いたしましたし。
返信する
リンク (ハイトス)
2012-08-30 21:34:10
リンク作業完了しました。
ありゃ、カモフラージュが追加されているよ。(笑)
今後ともよろしくです。
返信する
ハイトスさん (ななころび)
2012-08-30 23:46:02
こちらこそ、宜しくお願いします。
会社で休み時間などに、最近山に興味を持ち出した若い者にハイトスさんやたそがれさんのブログを見させていますが、その山行頻度の多さや、写真で表現される山のすごさなんかに彼は「すげー、すげー」と連発しています。私もお二方のブログに出会えて本当によかったと感じている状況です。
これからも、無理なさらず山を楽しんでください。 私も「危機一髪」は三歩手前くらいまでにして、迷走、彷徨を時にしながらも楽しんでまいりたいと思っています。
返信する

コメントを投稿

山行」カテゴリの最新記事